子犬の社会化 里山体験 オオムラサキ放蝶会

公開日: : 第二話 ツムギ, 社会化

和紙の古里、小川町(埼玉県)の仙元山のカタクリとオオムラサキの林に行ってきました。

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ここでは毎年オオムラサキの放蝶会が行われ、例年300頭(蝶は1頭2頭と数えます)程度のオオムラサキを一斉に放蝶するというイベントが行われ、放蝶会も見て来ました。

普段はハイキングの人が訪れる静かな里山ですが、この日はイベントがあったため、多くの親子連れなどで賑わっていました。

ツムギに里山を体験させる予定でしたが、予定外に人の流れに沿って歩く体験にもなりました。

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この日、オオムラサキは250頭ほど用意されていましたが、参加者多数のため子供が優先ということで、子供たちに三角紙に1頭ずつ包まれたオオムラサキが手渡されました。

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今、まさに紙を開こうとした親子連れに声をかけ、写真を撮らせていただきました。

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うわっ!綺麗!!

女の子ですね。

オオムラサキは紫色のはねを持つのはオスだけでメスは茶色です。

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こちらはオスの蝶ですね。

三角紙を開くと蝶は自力で飛び立っていきますが、中には飛べない蝶もいます。

蝶自身は飛べる気になっていて羽ばたくのですが、地面に落ちてしまうのです。

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その理由は、本来次々と羽化する蝶をこの日のイベントに合わせて、温度を下げた冷蔵室で眠らせておくためです。

昆虫は気温が下がると活動できなくなりますから

さ・・・寒い!!

動けない!!

寒くて眠いわ。

となってしばらく眠らされているわけです。

寒いお部屋から出されて目覚めるのですが、中には寝起きの悪い奴がいて、目は覚めるけど身体が起きていない状況なんですね。

なので、自分では飛べる気でいるのですがはねに力が入らないらしく、思うように飛べず地面に落ちるというわけです。

しばらくすると、外気温で身体が温まり飛び立つので心配はないのですが、はしゃぎまわる子供たちに踏みつぶされないかと心配になりました。

私が蝶の写真を夢中になって撮っている間、落ち葉をパクリンチョしてしまうツムギはイベントの人の輪から離れたところでパパに抱っこされていました。

パパちゃんごめん。

重かったね。

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オオムラサキは日本の国蝶に選定されていて、以前は日本各地で普通に見られる蝶だったそうですが、現在では絶滅危惧種に指定されていて、各地で保護活動が行われているそうです。

ここ、カタクリとオオムラサキの里でも地元のボランティアの方々の手で、蝶を育て成虫を放蝶していますが、オオムラサキが生息できる環境を保護するために里山の手入れも行っているそうです。

そして、多くの人に活動を知ってもらったり蝶に触れてもらうために、このようなイベントも行っているそうです。

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蝶を育てて野山に放しても、蝶が生活できる環境が無ければ蝶は増えていくことは出来ません。

私達は盲導犬の育成に係わる一部分を、ボランティアとしてお手伝いさせていただいていますが、盲導犬を育てても盲導犬が社会に受け入れる環境が整わなければ、ユーザーさんが盲導犬を使って自由にどこにでも行くということは難しいものになるでしょう。

何事も社会全体に関心を持ってもらい、多くの人に協力してもらえるようにPRしていくことは大切だと思いました。

何も協力できないしな~という人でも、例えばゴミは持ち帰る、少しでも環境のことを考えた生活を送るなど、自然環境に心を向けることは出来ますよね。

点字ブロックの上に自転車や物を置かないようにするとか、障がい者用の駐車スペースには車を停めないとか、日常の暮らしの中で配慮することも出来ますよね。

豊かな自然がある環境は、人にとっても暮らしやすい環境であると思いますし、ハンデのある方や子供や高齢者に優しい社会環境は、どんな人にとっても暮らしやすい社会なのではないかなと感じました。

ツムギは当然のことながら、蝶などに興味があるはずもなく、ちょっと構ってくれる人に尻尾をフリフリしていましたが、人が多い中でも穏やかにしていられることが出来て、お姉ちゃんになってきたなと思いました。

里山体験なのか、人山体験なのかわからない日になってしまいましたが、これはこれでツムギにもいい経験になったかな?

落ち葉は食べないでね。

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Comment

  1. グラン♪のPWです より:

    つむたん♪ 今回もまた 沢山お勉強してきましたね~☆

    お山の空気と落ち葉は 美味しかったかしら~(*^.^*)

    オオムラサキを こうして大切に守っている事*私も埼玉県民なのに 知りませんでした★

    つむたん♪ブログのおかげで 私も勉強させて貰いました( 〃▽〃)

    ママさんのお考えに とても共感出来るものがあります…

    いつも ぼんやりと過ごしている私も*自分に出来る事から… 気負わずに 自然と手を差しのべてゆけるような 人になりたいなぁ~と 想いました( ☆∀☆)

    • gd.vol より:

      グラン♪のPWさん
      日頃は身近な自然についてあまり考えていませんでした。
      漠然と豊かな自然があった方がいいよね?
      とか
      ハンデのある人や子供やお年寄りが暮らしやすい方がいいよね?
      とは思っているのですが、思っていてもどこか他人事でした。

      盲導犬の育成に微力ながら係わり
      自然保護も、社会福祉も共通するところがあるし
      何もできないと思っていても
      心を向けることはできるのかなと思い、勉強になりました。

      ツムギも人が多い中でも上手に歩いてくれて
      この仔なりに学習しているんだな~と思いました♪

  2. ケインママ より:

    オオムラサキの里に行かれたのですね〜
    つむたん、またまたいいお勉強になりましたね。
    パパさんもつむたんの抱っこお疲れさまでした。
    こういう時のパパさん、ニコニコしながら抱っこしてるのかしら?

    記事を読んで、本当にすべてはつながっているのだな〜と感じました。
    蝶も大自然や生態系があってこそ、生存できているのだし、盲導犬も、盲導犬協会やユーザーさん、ボランティア、そして受け入れてくださる一般の皆さんの支えがあってこそですよね。
    自分もよいと思うことには、ほんの少し勇気をもって、行動できる人になりたいです。

    • gd.vol より:

      ケインママさん
      オオムラサキの里に行ってきました。
      木漏れ日と落ち葉のサクサク感が心地よかったです。

      自然保護も社会福祉も、共通するものがあるのかなあと感じ
      何も出来ないと思っていても、出来ることはあるということも
      感じて勉強になりました。

      こういう時のパパさんは、ほっぺが緩んでいますが
      さすがに男性でも抱っこはきつい17kg超えになったので
      辛そうでした。
      ツムギ~!落ち葉食べるな~!!

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