母犬の子育ては合理的!お乳を立ち飲みさせる母犬
公開日:
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D‐18胎ワトソン*ウェルシー仔
私たちは犬を飼育する経験すらパピーウォーカーが初めての経験でした。
なので、母犬の子育てなど見たこともなく、わが家のお預かり犬ウェルシーの子育てを興味深く感じています。
立ったままお乳を与えるのは愛のむち?
子犬たちが小さかった頃、ウェルシーは横たわってお乳を与えていました。
富士ハーネスでの里帰り出産育児なので、面会の時間の中でという注意書きがつきますが、横になって授乳することがスタンダードだったのだろうと思います。
生後30日目の面会のときは、お乳を立ち飲みさせる場面が何度もありました。
立ったままお乳を与えるんですね。
と言うと、スタッフさんが
こうすることで、頭のいい子に育つんですよ。
と言いました。
私も「母犬は子犬を教育する」という話の中で、子犬がちょっと努力を要するような場面を作ることで、子犬に困難を自分の力で克服することを学ばせる。
というようなことを聞いたことがあります。
昨年の夏頃はネットでこんな記事も見つけました。
こちら→母犬の「愛のむち」受けた犬、優れた盲導犬に育つ 米研究
なんでも
生後最初の5週間に母犬が子犬たちを甘やかせ過ぎず、自ら学べるように育てると、子犬は成長して他の犬より優れた盲導犬になるという。
母犬が子犬を溺愛すると、子犬は臆病に育って新たな状況を恐れがちになり、目の不自由な人々を支援するための厳しい訓練プログラム(原文訳のままです)についていけなくなる傾向がみられた。
のだそうで
成功のカギとなる尺度は、母犬が子犬に授乳させる際に立っているか横になっているかだった。
ということです。
詳しくは記事をご覧になってくださいね。
母性は素晴らしい
ネットやTVなどの話は、発信側の意図がありますから、鵜呑みにしてはいけないと私は思っています。
なので、この記事も
ほんとかいな?
と思いつつ読みました。
YouTubeなどで、授乳する母犬の動画を探すと、かなり立ち飲みさせている動画を見ることができます。
ってことは、多くの母犬は自然にやっていることなのではないか?
と感じます。
合理的なだけだと思う
生後3週間を過ぎてくると、子犬は歯が生えてきます。
私たちが面会に行ったのは生後30日目で、みんな可愛い乳歯が生えていました。
子犬の乳歯って小さいですが、尖っていて当たると痛いですよね。
母犬が立ち上がって授乳するのは、(他にもあるのかもしれませんが)主に、噛まれると痛いのですぐに離れられるように。
といった純粋な理由なのではないか?
と個人的には思います。
結果として
- 大きくなってきた子犬たちは、母犬が横になって飲ませるときのように、重なり合わずにお乳を飲めるので苦しくない。
- 必然的にお乳にありつくために努力をし、脳が発達する。
- 立つことで筋肉も発達する。
というような、子犬の成長に役立つことになるのだと思います。
ウェルシーが子犬を振り切って逃げる場面もあり、子犬たちは
ママ~!
待って~。
お乳を飲みたいよう~。
と追いかけていました。
兄弟姉妹と遊ぶことと同様に、ママを追いかけることで運動能力も発達していくのかもしれませんね。
また、母犬に「嫌」と言われることで、離乳も進み自立への道が拓いていくのかもしれません。
まとめのようなもの
ウェルシーは、別に子犬を「賢い子に育てよう」と思っているわけではないでしょうが、自然に子犬の心身の成長を促していることになっています。
母性は本能ですが、子犬を健全に育てることにおいて理に適っているのだなあと思いました。
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Comment
私もパピーの面会に行った折、母犬が立ち飲みさせている場面を何度か見たことあります。
母犬が近くに来るとパピーはすぐに寄ってくるので、大きくなると自然とそうなるのかなと思っていましたが、なるほど!そんな理由も考えられるのですね。
人の子も子犬も、甘やかしすぎずに、自分で努力する子に育てるのがポイントなのかもしれないですね。
ウェルシーちゃん仔も賢い子に育ちそう♪^^♪
ケインママさん
お乳の立ち飲みをしている子犬たち、とっても可愛いです。
多分、子犬たちが大きくなると母犬は自然にそうするのでしょうね。
愛情を注ぎ、甘やかしすぎず、自分で生きている力を身に着けるように育てる。
母犬の子育てを見習いたいものです・・・。