視覚障害について知らな過ぎ!視覚障害者支援ボランティア講座を受講しました

公開日: : 盲導犬ボランティア

このブログに何度か登場している、盲導犬ユーザーの井出さんとロンド号が、埼玉県坂戸市の社会福祉協議会主催による「視覚障害者ボランティア講座」の講師を務めたので、私たちもウェルシーを連れて受講させていただきました。

視覚障害者支援ボランティア講座パンフレット

会場では、携帯電話をオフにするように案内があったため写真がありませんが、できるだけ文章で講演の内容をお伝えしたいと思います。

講座の内容

講座は「視覚障害」について理解を深めてもらうこと、視覚障害者への接し方、そして盲導犬についての理解を深めてもらうことがテーマでした。

1.視覚障害について

視覚障害者って、目が見えない人や見えにくい人のことですよね。

でも、実際どんな感じなのか分かりますか?

私はパピーウォーカーをやろうと思ったときに、現在ボランティアをしている日本盲導犬協会のほかに、もう1か所の盲導犬育成団体を見学しました。

そこでは、アイマスクを付けて、スタッフさんの手引きで説明会場に案内されましたが、建物の中に曲がり角や階段もあり、実際には大した距離ではなかったのにもかかわらず

どこまで歩くのだろう?

ここから昇り階段か…まだ?まだ昇るの?一体何段あるんだ?

と思ったり、室内の椅子に案内されて

ここに座ってお待ちください。

と言われて、スタッフさんが離れてしまうと、知らない場所に独りぼっちになったような気がして「不安」を感じました。

アイマスクを外してください。

とスタッフさんに言われ、アイマスクを外すと隣の椅子に夫がいて(案内は一人ずつでした)私たちのほかにもう一組のご夫婦がいて、少し離れた場所に盲導犬ユーザーさんと盲導犬がいました。

犬の気配は全く感じませんでした。

ああ!

見えるって素晴らしい!

短時間だったにもかかわらず、見えないってこんなに不安なことなんだ。

というのが率直な感想でした。

その日は、PR犬を使ってアイマスクをしての歩行体験もありましたが、盲導犬(実際はPR犬)と歩くと安心感があり、また他人に付き添われて歩くより気兼ねが無く、落ち着いた気持ちで歩けました。

もちろん、スタッフさんが誘導してくれているから歩けるのであって、何の知識も無い人がいきなり盲導犬(PR犬)と一緒に歩けるわけではないのですが

うわあ!

盲導犬ってすごい!

普通に歩けるじゃん!

と思いました。

長くなりましたが、「目が見えないってどういうこと?」というのは、健常者にはなかなか想像がつかないものだということです。

また、井出さんの場合は「目が見えにくい人」で、視界はこんな感じだそうです。

やってみてくださいね。

片目を片手で塞いで、もう片方の手をグーにして曲げた人差し指にできるだけ小さい穴を作り、もう片方の目に当てその隙間から時計を探し、時間を確認してください。

いかがでしたか?

井出さんは、その狭い視界がさらにぼんやり白く霞むそうです。

一口に視覚障害と言っても人によっていろいろで、その人に合ったサポートが必要です。

2.視覚障害者の手引きについて

白杖を使っている人や、盲導犬を連れている人が困っていそうだったら助けてあげたいと思いますよね。

でも、私を含めてどうしたらいいのか分からない人、多いですよね?

まずは

お困りですか?

お手伝いしましょうか?

と、後ろから声をかけても気付きにくいので、白杖や盲導犬のハーネスを持っていない方の前面から声をかけます。

また

大丈夫ですか?

と言ってしまうと人は反射的に

大丈夫です。

と言ってしまいがちなので

大丈夫ですか?

