盲導犬になれなかった犬はどうなるの?
日本盲導犬協会では、育てたパピーがキャリアチェンジになった場合、原則としてパピーウォーカーが引き取ることはできない決まりになっています。
盲導犬にならなかった犬のその後は?
え~!
そんなの寂し過ぎる~!!
よくパピーウォーカーなんてやっていられるわね。
と友人に言われるのですが、その話は別の機会に触れるということにして、これらのリアクションののちに必ず聞かれる
じゃあ、盲導犬になれなかった仔はどうなるの?
についてお話します。
まさか、殺処分??
こんな怖いことを言う人もいます。
そんなはず、あるわけないでしょ!
細かいことですが重要なので、ちょっと触れておきます。
盲導犬になれない仔ではなく、盲導犬にならない仔です。
日本盲導犬協会では、そう表現しています。
人のサイドから見ると、その仔の持っている資質が盲導犬に向かないということ(身体的理由の場合もあります)
犬のサイドから見ると、盲導犬のお仕事にストレスを感じる仔は別の道を選んでいく。
ということです。
盲導犬にならなかった犬の進路
キャリアチェンジになった仔の中には、PR犬になる仔、聴導犬や介助犬など他の補助犬への道を進む仔もいます。
そして多くのキャリアチェンジ犬は、キャリアチェンジ犬飼育ボランティアとして登録しているご家庭に、家庭犬として譲渡されます。
人間だったら
この仕事、自分にはちょっと向かないかなと思うけれど、生活のために頑張らなくちゃ。
ということにもなるのですが、彼らは犬なので頑張らなくていいというわけです。
盲導犬のお仕事を楽しめる犬だけが盲導犬になればよくて、盲導犬のお仕事をストレスに感じる犬は別の道を選んで幸せな一生を送る。
それが権利としてあるわけです。
生活のために嫌々働く人間より幸せかも~!!
家庭犬としての幸せをつかむ
わが家の2頭目パピーのツムギですが、これがまた新しいおうちでめっちゃ可愛がられて、アイドル生活を満喫しているみたいなんですよね。
CCボランティアさんが可愛いツムギの写真を送ってくださいました。
おとうさんと遊ぶツムギ
おもちゃ、どっち?
こっち
正解~♪
じゃあ今度は?
こっち
おとうさん、片手しか握っていないから簡単よ。
このおもちゃは、わが家にいた頃のツムギのお気に入りのおもちゃで、私達からツムギの新しいご家族にプレゼントしたものです。
下の2枚の写真は、わが家で遊んでいた頃のまだ幼いツムギです。
おもちゃはどっち?
という遊び方をご紹介させていただいたら、早速私達が差し上げたおもちゃで遊んでいる写真を送ってくださいました。
成犬を家族の一員として迎えるということも、子犬を育てるのとは違う難しさがあるのではないかと思います。
ツムギがどんな仔だったのか?
どんな遊びが好きだったのか?
子犬の頃を知り、ツムギと一緒に楽しい時間を持ち、一日も早くツムギと家族になろうとツムギを気遣ってくださるCCボランティアさんのお心遣いがとっても嬉しいです。
おとうさんに甘え、遊び疲れたのかお父さんの横ですやすや。
幸せだね、ツムギ。
く~ちゃんというお友達もできたそうです。
く~ちゃんもキャリアチェンジ犬で、今のご家族のおうち(ツムギとは別のご家庭です)で幸せに暮らしているそうです。
キャリアチェンジ犬は残念な犬?
私の友人の中には
ツムギはキャリアチェンジになった。
と言うと
残念だったね。
と言う人もいますが、私の心は複雑です。
だって、ツムギは残念な犬じゃないしぃ~。
盲導犬を育てるためのボランティアしているのに、一生懸命育てた犬が家庭犬になって残念だったね。
と気遣って言ってくださる言葉だということはわかります。
でも、盲導犬のお仕事がストレスになるというパピーには、別の道で幸せになってもらわなくちゃね。
関連記事→育てたパピーがキャリアチェンジになったときのパピーウォーカーの気持ちとか
ど~よ!
