盲導犬とパピーウォーカー
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D‐18胎ワトソン*ウェルシー仔, 繁殖犬飼育ボランティアの気持ちとか
日本盲導犬協会のボランティアや賛助会員に向けて、年4回発行されている会報誌「盲導犬くらぶ」がわが家にも届きました。
ウェルシー仔盲導犬デビュー
2019年の12月にワトソン君とウェルシーの間に生まれた、D18胎のディアナちゃんが盲導犬デビューして、会報誌に掲載されました。
ディアナ、進路決定おめでとう♪
2歳前にデビューしちゃうなんて、君はせっかちだねぇ(笑)
ユーザーさんの生活の助けになって、ユーザーさんに可愛がられて楽しい生活を送れるよう祈っています。
盲導犬とパピーウォーカー
パピーウォーカーは、協会のマッチングでどの仔が来るのか分からないので、子犬を見て自分で選ぶことはできません。
お預かりしたパピーが盲導犬になるかならないかは、ほぼ持って生まれた気質によって決まります。
この「ほぼ」の意味をいつも考えているのですが、以下私の勝手な解釈です。
1.盲導犬にならなかった場合
お預かりしたパピーが盲導犬にならなかった場合、例えば虐待したり、極端に協会からの飼育方針を守らないなどのことが無い限り、パピーウォーカーに責任はありません。
たとえ、どんなに盲導犬としての資質に優れた両親犬から生まれたとしても、全ての子犬がその資質を全部受け継ぐわけではないからです。
同胎の兄弟姉妹でも、見た目も性格も1頭1頭それぞれです。
たまたま盲導犬に向く資質を持って生まれてこなかったら、後付けはできないので、パピーウォーカーがどう育てても(家庭犬として暮らしやすい犬に育てることはできますが)訓練士さんがどんなに訓練しても、盲導犬にはなりません。
2.盲導犬になった場合
一方盲導犬になった場合は、パピーウォーカーさんのお手柄だと、私は勝手に思っています。
子犬が完璧な盲導犬センスを持って生まれてきたとしても、訓練ができる1歳前後までの日々を訓練センターで犬舎生活を送っていたら、盲導犬になるのは難しいのではないかと思います。
パピーウォーカーの家庭で、日々愛情を注がれ、家族と一緒に楽しい経験の中でいろいろなことを学ぶからこそ、人を信頼し、人が大好きな犬に育ち、訓練を進めることができるのだと思うのです。
繁殖犬飼育ボランティアの気持ちとか
盲導犬候補パピーは
- 盲導犬に向く気質。
- 家庭で家族の一員として愛情をもって育てられること。
- 適切な訓練。
それらが全て揃って盲導犬になれるのだと思います。
盲導犬になるならないにかかわらず、パピーウォーカーさんが大切に育ててくれるからこそ、人の家庭で楽しく暮らせる犬に育っていきます。
日本盲導犬協会では、育てたパピーがキャリアチェンジになった場合に、パピーウォーカーが引き取ることはできない決まりになっているので、ほぼどの仔も育った家と別の家庭で暮らすことになります。
上の写真は、新しいご家族のもとで楽しい毎日を過ごすD18胎のパピーの1頭です。
D18胎の仔の中には、パピーウォーキング中に足の関節にトラブルが見つかり治療を受けた仔がいます。
協会サイドの適切な治療ももちろんですが、パピーウォーカーさんが献身的にケアして育ててくださったお陰で、パピーは日常生活を普通に送れるほどに回復してくれました。
しかしその仔は、委託終了後は訓練せずキャリアチェンジ犬として一般家庭に譲渡されることが、パピーウォーキング中に決まりました。
訓練することも無い。
自分が引き取ることもできない。
そんな中で、別離のためだけに大切にパピーを育ててくださったパピーウォーカーさんの心情を思うと胸がいっぱいになります。
その仔も現在は新しいご家庭で幸せに過ごしているので、パピーウォーカーさんには感謝しかありません。
まとめのようなもの
ワトソン×ウェルシー仔の中の1頭が盲導犬デビューしました。
犬の幸せは、一緒に生活する人によって決まります。
子犬たちがどんな進路を選んでも、幸せであってくれることが一番の願いです。
一方で「盲導犬繁殖犬」としてウェルシーをお預かりしているので、ウェルシーが産んだ子犬の中で盲導犬になってくれる仔がいてくれて
少しでも盲導犬を必要としている人のお役に立てて良かったな♪
とホッとした部分もあります。
パピーウォーカーさん、改めてありがとうございます。
子犬たちがどんな進路を選んでも、パピーウォーカーの家庭での温かい暮らしは子犬たちの力になっているはずです。
まだ訓練中の仔も、きっと自分に合う道を選んでくれると思いますが、その先で出会う人にたくさん可愛がってもらえますよう願っています。
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