盲導犬は信号が分からない!交差点を渡るのは大変なのです
公開日:
:
盲導犬ボランティア
ウェルシーは、交差点では自分の前を横方向に通過する車があると、交差点で自ら止まります。
右折や左折で曲がってくる車もよく見ています。
しかし、信号は理解していないので、目の前の信号が赤でも横方向の車の往来が無いと渡ろうとします。
ウェルシー、赤だから止まるよ。
Wait
と待たせて褒めて、信号が変わったら
OK Come
と言って、ついてきたところを褒めて歩き出すのは私たちの役割です。
盲導犬は信号が分からないの?
では、盲導犬はどうなのでしょう。
交差点では止まり、信号が変わるとユーザーさんの指示で歩きだしていますよね。
盲導犬って偉いね~。
盲導犬は訓練されているから、信号も分かるんだね。
と思ったあなた、大きな勘違いです。
盲導犬が止まるのは
そこに段差があるから!
で、信号の赤や青を判断しているわけではないのです。
盲導犬の主なお仕事は
- 障害物をよける。
- 段差を知らせる。
- 曲がり角を知らせる。
です。(細かいお仕事は他にもあります)
信号の判断はどうするの?
それは、ユーザーさんの役割になります。
信号が赤なのか、青なのか判断して盲導犬に指示を出さなければ、盲導犬は動いてくれないのです。
だって、目が見えないのにどうするの?
そうなんです。
だから大変なのです。
盲導犬は、歩道と車道の段差を見つけて止まります。
そして、ユーザーさんは耳を澄ませます。
車の音の方向が目の前を行き交う音だったら
信号は赤。
自分の進行方向だったら
信号は青。
です。
しかし、右折信号があったりすると
車の音が進行方向だから「青」
渡れる♪
と思っても、走ってくる車は右折してくる車なので、実際の信号は「赤」ということになります。
緊張しますね。
横断する人がいたら、その人について行けば大丈夫。
しかし
大急ぎで走って渡る人がいるから青だろうと思って渡り始めたら、その人は信号無視で、渡ろうとした自分は青信号で走ってきた車にクラクションを鳴らされた。
とか
近くで工事をしていると車の音が聞き取りにくい。
など、いろいろと苦労もあり、目の見えない、見えにくい人にとって「交差点を渡る」のは、私たちが想像する以上に大変なことなのです。
目の見えない、見えにくい人にとっては、盲導犬がいても、白杖の人でも
赤ですよ。
青になりましたよ。
などと声をかけてもらえると、とても助かるということです。
おまけ 盲導犬はサボる(笑)
以前、盲導犬ユーザーさんをヘルプしたことがあります。
一緒に歩いて
こっちです。
などと案内しましたが、のぼり段差があり、私はてっきり
盲導犬がいるのだから
段差だよ♪
と止まると思いました。
しかし、まさかの
止まらない~!!
盲導犬さん、スタスタっと上がりやがった(笑)
そして、ユーザーさんが躓きそうになるという、申し訳ないことをしてしまいました。
盲導犬も(その犬によるのかもしれませんが)他の人がユーザーさんを誘導すると
自分、普通に犬です♪
になるのには、驚きました。
でも考えてみたら、案内は1か所からの方がユーザーさんだって分かりやすいですよね。
盲導犬さんは、ユーザーさんが私の案内に従うのを見て、自分も同じようにしようと思ったのかもしれません。
船頭は二人は要らない。
ですよね。
しっかりしろ自分!
ですね(ユーザーさん、申し訳ありませんでした)。
まとめのようなもの
盲導犬は信号が分からない。
について、ご紹介しました。
盲導犬については、知っているようでも知らないことがたくさんありますね。
私も勉強中です。
たとえ盲導犬がいても、目の見えない、見えにくい人にとって交差点を渡るのは苦労が多いのですね。
右折のある信号機とか、時差式の信号機などは、さらにハードルが高いことでしょう。
盲導犬がいるから大丈夫だよね。
と思ってしまうと気付けないことですが、盲導犬は信号の色が分からないことを知っていれば
困っているようだったらお声がけしようかな?
と思えますね。
知識が無いとスルーしてしまうことも、知識があれば気に掛けることができるので、知識って大切だなと思います。
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