犬を叱る「NO」は「ダメ」の意味ではない!犬を良い方向に導くためのワード
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しつけ
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私は犬を叱るのが苦手で、叱ることで犬に「ダメ」が伝わりません。
叱った時の犬の反応は、その仔によって
- その時はやめても、少しすると同じことを繰り返す仔。
- 叱っているつもりが、かまってもらえていると勘違いする仔。
- 人の「NO」という言葉や態度、表情などから、攻撃されていると思い反撃に転じる仔。
など様々で、なかなか「叱る=ダメ」を伝えることができませんでした。
「NO=ダメ」じゃない?
叱ることで「ダメ」が伝えられない私は、NOを減らし基本的に褒める犬育てにシフトしていました。
叱ったところで治らん!
と諦め、だったら褒めて伸ばしていこうと思いました。
「NO」を上手に伝えるにはどうしたらいいのでしょうか。
パピーウォーカーだった頃の訓練士さんのご指導を振り返ってみました。
叱りっぱなしにしない
今まで訓練士さんに習った犬の叱り方と褒め方を振り返ってみると
好ましくない行動は「NO」と伝える。
好ましくない行動をやめたとき「Good」を伝える。
さらに
してほしい行動に誘導して「Good」を伝える。
叱ったら叱りっぱなしにせず、必ず「Good」と褒めて終われるように持って行きましょう。
叱るだけだと犬は「どうしたらいいのか」が理解できません。
ということでした。
今更ながら「NO」と「Good」の意味と犬に求めるところが少し分かってきました。
「NO」の意味は?
まず「NO」の意味ですが「ダメ」とか「やめなさい!」とか「禁止」じゃないんです。
え?
どゆこと?
「NO」の意味は「それは違うよ」なんです。
「やめなさい」とどう違うの?
と思いますよね。
例えば、パピーのウェルシーが家具を齧っているとします。
やめろ~!!
と思うので「NO」と言いますよね?
でも、ウェルシーは楽しいから家具を齧っているだけで「悪いこと」という認識はありません。
犬は物事を善悪で判断しません。
楽しいか嫌か(快か不快か)場合によっては損か得かで判断するという感じです。
一所懸命家具を齧っているウェルシーに「NO」という時は
それ(家具を齧ること)は違うよ。
と伝える言葉になるのです。
「Good」の意味は?
違うよ。
と言ったからには正解を示してあげなくてはいけませんよね。
正解は
家具ではなく、おもちゃを齧ろうね。
ということで、おもちゃで気を引いて、おもちゃに気を向けられたら「Good」引っ張りっこして遊んであげて「Good」(こっちの方がもっと楽しいね)と言ってあげます。
「Good」の意味は「褒める」だと思っていましたが、それだけではなく行動の肯定「それでいいよ」今風に言うと「いいね!」ですね。
ウェルシーが「楽しい」と思ってやっている家具を齧ることより、もっと楽しいことを提案して、そっちに興味を持ってくれたら「Good」と言って
そうそう!
それいいね!
と肯定していくことを繰り返すことで、犬は人にとって困る「NO」な楽しいことより「Good」をもらえる楽しいことを選んでいくようになっていきます。
「NO」は
やめなさい!
ではなく、「Good」とセットで使うことで、犬が正解を選んでいけるように導いていくためのワードなのですね。
犬が言うことを聞いてくれなかったら、犬がやりたいことよりも楽しい提案をしてあげられなかった、「Good」の価値が犬にとって低かった、ということになります。
人の修業が必要ですね。
名前で叱らない
これも重要ですね。
楽しそうに家具を齧っているパピーのウェルシーに
コノヤロー!
の気持ちを乗せて
ウェルシー!
と名前で叱ったらどうでしょう?
何度も繰り返してしまえば名前に嫌なイメージがついてしまい、名前を呼んでも無視するようになってしまうかもしれませんよね。
家具を齧っているウェルシーに
ウェルシー!
と言ってしまったら、名前を呼んでしまったからには振り向かせて「Good」しかありません(笑)
今さら「NO」は言えないので、おもちゃに誘導して「Good」と褒めていくしかありませんね。
名前は犬にとっては「注目」の意味になります。
名前を呼んだら必ず見てくれる犬に育てたいので、名前には良いイメージを持って欲しいと思っています。
まとめのようなもの
2024年11月現在、ウェルシーは7歳半を過ぎ、人にとって困ることはほとんどありません。
お互いに協調しながら生活している感じで、お互いの言葉は話せないながらもコミュニケーションをとって仲良く暮らしています。
今は「叱る」場面はあまりないのですが、ウェルシーが自ら人と一緒に暮らす中での「正解」を選んでいけるように、時には「NO」を交え、日々小さな「Good」を積み重ねながらウェルシーの笑顔を見ていたいと思っています。
(写真は全てパピー時代のウェルシーです)
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