育てたパピーがキャリアチェンジになったときのパピーウォーカーの気持ちとか

公開日: : パピーウォーカーの気持ちとか

新しい年を迎え

今年はパピーウォーカーをやってみたいな~。

と思っている人もいるかもしれませんね。

パピーウォーカーは、盲導犬の候補犬として生まれてきた子犬を育てるボランティアなので、盲導犬を必要としている方へのお役に立てるということで、やりがいも感じられます。

しかし、盲導犬の候補犬として生まれてきても、盲導犬になるのは全体の3割~4割と言われ、盲導犬にならない犬の方が多いのが現状です。

盲導犬になるならないは、ほぼ持って生まれた気質で決まる

パピーウォーカーをやってみたいと思って、盲導犬協会を訪ねたとき

その犬が元々持って生まれた気質を「稟性」と言い、それは生涯変わらないものです。

盲導犬になるかならないかは、ほぼ「稟性」で決まるので、気負わずに犬育てを楽しんでいただければと思います。

という説明をパピー担当の訓練士さんから受けました。

それでも盲導犬になって欲しい

そうは言っても「三つ子の魂百まで」という言葉もあるし、育て方で変わるんじゃないのかという思いもありました。

盲導犬になるかならないかは、育て方で決まります。

なんて言ったら責任を感じてしまい、パピーウォーカーをやる人がいなくなってしまうので、生まれながらの気質で決まると言うのではないかと疑っていました(笑)

1頭目のイズモのパピーウォーキングの前半は、イズモの気持ちや個性を理解する努力よりも、自分の理想をイズモに押し付けようとしていたと思います。

盲導犬になるように育てたいという思いがどこかにあったのでしょうね。

しかし、自分が思う犬に育つかといえば、そうはいきませんでした。

真っ白なキャンバスに好きな色で絵を描くのとは違って、子犬には生まれ持った色があるんですよね。

それを無いことにはできませんし、元々の色を活かした絵を描いていくしか、やはりできないんですよね。

生まれ持った色が盲導犬色でなかったら、上にどんな色を塗っても盲導犬にはならないんです。

盲導犬に求められる資質というのは、後付けはできないということなのでしょうね。

キャリアチェンジってやっぱり辛いよね

日盲のパピーウォーカーさんで、育てたパピーがキャリアチェンジになったことを告げる連絡をいただいて、喜ぶ人はまずいないですよね?

キャリアチェンジになった場合に、パピーウォーカーが引き取れるのであればまた別ですが、そうではないので

これで全てが終わった!

という思いに駆られる人が多いのではないでしょうか?

電話口で号泣する人もいると聞いたことがあるので、訓練士さんも辛いお仕事かもしれませんね。

私の場合、初めてのパピーのイズモのキャリアチェンジの理由は「繊細すぎる」でしたが、納得できるものだったので

やっぱりそうだよね。

と思いました。

そして、電話を切った後

もっとのんびりイズモとの時間を楽しめば良かったな。

レクチャーの課題なんか

できませ~ん。

でいいから、もっともっと伸び伸び暮らせば良かったな。

泣くほどそう思いました。

パピーがどんな進路を選んでも「おめでとう」

そして、育ての親としてわが子に対して出てくる言葉は

進路決定おめでとう。

幸せになってね。

でした。

たかが盲導犬に向かないだけでしょ?

その仔がその仔らしく幸せに暮らす道を選んだこと。

それは盲導犬になるならないにかかわらず、等しく素敵なことだと思っています。

ただ、2面性があって

盲導犬になったら

盲導犬を必要としている方のお役に立てた。

と誇らしい気持ちになれる(と思う)ので、パピーウォーカーとしての自分が「残念」と思う気持ちもまた正直なところです。

引退後に、また一緒に暮らしたいと考える人もいるので

もう二度と、自分の元へは帰ってこないんだ。

と思う「残念」な気持ちになる人もいるかもしれませんね。

でも、残念なのは人の気持ちであって、犬は残念な犬ではありませんよね。

元気出してね

育てたパピーがキャリアチェンジになって、辛く、寂しい気持ちになっていたところに、私のブログを見つけてくださって

イズモちゃんやツムギちゃんの記事を読んで、元気が出ました。

と言ってくださった人がいます。

そうです。

元気出してくださいね。

あなたが育てた犬は、盲導犬には向かなかったかもしれませんが、あなたと一緒に一番可愛く多感な時期を過ごし、あなたにたくさんの喜びを与え、そしてこれからまた違う誰かを幸せにしていく犬ですから。

誇りに思っていいんですよ。

うちはどの仔も盲導犬にはなりませんでしたが、みんな自慢のわが子です♪

CCボランティアさんとご縁がつながれば、新たな親戚ができるような楽しみもあります。

それもまた、パピーウォーカーの楽しみかもしれませんよね。

(写真は2枚目から、イズモ、ツムギ、シオンです)

【パピーウォーカー実践日記まとめ】子犬の委託から涙のお別れまで

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Comment

  1. ツムギ母 より:

    パピーウォーカーさんの気持ち、想像の域ですが、盲導犬になって欲しい!と思って育てて、盲導犬の道を選んだら誇らしく思い、キャリアチェンジをし、家庭犬の道を選んだら心のどこかで残念…と思われる気持ち、分かります。
    CC犬ボランティアとしては、たくさん愛情を注いで育てて頂いて、人間との生活を送る上でのマナーもしっかり出来ていて、家族として迎えさせて頂く訳で『良いところ取りでスミマセン』という気持ちにもなります。正直、犬を飼いたいけど自分達で躾をする自信もないし、CC犬ならば…』と思ったのも事実です。

