盲導犬などの補助犬を非難する前に考えたいこと

公開日: : 盲導犬ボランティア

11月30日に、ジョージ・H・W・ブッシュ元米大統領が、死去されたことはアメリカでは大きなニュースになってます。

そして、ミッション・コンプリート(任務完了)の言葉を添えられた、ブッシュ元大統領のサービスドッグ(補助犬)Sully(2歳)が、棺の前で横たわる写真がメディアでも取り上げられています。

Sullyはこの後、軍の病院でセラピードッグとして働くのだそうです。

こちら→故ブッシュ元大統領に寄り添った介助犬、最後の旅に同行へ

パピーレイザー(日本で言うところのパピーウォーカー)をしてきたナオミ・シェラーさんは、最近

サービスドッグは可哀想。

一生人のために使役されて、まるでロボットみたい。

と、非難の言葉を向けられたことがあったということでした。

詳しくは、ナオミ・シェラーさんのブログをご覧くださいね。

こちら→サービスドッグは、かわいそう でしょうか?

ナオミ・シェラーさんから

同じような経験があったら感想をお伺いしたい

ということで、メッセージをいただきました。

ナオミ・シェラーさんに、ブログでご紹介することをご了承いただいたので、今日は私の個人的な感想を記事にしました。

補助犬は可哀想なのでしょうか?

私はパピーウォーカーをやるまでは、盲導犬も、他の補助犬についても、それほど理解しているわけではありませんでした。

しかし、盲導犬などの補助犬にマイナスのイメージを持ったこともありませんでした。

パピーウォーカーを始めて間もなくの頃、地域の人に盲導犬の候補パピーを育てています。

と言うと

盲導犬は可哀想。

ストレスかかるんでしょ?

寿命も短いんでしょ?

などと言われることがあり、かなりショックでした。

そして

そんなことないよ~。

と説明を試みても、なかなか伝わりませんでした。

現代の日本の犬はみんな可哀想な犬?

補助犬を可哀想と言うのであれば、日本の犬はみんな(一般家庭犬も)可哀想ということになりませんか?

生存権を人間に握られていますものね。

そして、人の生活に合せて暮らすことが求められてしまいますものね。

下の動画はカンボジアで暮らす野良犬の日常です。

(12月13日追記 動画はyoutubeユーザーさんにより削除されたとのことでした。のんびり暮らす野良犬の様子が写されていました)

本来の犬の幸せな生活に近いのではないかと思います。

お互い平和的で、興奮して走り回る犬はいませんね。

ワンプロもしませんし、みんなのんびりしていますよね。

窮屈な服を着せられることも無ければ、しつけの名のもとに人間の流儀を押し付けられられることもありません。

お留守番をさせられることもありません。

現在の日本では、犬たちがこのように暮らすことはできません。

人と一緒に暮らしていくことしか生きる道は無いんですよね。

そうである以上、補助犬でも家庭犬でも、犬の幸せは周囲の人間、特に飼い主さん次第なのだと思います。

非難よりもできることを

盲導犬の候補犬は、生涯で何度かのお別れを経験しなくてはなりません。

協会では犬への負担が少ないように考えていますが、やはり環境の変化は犬にとって負担になることです。

一方で虐待されたり、飼育放棄されてしまう家庭犬だって、たくさんいるんです。

それぞれの立場の人がお互いを非難するのではなく

自分には何ができるんだろう?

と考え、小さなことでもできることを努力する方が建設的ですよね?

理解と思いやりを

そして、世の中には補助犬が必要な人がいること。

これが今のところの現実です。

その人たちは補助犬がいてくれなければ、どこにも出かけられませんし、日常生活が送れません。

安易に補助犬を「可哀想な犬」と言うのは、補助犬を必要としている人たちを責めることになりませんか?

補助犬を必要とする人が安全に歩けるように、温かく思いやりを持って見守り、必要なときにはお声掛けをすることが、現状では私たちのできることなのではないのでしょうか?