この甘えっぷり(笑)
ツムギの新しいご家族からは、今までにツムギを可愛がってくださった方たちに
ツムギが元気にしていること。
ツムギのお蔭で自分たちが楽しく過ごしていることへの感謝の気持ち。
をお伝えできたら嬉しいということでした。
盲導犬育成には大切なボランティア
キャリアチェンジ犬飼育ボランティアは、盲導犬になれない残念な犬を引き取るボランティアではなく、盲導犬の育成には欠かせない大切なボランティアだということを、多くの方に理解していただけると私たちも嬉しく思います。
キャリアチェンジ犬に興味のある方は
こちら→盲導犬キャリアチェンジ犬を迎えるには?条件と申請から譲渡まで
CCボランティアさん
ツムギが楽しく生活していることを知らせてくださりありがとうございます。
ツムギのこと、ずっとずっとよろしくお願いいたします。
まとめのようなもの
盲導犬の候補犬として生まれてきても、盲導犬になるのは全体の3~4割と言われます。
我慢強く優秀で、厳しい訓練に耐えた犬が盲導犬になるのではなく、自然体で盲導犬に向く性格(気質)の犬が盲導犬になります。
盲導犬になるならないは、犬の優劣ではなく向き不向きです。
盲導犬にならない犬には、盲導犬とはまた別の幸せな暮らしが待っています。
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Comment
つむたん、新しいご家族にとっても可愛がってもらってるんですね〜、よかったわ〜
こうやってお写真まで送ってくださって、PWとしては本当にうれしいことですよね。
どの道に進んでも、どの仔もオンリーワンの存在です。
ワンコの幸せは一緒に暮らす人間にかかっていますから、みんな素晴らしいご縁で結ばれてほしいですね。
CCになったケイン仔もたくさんいますが、迎えられた先で幸せに暮らしてるって聞くのが一番うれしいです。
大切にしてくださるCCボラさんに、ありがとうって伝えたいです。
つむたん、あちらで新しいお友達もできて、よかったね〜♪
これからもずっと楽しい毎日を送ってね(^^)
ケインママさん
キャリアチェンジ犬、たくさんいますよね~。
どんなに盲導犬に向くとされる父犬母犬から生まれても、実際に盲導犬になるのは3~4割といいますものね。
候補パピーたちは、盲導犬になってもならなくても、それぞれに幸せに暮らしていけることを、いろんな人に知っていただけたらいいなと思います。
ツムギのことは何一つ心配ありません。
本当に多くの人に支えられて幸せになって良かったです★
ツムギちゃん幸せそうな写真たくさんですね〜^^
私はまだ1頭目の子が訓練中なので気持ちは保留中です。
盲導犬になれなかったじゃなくてならなかった。
ここ声を大にして言いたいですね。
私もPWなんですって話になると盲導犬って辛い訓練受けて
厳しいんでしょう〜とか結構誤解されてること言われるんですよね。
家庭犬が1番幸せよ〜っとも言われますが、
盲導犬だって幸せだよ!って思うんです。
でも知られてないことも多いからイメージ先行で否定的なことも言われること多いですね。
微力ながら啓蒙していけたらって思いますね。
mikoさん
パピー達はそれぞれ自分の道を選んでいくので、どんな道を選んでも「おめでとう」と祝ってあげられるように、パピーと過ごすわずかな時間を充実させたいと思っています。
私は自分が盲導犬に対してネガティブなイメージを持っていなかったので、パピーウォーカーをやってみて初めて、世間では盲導犬に好意的な人ばかりじゃないんだなあ、ということを知りました。
盲導犬だって家庭犬だって、わんこの幸せは家族である飼い主次第なので、一概に家庭犬が幸せとは限らないと、私も思います。
つむたん、幸せで良かったです。
迎え入れてくださったご家族のみなさまも、幸せになられて本当に良かったです。
サナ父ちゃんさん
犬も人もHappyじゃないとね♪
担当訓練士さんに
ツムギにとって一番いいおうちを選んでくださいね。
とお願いしたのですが、これ以上はないだろうと思えるくらいのご家庭に嫁ぎました。
それもツムギを可愛がってくださったみなさんのお蔭です。
感謝です★
つむたん♪幸せに暮らしているご様子が伝わってくる良いお写真ですね〜(*˘︶˘人)
つむたんのご家族の皆さまの温かいお気持ちがとても嬉しくて…私も大好きなつむたんを想い*優しい涙がこぼれてきました。
どこかでばったり逢うことはないのでしょうけれど いつでも心に想いうかべることが出来る幸せもとても素敵ですよね♡
そして*そして… 盲導犬の道を選ばなかった犬も つむたん♪のように幸せに暮らしている事を 今日のママさんの記事から知って下さると私も嬉しく思います。
オプト♪のPWさん
盲導犬になった犬も、違う道を選んだ犬もみんなそれぞれ幸せに生活しているということを、多くの人に知って欲しいです。
ツムギはわが家からは遠い場所へ嫁いだので、どこかでばったりは無いと思いますが、私達もいつもツムギの優しい思い出に包まれています。
初めまして。
パピーウォーカーをしております。
実は、医師の診断の結果、パピーに先天的な疾患があることが分かり、4ヶ月でセンターに戻すことになりました。
私達家族は、この子の将来についてとても心配しています。
今後も継続して治療を受けさせてもらえるのか、殺処分になってしまわないか。
あどけないこの顔を見ていると涙がとまりません。
さとさん
はじめまして。
大変心配ですね。
パピーウォーカーはボランティアですし、協会の方針に賛同できないと続けていくことは難しいと思います。
パピーの今後については、ぜひスタッフの方に納得のいく説明をしていただけるようにお願いしてみてくださいね。
ケースは違いますが、こちらの協会では、生まれてから病気が見つかりパピーウォーキングに出せなかった仔がいます。
3か月齢で亡くなりましたが、生まれてから亡くなるまで協会の方で、大切に面倒を見て、精一杯の治療もしていました。
名前もつけてくれて、慰霊祭にも写真を飾ってくれました。
短い命でしたが、みんなに愛され精一杯輝きました。
その様子が、その仔の父犬の繁殖犬ボランティアさんのブログにかいてあります。
こちら
お預かりのパピーにとって最良の方法を取っていただけるよう、心よりお祈りしています。
返信頂き、感謝申し上げます!
同じ協会ですね。
心から安心いたしました。
この仔を手放した後に、この子はどうなってしまうのか、不安と罪悪感で押しつぶされそうでした。
送り出す日まで愛情をたくさん注ぎます。
このブログに出会えたことに本当に感謝です。
さとさん
同じ協会でしたか。
可愛いパピーが病気であること。
パピーウォーキング半ばで送り出さなければならないこと。
不安や辛いお気持ちでいっぱいだと思います。
どうかパピーにたくさんの愛情を注いでさしあげてくださいね。
お預かりのパピーちゃんが、幸せな時間を過ごせますようにお祈りしています。