    でも幸せな事に、ツムギのパピーウォーカーさんであるママさんと、お会いした事もないのに、本当、親戚のような関係でいられます。有難いです。

    • gd.vol より:

      ツムギ母さん
      パピーウォーカーは
      将来盲導犬になる(かもしれない)犬を育てるので
      盲導犬を選べば誇らしい気持ちになったり、CCを選べば心のどこかに残年と思うのは、まあ、人情です。

      犬を飼いたいけれど自分で躾ける自信もないし・・・
      うちも同じで、躾け方も協会で教えてくれるし、まずは犬との暮らしを1年体験して、自分の犬を迎えるかどうか考えようと思いました。
      パピーウォーカーは、犬の一番可愛く多感な時期をいいとこどりです(笑)

      どの仔も愛情いっぱいに育てられ、どんな進路を選んでも幸せになっていく。
      そして、犬たちのお蔭でいろいろなところに親戚ができましたよ。
      盲導犬になるのも悪くないですが、CCも悪くないな。
      と思います。

  2. サナ父ちゃん より:

    自分のところで成長し、大人になっていったワンコ、いつか帰ってこれるとしたら、どうなれば帰ってくるのか…

    盲導犬になって、引退した後、場合によっては、帰って来る事も…
    それならば、盲導犬になって欲しい、お勤め果たしたら帰ってきて欲しい…

    という、パピーウォーカーの代表なんでしょうね、私は(笑)

    そこは基本的には今も変わってはいませんが、キャリアチェンジとなる事に対するネガティブな気持ちはかなり変わりました。

    極端に言えば盲導犬に向いていたかどうかだけ、の違いだけであって、一緒にいるだけで幸せな気持ちにしてくれるところに何ら違いがない事、キャリアチェンジしたワンコが大切にされ、可愛がられている事をママさんのブログや、インスタを見てよく理解出来たからだと思います。

    今は難しい状況ですが、ユーザーさんからこれからも1頭でも多くの盲導犬を育てて欲しい、協力して欲しい、とのリクエストを頂いていますので、いつかこの声に応えたいと思ってます。

    その時には、ネガティブな気持ちは置いておいて、おおらかに楽しくパピーをお預かりしたいと思います♪

    その時にはこのプログに書いてあった事、思い出します♪

    • gd.vol より:

      サナ父ちゃんさん
      盲導犬を引退したら手元に引き取りたいパピーウォーカーさんは多いと思います。
      また、ユーザーさんもその方が安心してお別れできるのではないでしょうか?
      お別れは、パピーウォーカー以上にユーザーさんの方が辛いと思いますしね。

      私は、もう一度パピーウォーカーをやる機会があったら、一度くらい盲導犬になる仔を育ててみたいとは思いますが、一度でいいです(笑)
      むしろ、CCになる仔のキラキラしたところを存分に伸ばせたらいいな。
      そんな犬育てをしてみたいなと思ったりします。

      いろいろな仔に出会うことで人も成長できるので、ぜひ1頭で終わりにせず、パピーウォーカーに復帰してください~。
      モタモタしてると、サナちゃん、帰ってきちゃうよ!!

  3. 島根のはる より:

    ウェルシーママのこの投稿、納得!納得!大賛成!
    そうそう!その通り!って思います。
    私がいかように育てようとも、なる子はなるし、ならない子はならないのだ!と思って、あまり気負わずにパピーとの暮らしを楽しもうと思っています。
    私が出会うCCの子もなんだかみんな幸せそうだし(笑)
    CC犬になれ!と思って育てはしませんが、盲導犬にならなくても、一緒に暮らしやすい、かわいい子だなぁと思ってもらえる最高の家庭犬目指したいと思います。だいたい面白く仕上がっちゃうんですけどね(笑)

    • gd.vol より:

      はるさん
      盲導犬になればなったで、盲導犬を必要としている方のお役に立てたと思える喜びがありますし、ならなくても可愛い家庭犬として誰かの幸せのお役にたてるというところだと思います。
      盲導犬になってね
      とか
      家庭犬になってね
      とか、仮に言ったとしても、犬は自分の進路は自分で決めてしまいますからね(笑)

      面白く仕上がるっていいですね。
      うちは、毎回繊細な仔が来るので、なかなか面白くは仕上がらないですね。
      ただ、成長と共に過剰な反応がなくなってくると、繊細な仔ならではの良さが出て、空気を読むというかさりげなく人に寄添っていくような感受性の高さが育つので、家庭犬としては悪くないなといつも思います。
      もし、もう一度パピーウォーカーをやる機会があったら、面白く仕上がりそうな仔を育ててみたいですね♪

      • 島根のはる より:

        今度の子は繊細ちゃんなのかも?
        でも、繊細さのなかにも豪快さが(笑)イヤ、豪快さのなかに繊細さが見え隠れしているという方が正しいか?
        どうなっていくのかまだ読めないだけに楽しみでもあります。
        稟性ってヤツは私の力ではどーにもならないもの!と思って気楽にやりますね。
        しかし、ノーテンキ男(うい)と違って、なんだか考えてるふうなので、私、将来的にこの人の賢さに負けるかも~!?(笑)

        • gd.vol より:

          はるさん
          ウイ君とは、キャラが違って面白そうですね。
          ワオン君が慎重でよく考えるタイプなので、そこが父犬似かも?

          持って生まれたものって、いろいろな面があるので、一言で「こーゆータイプ!」って言えないですよね。
          うちは、ウェルシーがイケイケさと繊細さのギャップがありましたが、根っこは同じでした。
          いろいろな刺激に感受性が高いところが、状況によって、イケイケに見えたりビビリや~、と思ったり。
          でした。

          賢い仔は人の技量が試されますよね(笑)
          はるさんの奮闘ぶりも楽しみです♪

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