最後に

ナオミ・シェラーさんはこのようにおっしゃっていました。

どんな事柄にも賛否両論がありますね。

今回の故ブッシュ元大統領のサービスドッグの記事にも、中傷コメントは見かけました。

アメリカでは補助犬に対する理解は大きいので、セレブがそれを非難することはまず無いのですが、日本のタレントが、盲導犬は可哀想とか早死にするなどと、聞きかじりでコメントしていることもありましたね。

誤解の輪を広げないのは、私たちのように何の利害関係も無く、普通にボランティアをしている人の声も大切かと思います。

人それぞれいろいろな考え方があります。

しかし、非難からは何も生まれませんよね?

どうすることがより良いことなのか、多くの人に考えていただけたらいいなと思いました。

ナオミ・シェラーさんについての過去記事は

こちら→シアトル発わんこのお話 アメリカの盲導犬育成システムにも言及

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Comment

  1. サナ父ちゃん より:

    仰るとおり、まだまだ介助犬、そして取り巻く環境、状況全般に関する理解が十分しゃないのでこのような意見が出ちゃうんでしょうね…

    そういう事に関心ないからこそ、「ワンコ可哀想…」
    とか言われちゃうんでしょうね…

    スマホ見ながらワンコとお散歩、とかアイコンタクトしてる自分のワンコ、ガン無視して面倒くさそう散歩してる方がよっぽどっか虐待だわ!とか、思ってしまいます。

    もっともっと、理解が深まるよう、頑張ろうと思いました♪

    • gd.vol より:

      サナ父ちゃんさん
      私もボランティアの立場で、どんなことができるのか考えていきますね。

      家庭犬でも補助犬でも、犬と暮らすことを選ぶのは「人」の方です。
      そして、私たちの周りには犬が苦手な人もいます。
      社会の中で、犬も人も幸せに暮らしていけるといいなと思いながらブログを書いています。

  2. Eva より:

    こんにちは。去年までカナダにいた者です。帰国して何度か盲導犬をみましたが、私は今の日本の盲導犬は反対されても仕方がないと感じます。

    あなた方が言う”理解”は『こちらが正しいのだから、早くそれを理解しなさい』という意味ですね。
    しかし日本の盲導犬はまだ海外のまねすら不十分です。その段階で相手に折れてほしいというのは傲慢だと思います。

    迷惑する人が近くにいるのに必要のないところまで盲導犬を連れ込もうとするユーザーや、それを咎めない協会。
    犬がタブーな宗教施設にまで押しかけたのには呆れました。

    定期検診の義務がなく、1年に数回しか病院に連れて行かなくても、暑さに弱い黒ラブを炎天下に歩かせてもok。
    私にとっては、こんな状況の犬を可哀想じゃないと言い張るあなた方の方が奇妙です。

    社会の理解ではなく、日本の盲導犬協会が遅れているんです。海外の盲導犬の都合の良い所だけ切り取ってさあこれを受け入れろ、ではいつか海外からも笑われる日が来ます。
    日本にあった盲導犬のあり方を作らないと、犬たちが辛いです。
    それでもあなたはずっと”理解”が無い社会が悪いのだと言い続けますか?

    • gd.vol より:

      Evaさん
      こんにちは。
      コメントありがとうございます。

      私は一般のボランティアの一人にすぎません。
      一般人なので、誰が正しいとか、誰が悪いとか、言うつもりはないんです。
      うまく伝わらなかったのであれば、申し訳ありませんでした。

      しかし、アメリカの様子やカナダの様子などは、なかなか知る機会がありません。
      カナダから見ると、日本の盲導犬協会は遅れているということなのですね。
      日本の社会にあった盲導犬のあり方
      盲導犬協会が考えていく部分もあるでしょうし、私たちボランティアにできることもあるのでしょうね。
      自分たちの立場でどんなことができるのか、考えていこうと思います。

      ものごとは、いろいろな方向から見ていく必要があると思っています。
      多様なご意見をいただくことはありがたいことです。
      貴重なご意見をありがとうございました。

