しつけをやり直さなければ…犬の頭は「快」と「楽」に上書きされる

私は犬にしつけは必要だと考えています。

犬が人の社会の中で楽しく生活ができるように、また犬と人の安全を守るために大切だと考えているからです。

ボールと犬

犬の頭は上書きされてしまう

最近、子犬の頃にしっかりしつけたはずなのに、言うことを聞かなくなってしまったことがあります。

  • 勝手に玄関のたたきに降りない。
  • 部屋に設置したフェンスを飛び越えない。

の2つです。

1.勝手に玄関のたたきに降りない

日頃勝手にたたきに降りることはありませんが、問題は来客のときです。

パピーの頃、ウェルシーはチャイムが鳴って玄関を開けるとお客さんにあいさつしたくてテンションが上がり、たたきに降りてしまうので「Wait」と言って待たせる練習をたくさんしました。

成長と共に落ち着きも出てきて、尻尾をフリフリしながらも座っていられるようになりました。

ところがです。

わが家は今年(2022年)の夏に家のリフォームをしました。

ペンキ塗り

日々職人さんが家に来て、社交辞令もありますがウェルシーにも声をかけてくれたり撫でてくれたりします。

人が大好きでお調子者のウェルシーはすっかり職人さんに懐いてしまい、職人さんの車が駐車場に入ってくると玄関でスタンバイし、私が玄関を開けて対応すると

あたしもあたしも~♪

撫でて~♪

と職人さんにまとわりつき、そのうち待ちきれずたたきに降りるようになりました。

しかも1人が玄関に入り、もう1人がまだ駐車場にいると玄関を飛び出して駐車場にいる職人さんの方にも行ってしまうという事態になりました。

NO!

と言っても、降りてしまってからではウェルシーには全然響かず「Come」と言えば戻っては来るものの、飛び降りようとするときに「NO」と言おうが職人さんが笑顔で目を合わせてくれるだけで、ウェルシーはたたきに降りてしまいます。

だって、この人が「いいよ」って言っているんだも~ん♪

という感じです。

まさに、飼い主の言うことより楽しい方を取る、です。

  • 勝手に玄関のたたきに降りない

というルールはウェルシーの頭の中で

  • 降りていいんだも~ん♪

に上書きされてしまいました。

2.部屋に設置したフェンスを飛び越えない

職人さんが来るだけでウェルシーのテンションが上がり、嬉しさが爆発してしまうので、部屋の入り口に100均のパネルをつないだフェンスを置きました。

これはパピーの頃から使っていて、身体能力的には飛び越えられますが、パピーの頃から

飛び越えてはいけません。

としつけたのでわが家でお預かりしたパピーは、ウェルシーも含め今までに飛び越えた仔はいませんでした。

フェンスに飛びつく子犬

フェンスに飛びついたら「Sit」と言って座るように教えていました。

座る子犬

しかし!

今回ウェルシーは、フェンスの向こうから笑顔を向けてくれる職人さんに、嬉しさ爆発で軽々とフェンスを飛び越えてそばに行き

おじちゃん、おはよう~♪

でした。

私にとっては、5年以上ウェルシーと暮らしてきて初めてのことで「まさか!」の事態でした。

今までのしつけは何だったんだ…。

一度「禁止」を破ってしまうと「禁止」のハードルは低くなり、叱ろうが座らせようが、ウェルシーは職人さんが来るとフェンスを飛び越えるようになりました。

完全にウェルシーの頭の中は

  • フェンスは飛び越えていいもの。

に上書きされてしまいました。

「快」と「楽」を選ぶ

ウェルシーは自分が「対象」と見ている人の態度や指示で判断しています。

もちろん、職人さんは言葉で「OK」とは言っていませんが、態度が「OK」と言っているので、犬はそこを見逃しません。

かと言って、他人の犬を叱るようにお願いするのは難しいですよね。

盲導犬は、パピーウォオーカー、訓練士、ユーザーまたは新しい家族、と言うようにいろいろな人と共に暮らすことになるので、誰の言うことも聞けるように育てています(協会からご指導があります)。

そして、複数の人が別の指示を出した場合は、自分にとって都合のいい方、楽しい方の言うことを聞いてしまうんだなあ…。

と思いました(ウェルシーだけですかね?)

