犬が吠えるのは迷惑?飼い主の考え方を変えれば犬も人も楽になる
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吠え
犬の祖先は狼と考えられています。
人が狼を家畜化(馴化)し、生まれてくる個体から人が好む性質を持つ個体を選択することを繰り返し、犬という動物が成立したと考えられているのだそうです。
犬は吠えるように作られた
人が好む性質の中には「吠える」も含まれていました。
犬は大昔から人と一緒に暮らしてきましたが「可愛がるために犬を飼う」のは比較的最近のことで、太古の時代は狩猟のお供だったり、危険な野生動物を追い払うなど、犬が吠えるのは人にとって都合が良かったのです。
近年まで、番犬として重要な役割を担っていました。
野生の狼は、天敵に自分の居場所を知らせてしまうことになるので、ほとんど吠えないのだそうです。
犬は人が吠える個体を選んで繁殖し、吠えるように改良してきたということなのですね。
何世代にも渡り、吠えることを重宝がられて生きてきた犬たちにとって、人社会の中での暮らし方が変わってきたからと言って
吠えるな!
と言われるのは迷惑な話かもしれませんね。
犬が吠えるのは、人間が改良した結果なのです。
なので、全ての吠えを「問題行動」と捉えず、対処が必要な吠えと愛犬の気持ちを受け入れてあげる吠えを分けて考えるといいですね。
遊びたくて吠える気持ちを受け入れる
先日、7か月齢のラブラドール君に会いました。
パピーらしい無邪気さで、ウェルシーに近づいていきなりお顔をクンクンしました。
ウェルシーはちょっと顔を背け
乱暴に来ないでね。
と、相手がグイグイ来るのを牽制しました。
パピー君は遊びたかったのでしょう。
前足を伸ばしてお尻を上げる「プレイバウ」の姿勢を取り、横っ飛びにぴょんこぴょんこしました。
しかし、ウェルシーは無視。
遊ばないよ!
です(笑)
パピー君は、ウェルシーに近づき
遊ぼうよ、わんわんわん!
と吠えました。
ウェルシーは体を横に向け、顔も背けてフリーズしました。
遊ばないからね!
です。
フリーズされて、パピー君も吠えるのをやめました。
パピー君の飼い主さんと一緒に
この仔たち、会話しているね。
と言いながら状況を見守っていました。
ウェルシーがフリーズを解くと、パピー君は
遊ぼう、遊ぼう!
と吠えます。
やがて、ウェルシーはしつこいと思ったのか
いい加減にしなさいよ!
遊ばないって言ってるでしょ!
わん!
と低い声で、一声吠えました。
するとパピー君はストンと興奮が落ちて、お互いに少し離れていましたが公園の芝生の上に伏せてのんびりくつろぎました。
(犬から目を離さず見守っていたので写真はありません)
飼主の考えが変わると犬も人も楽になる
パピー君が遊びたくて吠えてしまうのは、明るくて無邪気な性格のパピーだからです。
心の成長が伴えば、吠えたとしても一声二声程度、あまり吠えなくなっていくと思われます。
吠える愛犬にイライラするのは、飼い主さんにとってもストレスになりますね。
うちのこ、吠えちゃって困る~。
ではなく「会話」だと考えれば微笑ましい気持ちになります。
犬たちは自分たちで結論を出し、お互いに落ち着いて同じ時間を過ごすことができましたね。
また、ウェルシーが最後に吠えたのも
遊びたくないの!
と自分の気持ちを表現したに過ぎず、問題行動ではありません。
吠えさせたくない場面(近所迷惑など)の場合や、相手の犬が怖がったり攻撃的な様子を見せるなどの場合は
速やかに相手から離れる。
が正解です。
飼主さんの役割は、的確な状況判断ですね。
対処が必要な吠えとは?
愛犬が些細なこと(犬から見れば些細ではないのかもしれませんが)ですぐ吠えたり、吠え続けてしまうことはありますか?
些細なことで吠えてしまうのは、心の余裕が無かったり過敏になっているからで、犬はピリピリしますし、たくさん吠えるということは興奮するということです。
毎日毎日、ごはんや散歩の期待や要求でたくさん吠えて興奮したり、様々な刺激にたくさん吠えてネガティブな興奮にさらされるのは、犬にとってはストレスです。
人にとっても近所迷惑になったり
うるさ~い!
とイライラするので問題になりますね。
犬は悲鳴を上げているようなものなので、吠えずに済むように対処を考えてあげることが必要です。
関連記事→吠え方で分かる犬の気持ち|吠え癖をつけないためには?
まとめのようなもの
今は滅多に吠えないウェルシーも、小さい頃は何かと吠える傾向がありました。
現代では、特に都市部では吠える犬は歓迎されないので、私自身も「うるさい」「迷惑」など自分の都合で「吠え」にネガティブな気持ちを抱いていました。
犬は吠えることで自分の気持ちを表現しているので
犬が辛い、悲鳴の意味を持つ吠え。
自分の気持ちを伝える会話としての吠え。
と分けて考えると、自分の気持ちに余裕が生まれ、落ち着いて対処できるようになりました。
その仔にとって適切な対処をしてあげると、人間界で迷惑とされる「無駄吠え」と言われる吠えは減っていくので、吠えの全てをネガティブに捉えず
気持ちを伝えたいんだね。
と犬の話を聞いてあげる姿勢で接していこうと思っています。
犬だって気持ちを分かってもらえれば嬉しいのです。
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