しつけは「押し付け」ではなく犬の気持ちに寄添って

公開日: : しつけについてはじめに

犬にしつけは必要か?

と聞かれたら、私は「必要」と答えます。

オスワリとカフセとか、横について歩かせるとか、呼び戻すとか・・・。

やたらと吠えないように、噛まないように!とか・・・。

犬に何かを教えることで犬を危険から守れたり、人が好ましくないと感じる行動をしないように教えることで、人の社会の中で犬も楽しく暮らしていける。

そうしたしつけは、人の社会の中で犬が暮らしていくためには、それなりに必要なことではあると思うのです。

しつけについて考える

犬を飼ったことがなかった私は、人がリーダーになって、人の指示にピタッと従う犬が

良い仔だ!!

と思っていました。

犬をいつでも指示ひとつで従わせることができる飼い主を

素晴らしい飼い主だ!!

と思っていました。

そして

パピーウォーカーを始めたばかりで、子犬の甘噛みや吠えや飛びつきに悩んだとき

どうしたらそれをやめさせられるのか?

どうしたら指示に従わせることができるのか?

ということばかり考えていました。

〇〇の場合は××すればいいこになります。

みたいな、手っ取り早い方法は無いものかなどと思っていました。

しかし、1頭目のパピーのイズモを育てているうちに

いいこに見えても犬が「我慢」をしているのでは意味がないと感じました。

たまたまテレビで

犬が引っ張って、どんどん先に歩くので困っています。

という飼い主さんの悩みに、ドッグトレーナーさんがしつけをするのを観ました。

トレーナーさんがリードを持って犬と歩き、犬が少しでも人の前に出たら

イケナイ!

とピシリと言い、リードをガンッと引きます。

足元で歩いているときは

いいこ~♪

と大袈裟に褒めてあげます。

イケナイ!&リードガンッ!

を2~3回もやると、犬は嘘のようにトレーナーさんの足元でトレーナーさんの顔を見ながら歩くようになりました。

違和感を感じました。

確かにテレビなので、レッスン前とレッスン後の違いを際立たせなければいけないのでしょう。

視覚に訴えなければ視聴率はとれませんから。

そして、パピーウォーカーをやる前の私だったら

すごいな~!!

と感動したと思うのです。

でも

その犬の顔は、可哀想になるくらいしょぼ顔になっていました。

トレーナーさんを見ながらというよりは、顔色を伺いながら歩いているように見えました。

人の目から見て犬が「いいこ」になったように見えても、しょぼ顔の犬は辛いです。

「我慢」ではなく、犬が自ら

人の側で一緒に歩くと楽しいね♪

と感じてくれないと、結局犬も人も辛いのではないかと思うのです。

指示に従わせるのではなくコミュニケーションを

そして、盲導犬協会で訓練士さんのご指導をいただいたり、お話をさせていただく中で、協会の訓練士さんは

犬に我慢を強いるトレーニングではなく、犬の気持ちを汲んで寄添うようなコミュニケーションを大切にしていることを感じました。

人の側の要求を、犬に一方的に押し付けるのではなく

この仔はどうしたいのだろう?

どうやったら受け入れてくれるんだろう?

というように犬の気持ちを考えたり、その犬が受け入れてくれそうな方法を考えたりしていることが感じられました。

言葉が通じない犬のために

人の方が犬の気持ちを考えて、人間社会での暮らし方を伝えてあげる。

それが大切なんだなと思いました。

そして、犬は

どうしたら人に可愛がってもらえて、人と一緒に楽しく暮らしていけるのか?

