子犬のしつけには「おやつ」も「叱る」も必要ない!盲導犬パピーのしつけ方

公開日: : しつけについてはじめに

子犬をおうちに迎えたら、人と楽しく暮らすためにはしつけも必要ですね。

盲導犬のパピーウォーカーは、子犬をどのようにしつけているのでしょうか?

私たちが4頭のパピーを育てる中で、訓練士さんに教えていただいた「子犬のしつけ方」をお話します。

迎えたばかりの子犬は、新しい環境と知らない人たちに囲まれ、不安で一杯ですよね?

なるべく子犬にストレスを与えず、安心して過ごせるように配慮してあげましょう。

おやつ無しで叱らずにしつけられるの?

最初のうちは、しつけよりも何よりも

  • 人は優しい。
  • おうちっていいところだな。

と、子犬に思ってもらうことが大切です。

関連記事→子犬を迎えたら|しつけの前に「子犬にはできないこと」を理解しよう

それでもトイレトレーニングなど、子犬を迎えたその日からしつけていくことがありますね。

子犬のしつけには、おやつもいらないし、叱ることも必要ありません。

さて、どのようにしつけていくのでしょうか?

Goodを教える

盲導犬の犬育ては「褒めること」から始まります。

  • トイレサークルで排泄するたびに撫でて「Good」
  • ごはんを食べているときに撫でて「Good」
  • おもちゃで遊びながら撫でて「Good」

毎日複数回行われることなので、パピーは一日に何度も「Good」という言葉を聞くことになります。

撫でるのは、人に触られることを「良いこと」と感じてもらったり、人の手は撫でてくれるものと理解してもらう意味があります。

「Good」は犬が心地いいと感じるシーンで使うことで「良い言葉(音)」「褒められている」と理解してもらいます。

家に遊びに来た私の友人は

ごはん食べるだけで褒められて、犬はいいね。

って言っていました(笑)

叱る前に叱らなくていい環境を作る

そうは言っても子犬という生き物は、人にとって困ることもしてくれますよね。

おもちゃにされて困るものは犬が届かないところに片づけておくようにしたり、子犬に入ってほしくない場所は柵などを設けて、叱らなくていい環境を作るようにします。

叱らずに「良いこと」を教える

うっかりしまい忘れたものを咥えた場合も、叱ったり、追いかけて無理に取り上げるのではなく

こっちが楽しいよ♪

とおもちゃをピヨピヨ鳴らしておもちゃと交換します。

このときも、おもちゃに気を向けててくれた時点で「Good」

おもちゃを咥えてくれたら「Good」

「Good」をたくさん使い「良いこと」を教えていきます。

甘噛みも飛びつきも吠えも、人にとっては困ることでも犬にとっては「犬として当然の行為」です。

子犬は「いけないこと」とは知りませんから、叱っても理解できず人に対して嫌な感情を持つだけ、または叱っているつもりが遊んでもらっていると思うだけになります。

その仔に合う「これはやめてね」の伝え方を探していってあげましょう。

その仔の個性や、どんな気持ちで行動するのか、見極めていくのが難しいところでもあり、犬育ての醍醐味でもありますね。

  • 人を噛まずにおもちゃを噛んでいるときは「Good」
  • 飛びつかずに座れたら「Good」
  • 吠えずにいるときを「Good」

というように褒めて「良いこと」を教えてあげましょう。

わが家では甘噛みや飛びつきをやめてもらえるように、こんな方法で根気よくパピーに伝えました。

全ての仔に合うわけではありませんが、参考になれば幸いです。

甘噛み→甘噛みは叱っていいの?いけないの?

飛びつき→子犬の飛びつきをやめさせるのは無視が一番効果があった

おやつが無くてもしつけはできる

毎日たくさん褒められて、人に笑顔を向けられて、撫でてもらっている犬は「褒められることの喜び」を理解します。

そうなると犬は「Good」で嬉しそうに尻尾を振ってくれますし、おやつを与えなくても人の望む行動を理解してくれるようになります。

日本盲導犬協会では、パピーも訓練犬も、しつけや訓練におやつを使わない方針です。

協会によっては一粒フードをご褒美に使うところもありますし、おやつを使ってしつけることがいけない訳ではありません。

おやつを上手に使って、犬の喜求性を高めてあげるのは合理的ですね。

しかし、犬はおやつを使わなくてもしつけることができるのです。

犬ってすごいですね!

まとめのようなもの

子犬は人と暮らすうえでの良いこと悪いことを理解していません。

叱る前に叱らなくてすむ環境を整えましょう。

犬は人と言葉での会話ができないので、犬に理解しやすい方法を考える必要はありますが、「叱る」という方法を使わずに人と一緒に暮らしていくためのマナーを教えることができます。

Goodをたくさん使い、良いことを教えてあげましょう。

しつけはうまくいかないことや、時間がかかることもあります。

子犬が毎日を楽しくご機嫌に、ストレス無く暮らしていると自然に「いいこ」になっていきます。

愛情たっぷりで接してあげましょうね。

(写真は、ウェルシー、ツムギ、シオンです)

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Comment

  1. サナ父ちゃん より:

    家に来たばかりのワンコ達にどう接するのか…最初のところの対応がとても大事だと思います。

    まずは今、いる場所が安心出来る場所である事を理解してもらい、不安を取り除いてあげる事が先決かと。
    そうすると、いきなりしかるようなしつけだと、結果は…

    そんな気がしてしまいます。

    ワンコ達は賢いです。
    自分達がどう振る舞えば人に良くしてもらえるのか、本当に、まさに命懸けで人を良~く観察しています。
    そして、考えて行動しますよね~♪
    でもそれも、早くに人間とワンコ達との間で信頼関係が出来上がってからこそだと思います。

    人間の責任、重大ですね♪

    • gd.vol より:

      サナ父ちゃんさん
      子犬には
      みんなで一緒に居れば安心して暮らしていけるんだな~。
      って思ってほしいです。
      心が安定して、伸び伸び暮らしていれば、どんどん人の意図を自ら理解していきますよね。
      本当に犬は賢く、そして人に寄り添ってくれる、素晴らしいパートナーですね。

      まず、人の方から犬に信頼してもらえるように、環境や接し方を考えていかなくてはですね。
      ほんと、人の責任は重大ですね。

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