子犬の社会化で初心者が失敗しがちなこと
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社会化
子犬のときに十分な社会化を行うことで、人にとっての問題行動を減らしたり、人の社会に順応することができる犬に育つといいます。
子犬の社会化は、犬にとっても飼い主さんにとっても大切なことなのですね。
子犬の社会化期は、諸説ありますが生後12~13週頃までと言われています。
子犬を家に迎えるのは、概ね生後8週を過ぎた頃になるので、それまでは母犬や兄弟姉妹とのかかわりの中で、犬同士のコミュニケーションを学びます。
また、お世話をする人とのかかわりの中で「人」の存在を学んでいくでしょう。
人の存在が子犬にとって良いイメージだといいですね。
初心者が失敗しがちなこと
子犬を家庭に迎えるのは、社会化期の後半になります。
子犬が生涯にわたって人の社会の中で楽しく暮らせるように、子犬が出会ういろいろな物に順応できるように助けてあげるのが「子犬の社会化」で、飼い主さんの重要な役割ですね。
この時期の子犬は、見るもの、聞くもの、触れるものをどんどん吸収していきます。
警戒心が薄く、環境に慣れていきやすい時期とされています。
しかし、子犬にもそれぞれに個性があり、生後2か月にもならないのに警戒心が強い仔、恐怖心や不安が強い仔もいるんですよね。
社会化の重要性は認識していたはずなのに、犬育て初心者だった私がやってしまった失敗をお話します。
1.子犬が楽しい経験と感じることができなかった
例えば
- 電車や踏切に慣れさせようとしたら、踏切の音や電車の音や大きさに子犬がびっくりしてしまった。
- 人に慣れさせようと思ったが、相手の人がいきなり手を出す、甲高い声を出すなどして、子犬が後ずさってしまった。
などです。
経験させれば子犬が勝手に慣れていくわけではありません。
経験の浅い子犬は、嫌なことに出会ったときの対処の仕方も分かりません。
なので、ただ「嫌だった」という印象しか残りません。
「嫌な経験」になってしまうと、子犬はそれを怖がるようになってしまうので、新しい経験に良い印象を持たせないと「社会化」の意味がありません。
【反省点】
社会化は子犬が受け入れられる範囲を、子犬に聞きながら進めて行く。
思いがけず嫌な経験をしてしまったら、その場から離れて子犬を落ち着かせるように対処する。
2.何度も経験したから大丈夫と思ってしまう
順応性が高く何回か経験すれば平気になる仔もいます。
しかし、なかなか受け入れることができない仔もいます。
人の判断で、何回も経験したから大丈夫、と思って終わらせてしまって、少し時間を置くと経験したはずのことを怖がり
もう慣れたはずなのになんで?
ということがありました。
子犬自身は嫌だけど我慢している場合もあり、人の目には「慣れた」と思えても、子犬自身が「大丈夫」と思えない限り大丈夫ではないんですよね。
【反省点】
人から見てではなく、子犬自身が「これって平気なんだ」と思えるまで根気よく経験させていく。
もちろん、子犬のペースで楽しく経験させることは大事。
3.子犬をフォローしてあげなかった
わが家でお預かりしたパピーの中には、委託時から人見知りな仔がいました。
最初のうちはコタツの下に入って出てこず、触ろうとすると噛みついてきました。
噛みつかなくても、頭を低くして警戒モードになりました。
協会からは
人が好きな仔に育ててくださいね。
というご指導がありましたし、私自身にも
人に可愛がられる仔に育って欲しい。
という気持ちがあり、お散歩中に触りたがる人がいると撫でてもらい、子犬が後ずさったりしても「練習」だと思ってそのまま撫でてもらっていました。
嫌だ、怖い、と思っていることを強要される子犬はどんな気持ちでしょう。
そう思うと未だに「ごめんね」の気持ちでいっぱいになります。
【反省点】
社会化は嫌なことを自力で乗り越えていくための「訓練」ではない。
これはこの仔にとってはハードルが高いのだ。
と思ったら中断して、苦手なことはスモールステップで慎重に進めていく。
4.社会化を社交性と勘違いする
人見知りだった子犬に対して、人に対してフレンドリーになって欲しいと思う気持ちが強すぎました。
元々の気質が人見知り(犬見知り)の仔だったら、他人や他犬に吠えたり過剰な反応をせず、落ち着いてやり過ごせればそれでいいのだと、今なら思えます。
子犬をフォローしてあげなかったのも問題でしたが、自分の理想を子犬に押し付けようとしたのも問題でした。
【反省点】
犬にも個性がある。
社会化は生涯学習
いわゆる社会化期というのは、生後12~13週頃まで、と限られた期間ですが、それを過ぎても犬は経験から学習していくことができます。
時間がかかったりしますが、その仔にとって怖いものがあっても過剰な反応を示さず、その仔自身が人の社会の中で楽しく暮らしていければそれでいいのです。
人だって、それぞれ苦手なものはありますものね。
また、もう成犬になったからと社会化をやめてしまうと、何かのきっかけで今まで平気だったものが苦手になる場合もあります。
成犬であっても、犬がいろいろな経験をして脳に刺激を受けていくのは大切で、社会化は生涯学習だと思っています。
まとめのようなもの
私たちはパピーウォーカーとして子犬の社会化に取り組んできましたが、失敗もたくさんありました。
社会化で大切なのは子犬のペースで進めることですね。
子犬のペースで進めながら
もう少し頑張ってみようね。
と子犬の背中を押してあげることはあってもいいですが、子犬自身が自分のタイミングで近付いたり離れたりしながら
これって本当に大丈夫なの?
大丈夫みたい。
なんてことないじゃん!
と思えるようになるのを、手助けしてあげるのが人の役割なのですね。
人が主導し、人のペースで進めてしまうと、子犬は「嫌だな、怖いな」と思ったタイミングで離れられず、その子によっては
こんな怖い思いをするのは絶対に嫌だ!
になってしまいます。
いろいろなものに「慣れさせる」という上から目線ではなく、子犬自身が「これって平気なんだ」と思えるのをサポートする気持ちで、社会化を進めてあげられるといいですね。
(写真は、1枚目ウェルシーの子犬たちM19胎、2枚目ツムギ、3枚目ウェルシー、4枚目イズモ です)
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Comment
子犬にもそれぞれ個性があり、その犬の性格に合わせた育て方ができたら一番いいですね。4頭のパピーを預かったからこそ見えてくるものがありますね。
私はまだ一頭とだけしか暮らしていないので、ついケイン基準で見てしまいがちですので、子犬の社会化のお話参考になりました。
ケインママさん
わんこも個性はそれぞれで、パピーウォーカーの楽しみのひとつは
いろいろな性格の子犬に出会えること。
ですね。
社会化は
いろいろな経験をさせる。
いろいろなものに慣れさせる。
など、一言で言われてしまいますが、慣れさせ方はとても重要で、子犬自身が「怖い、嫌だ」と思わないように工夫が必要なのだと感じました。
得意なものや苦手なものは、犬によってそれぞれで
そこかい!
という場面もあって、犬って面白いなと思ったりしました。
子犬の持つ「伸びる力」は素晴らしく、感動しますね。
またパピーウォーカーをやりたいと思うこの頃です。