【パピーウォーカー】入所近くになって新たな問題が出てしまった場合の対処法
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パピーウォーカーの気持ちとか
以前、パピーウォーカー初心者さんから入所が近くなってきたのに、新たな問題が出てしまって凹んでいます。
とメールをいただきました。
入所間近で新たな問題が出現
委託直後のパピーは可愛いですが、トイレも教えなければなりませんし、人にとっては困ったこともやらかしてくれて大変ですよね。
いわゆる「反抗期」も過ぎて、個体差はありつつも10か月を過ぎる頃になると落ち着きも出てきて、人とのコミュニケーションも上手に取れるようになります。
寂しさは募りつつも、いいこになったね、と嬉しい気持ちにもなります。
ああ、それなのに、ここへ来てまさかの問題出現です。
凹みますよね。
初心者パピーウォーカーさんのお悩みは次の2点です。
コールで排泄ができなくなった
今まで順調だった排泄が、コールをすると固まってしまいできなくなりました。
思い当たるところはあって、ママさんが用事で不在のときに他の家族にパピーの排泄を頼んだところ、時間通りに排泄をしないとずっとトイレサークルに入れて排泄を促したり、場所を変えても排泄の指示オンリーという日が何日かありました。
ご家族は責任感が強かったのですね。
パピーにとってはプレッシャーになり、排泄が楽しいものではなくなってしまったのでしょう。
訓練士さんに相談したところ、委託直後のようにワンツーベルトも無しにして、パピーが排泄をしたいときにトイレサークルに誘導するようにということでした。
そして、ママさんの指示のときはワンツーベルトでの排泄ができるようになりました。
しかし、排泄をさせてから散歩に行っても外でまた排泄をしてしまうので、再び訓練士さんに相談したら、訓練士さんは困った様子で
これはなかなか訓練でも直らないんですよ。
と言うので不安な気持ちになりました。
ということです。
ちょっと待った~!
訓練士さんも悪気はなく、つい言ってしまったのでしょうが
イエローカード!!
なんで初心者に、こんなネガティブなことを言うかなあ!!
私たちは1頭目のイズモが、ツーをさせて散歩に行っても必ず散歩の途中でまたしてしまう仔で、入所まで直りませんでした。
心配していましたが、イズモは訓練に入って直りました。
イズモでさえ直ったのですから、直る仔、いっぱいいるんじゃないんですか?
「排泄は楽しい」が大事
パピーウォーカーの排泄の目標は
- 「ワンツー」のコールでいつでもどこでもパピーが気持ちよく排泄ができる。
- コールの無いときに勝手に排泄をしない。
ですが、これを今から入所までの短い期間にクリアしようと思うと人もピリピリしてしまいますし、パピーも排泄に嫌なイメージがついてしまいます。
入所までの時間が少なくなった今、パピーウォーカーにできる最大のことは、パピーに
排泄をすると褒められて楽しい♪
と思ってもらうことですよね。
コールでうまく排泄ができたときはもちろん、勝手にしてしまったときも「ワンツーワンツー」と声をかけてあげて、コールでできたことにして褒めてあげましょう。
訓練士さん的にはNGかもしれませんが、パピーウォーカーとしては時間があまり無いので、排泄に対してネガティブになっているパピーの気持ちを上げてあげることと、パピーウォーカーも
あ~また失敗しちゃった↷
と凹むより「Good」とパピーを褒める自分の声を聞く方が前向きになれるというものです。
なるべくたくさん「Good」の言葉をパピーにかけてあげて、少しでもパピーが排泄を「楽しいこと」と感じてくれるように力を尽くし、その先は訓練士さんにお願いするのが良いと思います。
人に吠えることが増えてきた
もう一つのお悩みは、最近他人に吠えることが多くなってきたことで、これといった要因が見当たらず、これも訓練士さんに相談したところ、訓練士さんは困惑気味に
これは追々ですかねえ…。
と言いました。
訓練士さんが困惑するのを見てパピーが可哀想に思え泣けてきます。
ということでした。
吠えについては
犬好きの人が寄ってくる→触っていいですか?からの可愛がり→パピー喜ぶ→最後は吠える→みんなびっくり
というパターンだそうです。
いましたね、ウェルシーの兄弟にもこういう仔。
そしてウェルシーは
犬好きの人が寄ってくる→可愛がる→ウェルシー大喜び→飛びつく甘噛みカプカプ→人喜ぶ→ウェルシーさらに興奮!