一生懸命に考えてくれる動物だということも、犬と暮らして初めて知りました。

不自然な

オスワリ!の命令とか

マテ!の強要。

ダメ!の制限。

そんなふうに、犬を従わせる指示だけで犬と繋がる薄っぺらい関係ではなく、お互いに自然なアイコンタクトで分かり合える関係。

そんな犬とのコミュニケーションができるようになりたいものです。

未熟な私達ですが、犬と一緒に成長していきたいと思います。

ブログのタイトルもこの思いからつけています。

2017年の記事はこれで締めくくりです。

皆さま、良いお年をお迎えください。

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Comment

  1. サナ父ちゃん より:

    ワンコ達って、いいコばかりだと思います。人間よっか、よっぽど…(笑)。
    ワンコ達と上手くコミュニケーションをとって、お互いにして欲しい事が理解し合えれば、私もワンコ達と楽しく、幸せに共存出来ると思います♪

    サナ預かってしばらくは、

    「~ねばならない。」
    「~を出来るようにしなければならない。」

    って意識が強くて、逆にいろいろと上手くいかなかったように思います…

    来年もウェルシーちゃんと楽しく、笑顔で過ごせるといいですね~♪

    今年も大変お世話になりました。ウェルシー家の皆様、よいお年を♪

    • gd.vol より:

      サナ父ちゃんさん
      同じく
      です。
      犬というものを全く知らなかったので、接し方がわからず、どう育てたら「いいこ」になるのだろう?
      とか、思っていました。
      そのときイメージしていた「いいこ」は「人にとって都合のいいこ」でした。
      そう思えば思う程うまくいきませんでしたね~。

  2. ツムギ母 より:

    ワンコが『人の側で一緒に居る事が楽しいな』になりつつ、躾もしっかりやる。これが理想ですよね。躾と言う名の虐待(大袈裟ですが)では、本当の絆なんて育まれないのではないでしょう』。
    我が家のツムギはパパさんママさんの愛情をたっぷり受け躾もバッチリ♪ なので、躾に関しては素人ですが、そう思います。
    良いお年を〜☆

    • gd.vol より:

      ツムギ母さん
      私たちも犬育ては手探りなのですが、プロの訓練士さんにいつでも相談できるということが、とても心強いです。

      ツムギはおっとりして穏やかな優しい仔なので、そこを伸ばしていきました。
      なので、焼きもち焼きなところや、拗ねるところや頑固なところは治っていませんが、ツムギ母さんが
      そこもツムギの可愛いところ。
      と言ってくださっているので、ありがたく思っています。

      新しい年もツムギと楽しい時間をたくさん過ごしてくださいね。
      良いお年をお迎えください。

  3. ケインママ より:

    ワンコの基本的なしつけは、運動させることと同様に大切なものだと感じます。
    そこが自然にできていれば、社会にも受け入れられるし、よりたくさんの人から愛されるワンコになりますよね。
    人と犬が信頼し合う間柄になれたら、それが一番幸せなことだなぁと思います。

    今年も為になる記事、心の温まる記事をありがとうございました。可愛いウェルシーちゃんと良いお年をお迎えください(^^)

    • gd.vol より:

      ケインママさん
      あけましておめでとうございます。

      人の社会で受け入れられるわんこ。
      たくさんの人に愛されるわんこ。
      人を信頼してくれるように、接していくことが大切ですね。
      その仔の土台をつくるパピーウォーカーの一番大切な役割かもしれませんね。

      昨年はお世話になり、ありがとうございました。
      今年もよろしくお願いいたします。

  4. やまと姉 より:

    コミュニケーションが上手くいくと、お互いの関係性も絆も深まりますよね。
    これまでのワンちゃん達もブログを拝見して、大切に育てられているんだなぁって感じます。私も見習うところがたくさんあって、毎回とてもためになるお話で楽しみにしております。来年もよろしくお願いします。良いお年を!

    • gd.vol より:

      やまと姉さん
      あけましておめでとうございます。

      コミュニケーションは大切ですよね。
      でも、それがなかなか難しいんですよね~。
      みんな可愛い仔たちなので、大切に育てましたが、私達が犬たちに教えてもらったことの方が多いです。
      たくさんに人たちと犬への思いをシェアできたら嬉しいです。

      今年も応援よろしくお願いいたします。

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