はNGです。

ガイドヘルプワンポイント

視覚障害者を案内する際には、自分の身長に応じて肩や腕(肘の少し上)に手を置いてもらいます。

小柄な私の場合は、肩に手を置いていただいています。

自分が一歩前を歩く形になりますね。

盲導犬の場合も、ハーネスを持つと犬が少し前を歩く形になります。

今回写真が撮れていないので、わが家の2頭目パピーのツムギの写真で申し訳ないのですが、上り階段は前足を階段に乗せて止まり

ここから昇りだよ。

と教えます。

昇りはハーネスの角度が変わることで、ここから昇りだということが分かります。

登り段差を教える

下りの階段は段差の手前で止まります。

降り段差を教える

下りは階段の手前で止まることで、ユーザーさんは下り階段を足で確認して降りることができます。

もし犬が一段下に前足を置いて止まったら、ユーザーさんは転げ落ちてしまいますよね。

人が案内する場合も、手をつなぐなど横並びだと、昇り階段では視覚障害者は階段だと分からず躓いたり、下り階段では降りる心構えができず落ちたりします。

人同士なので

ここから昇り階段です。

など言葉もかけてあげれば、もっと安全に案内できますよね。

視覚障害者が白杖を頭より高くまっすぐに上げている場合は「SOS」のサインなので、ためらわずにお声がけしましょう。

白杖SOSシグナルマーク

3.盲導犬について

盲導犬の主なお仕事は

  • 障害物をよける。
  • 曲がり角を教える。
  • 段差を教える。

の3つです。

お仕事中の盲導犬にやってはいけないこととして

  • 声をかけない。
  • 触らない。
  • 食べ物を与えない。

などは多くの人に浸透してきているそうですが

  • 犬を見ない。

はまだ理解していない人が多く、犬を見詰める人は多いそうです。

盲導犬が誰かに見詰められていても、ユーザーさんは気付きにくいですよね。

盲導犬は基本的に人が好きなので、人と目が合うとお仕事に集中しにくくなり、ユーザーさんの危険につながってしまうこともあります。

また、ユーザーさんが道を聞いたときに、ユーザーさんではなく盲導犬の方に

あらあら、迷子になっちゃったの?

大変ねえ。

などと話しかけ、道の案内も

ここをまっすぐ行ってね、最初の交差点を左に曲がるのよ。

と犬に話しかけ、ユーザーさんがお礼を言うと

お仕事偉いわねぇ。

頑張ってね。

と最後まで盲導犬に話をする人もいるそうです。

笑い話みたいですが、犬好きさんあるあるかもしれませんね。

お仕事中の盲導犬は、温かく無視してユーザーさんとお話ししましょうね。

社会福祉とは?

今回の公演は「社会福祉協議会」の主催でしたが「福祉」とはどんなものなのでしょうか?

分かっているようでも、なかなか言葉で説明できないと思いませんか?

つうに

らす

あわせ

と位置付けているそうです。

「補助犬法」がありますが、盲導犬もいろいろな場面で入場、入店、乗車を拒否されることが、まだまだあります。

私たちが普通に外出するように、視覚障害のある人も普通に外出できるといいですね。

まとめのようなもの

埼玉県坂戸市の社会福祉協議会主催の「視覚障害者支援ボランティア講座」を受講しました。

視覚障害のある人は、相手の表情やボディランゲージが分からないので、必ず言葉でコミュニケーションを取るようにします。

また、盲導犬がいてもユーザーさんが駅のホームから転落した事故も何年か前にありました。

そして盲導犬は信号が分かりません。

こちら→盲導犬は信号が分からない!交差点を渡るのは大変なんです

危なそうだと思われる場面や、横断歩道などではためらわずに声をかけていこうと思いました。

今回の公演には、ロンド号のパピーウォーカーさんも応援に来ていました。

ウェルシーの母犬のココアちゃんとボランティアさんも来ていて、ウェルシーと私たちにとってはサプライズな嬉しさでした。

ウェルシー、ママに甘える

ハーネスを外した盲導犬はただの犬(笑)

盲導犬もくつろぐ

ロンド君、ゴロゴロして可愛かったです。

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