でした。
これは無理!
訓練士さんに丸投げだ!
と思っていたのですが、ウェルシーが繁殖犬になって帰って来ちゃったので自分で対処する羽目になったんですよね。
吠えるか噛むかの違いで、要するに興奮なので訓練士さんが「追々ですかね」と言うように、ある程度心の成長を待つ必要がありますね。
今は、犬を興奮させそうな人をなるべく避けて「吠える」という好ましくない経験をなるべく積ませないのが良いと思います。
吠えてしまった場合は
- 人から離れてパピーを呼んで、来たところを褒めてあげる。
- 座らせると落ち着ける仔であれば「Sit」の指示で座らせて褒めてあげる。
というように「吠える」を「コマンドに従う」に置き換え、褒めてあげます。
(盲導犬訓練士、多和田悟氏いわく、吠える犬にはストーリーを変える)
入所までの時間が短い今は、吠えを直そうと頑張るより
- 犬を興奮させそうな人を避ける。
- 吠えてしまっても吠えることを叱らず、できることを褒めてあげる。
を心掛け、犬も人もポジティブな気持ちに持って行き、その先は訓練士さんにお願いしちゃいましょう。
まとめのようなもの
パピーウォーキングも終わりが見えてくる頃になって、新たな問題が出てくると悩みますし
こうなってしまったのは自分のせい?
この仔はベテランさんのお家だったら、もっとうまく育ててもらえたのかもしれない…。
などと、犬が可哀想に思えたり、自分を責めてしまう気持ちになったりしますよね。
でもね
悩んだり凹んだりする時間は勿体ないです。
残り時間が少なくなった今は、できないことを数えて凹むのではなく、できることを褒めて気持ちを上げていきましょうね。
しつけよりも何よりも、残りの時間を楽しく過ごし、パピーに楽しい思い出をたくさん持たせてあげてくださいね。
パピーウォーカーさんから
残りの時間をパピーが
あ~楽しかった!
と思ってサヨナラできるようにラブラブモードで過ごします♪
とのご返信をいただきました。
パピーはパピーウォーカーのことを生涯忘れないと言います。
応援しています。
(写真は記事とは関係なく、1枚目シオン、2枚目イズモ、3枚目ウェルシー、4枚目イズモです)
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Comment
私がケインをPWしていた頃、コールで排泄も怪しい感じのまま入所させてしまいましたが、、💦
約2ヶ月後繁殖犬になって戻ってきたら、めちゃお利口さんになっていたので、びっくり!(笑)やっぱり訓練士さんの力と犬の心の成長時期のタイミングも関係もあるのでしょうね。
PW中は既本的な約束事項を守りながら一緒に楽しく暮らし、パピーが人を信頼できるような関係を結べればOKなんじゃないかなぁ♪(個人の感想です 笑)
ケインママさん
最近はパピーウォーカーに求められるレベルが高くなっていると感じます。
例えば私は、ワンツーベルトでの排泄を強いられたのはウェルシーだけ。
それまでは「できる範囲で」と言われたのをいいことにスルーしていました(笑)
ツムギなんてベルトの貸し出しも無かったし…。
子犬の成長はいつも右肩上がりというわけにはいかないのですが、入所が近付いて今まで出来たことができなく(やらなく)なると、パピーウォーカーとして焦ったり不安になる気持ちも分かりますね。
分かりますが、でも、無理せず一緒に楽しく暮らし、パピーが人を信頼できるような関係を結ぶことに力を注ぎ、技術的なところは入所後に訓練士さんにお任せでいいですよね(私も個人の感想です♪)
ケイン君、お利口さんになって帰ってきていいですね。
ウェルシーは全くそのまま帰ってきました。
まさか繁殖犬になるとは思っていなかったので、うまくいかなかったところは
訓練士さんに丸投げ~♪
と思っていましたが、繁殖スタッフさんも
ボランティアに丸投げでいっか~♪
と思ったのでしょうか…。