      • Eva より:

        ついきつい言い方になってしまい、申し訳ありませんでした。

        理解すれば可哀想でも迷惑でもない、というような意見が気になりコメントさせていただきました。
        今の日本の盲導犬は事実として可哀想だし迷惑です。社会が悪い、一部のユーザーが悪いではなく日本の盲導犬制度そのものが未完成なせいです。
        それはどの国も通った道ですが、可哀想じゃないと言ったあなた方の発言を盲導犬を非難する為に利用する人が出てくるかもしれません。「パピーウォーカーでさえ盲導犬が辛い思いをしているのを知らされていない」というように。
        あなた方ボランティアの言葉はそのような人たちにとって、とても便利な武器になることを知っていて下さい。

        昔カナダでも同じ様なことがあり、犬を手放した人がいたそうです。日本で同じことが繰り返されないことを願っています。

        • gd.vol より:

          Evaさん
          周りの理解が無いことや、一部の犬の扱いが不適切なユーザーが問題なのではなく、制度が未完成で、それは、カナダでも通ってきた道なのですね。

          今の日本の状況で、盲導犬(だけではありませんが)は可哀想じゃない!
          と強調することもまた、誤解を招くかもしれないことを心に留めて、自分にできることを考えていこうと思います。

          いろいろな意見が、国や団体を動かして、いろいろな立場の人が平和に共存して行ける社会になるといいですね。

          Evaさんが批判しているのではなく、今のままではいけない。
          良くなってほしいと願っていらっしゃることが伝わりました。

          貴重なご意見をありがとうございました。

  3. 犬好きおやじ より:

    私にはgd.volさんは盲導犬を肯定している人の意見を押し付けているとはとても思えません。
    盲導犬ユーザーさんも色々です。
    多くのユーザーさんは盲動犬はパートナーであり家族であると考えて盲導犬と接していると思います
    確かに虐待だと非難されても仕方ないことをしている人もいると思いますがそれは極一部です。
    盲動犬は自分の目と同じなのだから何処へでも一緒に行けるのが当然の権利だと考えているユーザーさんもいらっしゃるようです。
    一般的には正当な権利です。
    但し、世の中にはアレルギー等があり犬の苦手な方もおります。
    このような場合アレルギーのある方が一方的に我慢しなければいけないのでしょうか。
    この方にも自分の権利を主張する権利はあると思います。
    お互いに相手の立場に立って考えることが必要ではないでしょうか。
    私の見る限りでは盲導犬も一般の家庭犬も人間次第で幸せにも不幸にもなってしまうと思います。
    ごく一部のモラルの無い方の犬の扱いで非難や否定が生まれます。
    gd.volさんがおっしゃるように一人一人が何ができるか考えることが必要ですね。
    最後に私は盲導犬がいなくても安心して外出等できるような思いやりのある世の中になればと思っています。

    • gd.vol より:

      犬好きおやじさん
      世の中は急には変わりませんが、少しずつ変わっていきます。
      ほんの数十年前までこの国では、結婚したら女性は家庭に入るのが一般的でした。
      専門職でもない限り、子どもを持って働くことは「わがまま」とさえ言われたものです。
      子どもを連れて行かれるところも限られていて、行きたいところに出かけることも難しかったのです。
      今では子どもがいても利用できる施設や、授乳室のあるところも増えてきました。
      その一方で、子どもに目や気を配らない保護者の人がいると、嫌な思いをすることもありますよね。

      子どもなんか連れて来るな。
      子どもがいるんだから仕方ないでしょ。
      ではなく
      大変ですね、お手伝いしましょうか?
      子どもがご迷惑をかけませんでしたか?
      すみません。
      っていう感じの社会がいいなと思います。
      (子どもの部分はいろいろと置き換えて考えていただけると思います)
      子ども連れの方、高齢のや、補助犬が必要な方、健康な若い方、みんな社会の一員なのですから。

      自分にできることを考えていきますね。

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