盲導犬は健気で立派だよね、でも寿命は短いんでしょ?世間一般の盲導犬のイメージ

公開日: : 盲導犬ボランティア

先日、特に盲導犬に反対でもなく、積極的に賛成というわけでもない、盲導犬に対してはフラットな立場の女性とお話しする機会がありました。

盲導犬について詳しくない人の、世間一般のイメージかなと思ったので記事にします。

盲導犬の訓練

世間一般の盲導犬のイメージ

ウェルシーと散歩していたある日、1歳くらいの子どもとお母さんに会いました。

親子がウェルシーと触れ合ってくださり

優しいわんちゃんですね、盲導犬みたい♪

と言ったので、私は

そう見えるのなら!

と思って

この仔は盲導犬の繁殖犬です。

この仔自身が訓練をして盲導犬になることはありませんが、生まれてきた子犬が「盲導犬候補犬」として育てられるんですよ。

と言いました。

盲導犬の繁殖犬!

初めて見た!

と言いましたが、パピーウォーカーについてはメディアで取り上げられることも多いため、ご存じでした。

散歩中の犬

子連れママさんとのお話の中で

これが世間一般の盲導犬のイメージなのかな?

と感じたことを2つ記事にします。

盲導犬は健気で立派

  • 盲導犬って、ユーザーさんのために自らを犠牲にして尽くして健気で立派ですよね。

なるほど、そう見えるかもしれませんね。

ユーザーさんに気を配り、歩く速度を合わせ、段差や曲がり角を止まって教え、障害物を上手に避けてスマートに歩いて行きます。

本当は、走りたいときもあるだろうし、立ち止まってにおいを嗅ぎたいこともあるだろうに、我慢していて偉いよね、健気だよね~。

と思うのでしょうね。

では、アジリティドッグはどうでしょう?

犬たちは競技に集中し、楽しそうにパフォーマンスをしていませんか?

あなたの愛犬もちょっとした「芸」をするとき、集中して楽しそうではありませんか?

同じように盲導犬も、ユーザーさんとの歩行に集中し

段差を見つけて止まる→褒められる→嬉しい→わ~い!もっとやる~。

障害物を避けたよ、すごいでしょう♪

尻尾フリフリ~♪

です。

登り段差を教える

個人的には競技に集中するアジリティドッグや「芸」を楽しむ愛犬と、犬の気持ち的には大きく変わらないように思います。

お仕事に集中するときはにおいを嗅いだり、走りたいとかは思わないんですよね、多分。

これは、訓練をほとんどしていないウェルシーも同じで、散歩はけっこう好き勝手に歩いていますが、例えば

ここからまっすぐに家に帰るよ。

と言うと、歩くことに集中して電柱に寄り道もせず、トコトコまっすぐに歩いていきます。

オンとオフができて、それは彼女にとって苦にはならず「性格だよね」としか言えません。

桜並木を散歩する犬

また、盲導犬が電車の中でユーザーさんの足元で寝てしまうのを見て

盲導犬は神経を使って疲れて可哀想。

と思うかもしれませんが、暇となればいつでもどこでも寝る(眠らなくてもまったりできる)というのも、盲導犬に向く資質の一つです。

盲導犬に向く資質は他にもありますが、訓練ではそれぞれの犬の資質をじっくり見極めて、自然体で盲導犬のお仕事ができる気質の犬に、盲導犬に必要なことを教えていきます。

盲導犬のお仕事が苦手だったりストレスを感じる犬には、無理に訓練を続けることは無く、他の補助犬、盲導犬のお仕事を紹介するPR犬、家庭のアイドルなどの道が用意されています。

アジリティが苦手(楽しくない)仔や、芸が好きではない仔に無理にやらせようと思わないのと同じです。

ハーネスを外した盲導犬は

あなた、本当に盲導犬?

と思うほど「ただの犬」に変貌します。

うちの犬の方がおりこうなんじゃね?(笑)

私はボランティアの経験の中で、オフタイムの盲導犬を見る機会もありましたが、一般の人はそういった機会がほとんどないので

盲導犬は常に自分を我慢してユーザーに尽くす犬。

と感じてしまうのでしょうね。

盲導犬の寿命は短い?

  • 盲導犬は神経を使うので寿命が短いそうですね?

そう思っている人は多いみたいですね。

私が知っている盲導犬で、引退(日本盲導犬協会では10歳)前に亡くなる仔もいましたが、15~17歳と、ラブラドールやゴールデンとしては長寿を全うした仔もいました。

それらをならしていくと、ラブラドールやゴールデンの平均寿命とされる12~13歳辺りに収斂し、家庭犬に比べて特に平均寿命が短いということは無いように感じます。

日本盲導犬協会では「健康管理をしっかるするので平均よりやや長い」としています。

まとめのようなもの

盲導犬に対してフラットで、特に反対でも積極的に賛成でもない人とお話しする機会がありました。

私の説明で、盲導犬は家庭犬と比較して、特に

  • 健気で立派な犬でもなく
  • 寿命が短いわけでもない。

ということが理解していただけたかどうか分かりませんが、できる限りの説明を試みました。

盲導犬でも家庭犬でも、個々の犬の幸せは一緒に暮らす人によって決まってくるところが大きいと思います。

生活の中で、どんな犬でも(人も)ストレスがゼロというわけにはいきませんが、ユーザーさんも家庭犬の飼い主さんも、わんこが少しでも幸せに暮らしていけるように心を尽くしていきましょうね。

もちろん私も!

(写真は1.3枚目ツムギ 2.4枚目ウェルシーです)

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Comment

  1. ケインママ より:

    補助犬でも家庭犬でも、その幸せは飼い主さんによるところが多いですよね。ワンコは一緒に暮らす人を選ぶことはできないですから‥
    私の知っている協会のボランティアさんたちは、ワンコの幸せを考えながら実践している人がほとんどだと思います。私もそんな人たちのように、犬と人との幸せな暮らしを目指していきたいです。

    • gd.vol より:

      ケインママさん
      そうですね。
      犬は飼い主を選べないですし、人の言葉も話せませんから、自分の気持ちを言葉で伝えることができませんね。
      犬の気持ちを推し量ったり、健康管理に気をつけていったり…。
      私も先輩ボランティアさんたちのように、犬と人の幸せな暮らしを目指していきたいです♪

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