【パピーウォーカー】お別れは寂しくても犬は今を生きている

公開日: : パピーウォーカーの気持ちとか

シオンたちS‐14胎にはパピーウォーキングの期間を通して、サンディ家に「ポチたま」の密着取材が入っていました。

その「ポチたま」の5月9日(2017年)の放送分で、サンディの入所のシーンが放送されました。

それを観たわが家の2頭目パピーの現在のご家族、ツムギママさんからメールをいただきました。

「過去」は「今」に繋がっていく

ツムギと一緒に「ポチたま」を観ていたそうです。

サンディとご家族が神奈川訓練センターに着いて、玄関から建物に入るシーンがあります。

神奈川訓練センターを訪れたことのある方はご存知かと思いますが、入り口の自動扉が人を感知すると

「ピ~~ンポ~~ン」

と鳴るんですよね。

番組の放送中、ツムギは寝てしまったそうですが、この「ピ~~ンポ~~ン」の音に即反応。

「ピ」の音でパッと目覚めて耳をピンと立てたそうです(タレ耳なので立ちませんが耳は上がります)

ツムギママさんは「懐かしい」というより「パパとママとお別れしたときに聞いた音」と感じたそうですが、そんなことはないと(勝手に)思います。

お別れの日にだけ聞いた音ではありませんし「楽しい時間を過ごした場所」の方がツムギの記憶に残っていると思います。

訓練センターは、ほとんどの協会っ子にとって「楽しい場所」とインプットされています。

パピーにとっては、久しぶりに兄弟姉妹に会えたり、大好きな訓練士さんに会えたり、レクチャーとかいう楽しい遊びをする場所。

ツムギだって訓練センターに着いて車を降りると、早く中に入りたくて引っ張って行きましたからね!

入り口に立つ子犬

真相はツムギに聞いてみなければわかりませんけどね。

大切なのは「今」

犬は人のように過去を振り返って懐かしがったりはしませんし、過去と現在を比べたり、未来を想って悩んだりもしないといいます。

大切なのは「今」

今、遊びたい

今、散歩に行きたい

今、楽しい

今、不安

今、撫でてもらって気持ちいい

とにかく「今」が大切ですよね。

よく言われるように

「犬は今を生きる」

これは本当だと思います。

でも覚えているんだよ

犬は自ら過去を思い出したりはしませんが、何かのきっかけで思い出の引き出しが開くことがあるのでしょうね。

ツムギは「ピ~~ンポ~~ン」の音を聞いた瞬間、思い出の引き出しが開いたのでしょう。

その心に楽しかったレクチャーの情景が浮かんだかもしれません。

でも、頭が現実に戻れば引き出しはまた閉じてしまうのです。

「今を生きる」犬ですが、決して過去を忘れてしまう訳ではない…。

パピーウォーカーの私達が迎えた犬と生活を共にするのは、犬の一生の中でもほんの短い時間です。

それでも、ちゃんとその日々を記憶している。

その仔がふとした時に子犬の頃を思い出したときに「嫌なイメージ」だったら寂しいですよね。

思い出の引き出しはまた閉じてしまうとしても「楽しかったな」という気持ちであってほしいです。

赤い糸は繋がる

ツムギママさんは、サンディの入所のシーンで号泣。

パピーウォーカーさんがこんなに大切に育ててくれたおかげで、私達が今ツムギとこうして楽しい時間を過ごせているのだということを改めて感じました。

と結んでいました。

つむたん

素敵なおうちの仔になって良かったね。

子犬の寝顔

お別れの寂しさばかりがクローズアップされがちなパピーウォーカーですが、盲導犬になるならないにかかわらず、育てたパピーがまた誰かを幸せにしてくれる。

赤い糸が繋がっていく。

育てたパピーのご縁で親戚が増えていくような気持ちになります。

それも一つの幸せの形であり、パピーウォーカーの楽しみかな?

と私は思っています。

育てたパピーの

思い出の引き出しが開くことは滅多になくても

思い出の引き出しが、またすぐに閉じてしまうのだとしても

パピーたちに、楽しい思い出をたくさん持たせてあげたい。

犬たちは「今」を生きている。

でも

「過去」は思い出の引き出しの中にちゃんと存在しているはずだから。

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Comment

  1. すず より:

    本当にそうですね。
    今を生きている。けれども、過去を無くす訳ではないのですよね。

    思い出の引き出し。とても素敵な言葉ですね。

    ワンちゃん達は毎日「今」を過ごしながらも、「過去となっていく今」を、日々、思い出の引き出しに大切に収め続けているのでしょう。

    PWでない私は、一年というような区切りがない事もあり、だらけた毎日となってしまいがちですが、うちの子の思い出の引き出しが、楽しく安心した物で満たされるように。
    豪勢な事をしてあげられる訳ではありませんが、時々はスペシャルに楽しい思い出も詰めてあげられるように。
    何かの拍子に私がその引き出しを覗いた時に、「あぁ良かった」と思えるような物であるように。

    ママさん、ありがとうございます。改めて、ワンコとの毎日を考えさせて頂きました。

    眠そうなツムギちゃん、可愛いですね。
    この腕はツムギちゃんママさんかな、それともママさんかな。
    ずっしりとお顔を乗せられると重くて痺れちゃったりするけれど、それがまた幸せなのですよね^^

    • gd.vol より:

      すずさん
      愛犬とは長いマラソンになりますね。
      歩いたり、立ち止まったり、走ったり、力を入れたり抜いたり・・・。
      パピーウォーカーとは違う楽しみ方がたくさんあると思います。
      どちらにも共通して言えるのは「犬との暮らしを楽しむこと」かな?
      毎日を楽しんで過ごしていかれますよう、お祈りしています。

      ツムギを抱っこしているのは私(パピママ)です。
      重いです(笑)

      生まれたおうちで人の温もりを知っているので、私達と家族になったときも「人は温かい」ということを知っていました。
      そして、子犬時代に「人と一緒に暮らすのは楽しい」ということを学んでいるので、お嫁に行った今もおうちの人と楽しく過ごして行かれているのだと思っています。

      犬はいちいち思い出して懐かしがったりはしませんが、記憶はちゃんと未来へ繋がっているんですよね。
      だったら引き出しを楽しい記憶でいっぱいにしてあげたいです。

  2. サナ父ちゃん より:

    ワンコは「今」に一生懸命だから、人は心を打たれるんでしょうね…

    だから、かわいい。かわいがる。

    ワンコは人が喜んでくれるから、嬉しくって更に一生懸命になるんでしょうね…

    だから、頑張る。
    もっといい仔になる…

    人はそれを見て、心が温かくなる。優しくなれる…

    ワンコ達と人って、深く繋がってるんですよね…
    改めて、読ませて頂いてそう思いました。

    • gd.vol より:

      サナ父ちゃんさん
      人間は頭が良すぎて、いろいろと思い悩み過ぎかもしれませんね。
      犬のように「今」を一生懸命生きることを見習ったら良いと思う時があります。

      わんこと人の心の在り方って、とても似ていますね。
      お互いの心が深く繋がって、温かく優しく暮らしていきたいです。

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