「人」というのはウェルシーにとってのツボで、人に可愛がってもらえることがウェルシーにとって最高の報酬になってしまうんですよね。

家族(飼い主)の言うことは絶対!

という頭は全くないので、目の前の「快」と「楽」を与えてくれる人の言うことを聞いてしまいます。

相手が「いいよ」と言っているのに、家族(飼い主)に叱られるということがウェルシーにとっては理解できず「なんで?」になってしまっています。

しつけをやり直さなければ…

さて、リフォームも終わり日常が戻ってきました。

ウェルシーには再び勝手にたたきに降りないように、フェンスを飛び越えないように伝えています。

しかし、先日宅配の配達員さんが来た時に、たたきに勝手に降りました。

犬は一度経験して学習して、しかもそれが楽しかったとなると忘れないんですね。

NO、Come

と言って呼び戻し、ウェルシーを部屋に入れ配達員さんと接触しないように扉を閉めました。

ウェルシーはお出迎えしたい気持ち満々ですが「Sit」の指示で座っていられるか、立ってしまってもたたきに降りなくなるまで、心を鬼にしないとなあ…と思っています。

犬が好きな人ばかりではありませんからね。

その後フェンスの方は飛び越えていませんが、家族以外の人がフェンスの向こうから「おいで~」みたいな態度を取ったら絶対に飛び越えると思います。

飛び越えて楽しい経験をしたことは、経験値として刻まれているんだろうなあ…。

楽しいと思えないと学習できないのが「犬」なので、少しでも家族の望むことができたら褒めていこうと思っています。

家族の言うことは「もっと楽しい」と上書きができたらいいですね。

まとめのようなもの

犬は一度身に着いたことでも、ちょっとしたきっかけでいとも簡単にやらなくなってしまうのだと思いました。

ウェルシーは人が好きで、人に可愛がってもらいたいタイプなので、今まではたたきに降りたり、フェンスを飛び越えてお客さんのそばに行きたい気持ちを頑張って我慢していたのだということもよく分かりました。

しかし、犬と人の双方の安全のためにも「勝手に」ではなく「OKの指示が出てからお客さんと触れ合う」というルールを、ウェルシーに守ってもらうことは大切だと考えています。

指示に従えば、楽しいんだよ。

と、もう一度ウェルシーに理解してもらえるように頑張りますね。

関連記事→「待て」は重要!我慢をさせることが犬にもメリットになる

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Comment

  1. エスティ母さん より:

    分かります〜同じです〜
    出来ていたことが、出来なくなる!
    まぁ、盲導犬じゃないんだから、いっかぁーなんて思ってましたが、
    やはり躾し直した方が良いんでしょうかね。
    なかなか難しくて。。。

    • gd.vol より:

      エスティ母さん
      他人に迷惑をかける(かもしれない)ことと、安全にかかわることはしっかり教えた方がいいですよね~。
      おうちルールは家庭によってそれぞれだと思いますが、わが家の場合は、玄関→駐車場→道路なので、テンションが上がったウェルシーが道路に飛び出したら本当に危ないです。
      来客の中には犬が苦手な人もいるので、チャイムを鳴らして家のドアが開いた途端に犬がたたきに飛び降りたらびっくりしますよね。
      そんな事情から、ちょっとしつけ直そうと思っています。

      最初のうちは職人さんも、吠えないし、夫や私の言うことを聞いて座っているので
      いいこだね~。おとなしい犬だね~。
      と言っていましたが、化けの皮(笑)が禿げちゃいました。
      フレンドリーなのはとってもいいことなんですけどね。

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