盲導犬受け入れ拒否への取り組み 日本盲導犬協会の場合

公開日: : 盲導犬ボランティア

先日、日本盲導犬協会の会報「盲導犬くらぶ98号」が届きました。

ウェルシーの兄弟姉妹の中で、一番最後まで訓練をしていたウォルトが盲導犬になりました。

盲導犬くらぶに掲載されたウォルト

①はユーザーさんとウォルトの共同訓練の期間です。

ウォルトは、兄弟姉妹の中で一番のんびりした仔だったので、自分のペースでゆっくり考えながら訓練に臨み、盲導犬になることを選んだんだね♪

ウォルト

進路決定おめでとう♪

盲導犬受け入れ拒否の調査

日本では2002年10月から「身体障害者補助犬法」が施行されました。

それにより、公共施設や公共交通機関、商業施設やホテル、レストランなどの不特定多数の人が利用する民間施設などは、身体障害者が利用する補助犬を拒んではならない。

ことが法律として定められました。

また、補助犬を利用する身体障害者には、同伴する補助犬が他人に迷惑を及ばさないよう補助犬を管理する義務があります。

補助犬とは、盲導犬・介助犬・聴導犬のことをいいます。

受け入れ拒否の実態

今回の「盲導犬くらぶ」の記事から抜粋します。

場所

盲導犬ユーザーが盲導犬の受け入れの拒否にあった場所は、飲食店が圧倒的で77%、次いで病院が25%、電車、バス、タクシーなどの交通機関が21%、宿泊施設が20%、小売店15%、娯楽施設8%、図書館、公民館などが4%となっています。

地域

三大首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫)とそれ以外で比較すると「三大首都圏」で60%、それ以外で47%でした。

日本盲導犬協会での取り組みの例

飲食店

仙台訓練センターでは、飲食店の責任者が集まる「食品衛生講習会」で盲導犬受け入れのための講義の時間を設けてもらいました。

2019年に20回講義を実施し、アンケートで盲導犬ユーザーの受け入れで気になることを聞いたところ

他の客の反応、26%

視覚障害者への対応、25%

盲導犬の衛生面・行動面、18%

でした。

犬そのものよりも周囲の反応や、視覚障害者への接客への不安があることがわかりました。

医療機関

医療機関の規模にかかわらず、診察、健康診断、人工透析、見舞い、などあらゆる場面で受け入れ拒否は発生しています。

医療現場での受け入れは、厚生労働省がガイドラインを示していて「一般清潔区域」とされる場所には盲導犬の同伴を求めています。

しかし、この区域の線引きは医療機関ごとに異なっているうえに、補助犬の受け入れに対するルールや、対応マニュアルが無いところがほとんどです。

茨城県内の病院でユーザーが健康診断を申し込み、受け入れ拒否にあった際に、神奈川訓練センターでは該当病院にPR犬を連れて訪問し、病院サイドと話し合いながら「受け入れマニュアル」を作成しました。

まとめのようなもの

「盲導犬くらぶ」の記事の中から、補助犬の受け入れ拒否の状況と、日本盲導犬協会の取り組みの一部を抜粋してみました。

芝生に伏せる犬

一口に身体障害者と言っても不自由を感じるところは人それぞれで、全ての身体障害者が補助犬を必要としているわけではありません。

個人的には、将来的には馬車が自動車になったように、犬ではなく何かしらのものが開発されたらいいなと思っていますが、現時点では補助犬が必要な人には、それがより良い選択になります。

ヘルパーさんをお願いすると何日も前から予約が必要だし、家族に同行を頼むのも家族の都合を聞かなければならなかったのが、盲導犬が来てくれて思い立ったときにさっと出かけられることがとても幸せだ。

と言った盲導犬ユーザーさんがいます。

私たちが

〇〇が飲みたいなあ。

とふと思って、家の近くのコンビニに飲み物を買いに行ったり

お天気がいいので、近くの公園に出かけてみようかな。

といった、当たり前のようにしている日常の小さな外出を困難に感じる人が、補助犬がいることで当たり前にできるのであれば、そうあって欲しいです。

外出の支度をすると、すぐ尻尾を振って横にやってくる補助犬たち。

犬の存在は、ユーザーさんの心の張りにもなっています。

一方で、アレルギーがある人や犬がどうしても苦手な人の権利も守っていかなければいけません。

受け入れに消極的な施設側も、法律上補助犬を拒否してはいけないと言われても、どうしたらいいのかわからないという印象を受けました。

国は法律を作るだけで

運用や細かいところは自分たちで考えてやってね。

と、当事者に丸投げという印象を受けます。

盲導犬協会では、ユーザーへの教育も行っていますし、様々な取り組みをしていますが、さらに頑張ってほしいと感じました。

ユーザーのみなさんへ

補助犬はあなたの手元に来るまでに、たくさんのボランティアの人が関わり、愛情を注ぎ大切に育てられ、適切な訓練を受けてきました。

補助犬は道具ではありません(そんなこと思っていないと思いますが)。

大切なパートナーにこれからも愛情と思いやりを持って接してくださいますようお願いします。

今日もあなたがパートナーの補助犬と一緒に安全に出かけられますように。

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Comment

  1. サナ父ちゃん より:

    ウォルト君?が進路決まって、これでウェルシーちゃんの姉弟姉妹、みんな新たな道を進み出したのですね…
    ウォルト君のパピーウォーカーの皆さん、ウォルト君、お疲れさまでした…

    そして…サナのユーザーさんも飲食店、病院の入店拒否が非常に多い、と仰ってました…
    ユーザーさんとしては、「またか…」とは思いつつもその場では無理に説得せずに、協会に報告して対応をお願いしているとの事でした…
    地道に啓蒙活動を協会のみなさんや私達が粘り強く行う事が一番のようです…

    あと、健常者が一緒だとお店側も盲導犬OKとなる事が多いように思いました…
    風評被害を嫌がってるような様子が見え見えな感じて、なんかスッキリしませんてした。

    その一方で、若いアルバイトの方が以外に快く笑顔で受け入れてくれる方が多く、まだまだ世の中捨てたモンじゃないな、とも思った事も多かったです♪

    こんな事でギスギスしない世の中に早くしたいなぁ…と、これからもユーザーさん達と一緒に頑張ろうと思います♪

    • gd.vol より:

      サナ父ちゃんさん
      ウォルト君の進路が決まり、みんな新しい道を進みました。
      みんな幸せになってほしいです。

      今回は、盲導犬くらぶに受け入れ拒否の調査が出ていたので、個人的な感情はちょっとわきに置いて、どんな場所が補助犬を受け入れないところが多いのかなど、ブログを見てくださる方にも知ってもらえたらと思いました。
      記事を読んで受け入れ側も、様々な不安があるようにも感じられました。
      健常者が一緒だと、受け入れてもらいやすいのは、その人に補助犬や障害のある方のサポートを頼めるという安心感があるからなのかもしれませんね。
      そのあたりは、施設の従業員が補助犬や障害のある方への接し方を学べれば、だいぶ解決しそうですね。

      若い人は震災の時のボランティアなども、参加する方が多かったですね。
      社会にはいろいろな人がいるので、利害関係が食い違うこともあるとは思いますが、お互い様の気持ちでギスギスしないといいですね。
      私もできることは頑張っていきます。

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