狂犬病予防注射は毎年しないといけないの?打たないとどうなる?

公開日: : 健康管理

春になると狂犬病予防接種のお知らせが自治体から届きます。

狂犬病予防注射の必要性について調べてみました。

狂犬病予防注射済証交付申請書

狂犬病とは

狂犬病は人を含むすべての哺乳類が感染する病気です。

人であれば、感染後にワクチンを接種することで発症を防げますが、発症してしまうと治療法はなく、けいれんや呼吸困難、まひなどを引き起こしてほぼ100%死亡します。

噛まれなくても、傷口を舐められるだけでも感染します。

犬にペロペロさせているそこのあなた!

その犬が狂犬病に感染していて、もし小さな傷でもあったら傷口から…。

発症したら100%死んじゃうそうですよ!!

犬の登録と狂犬病予防接種は飼い主の義務

日本では1950年に「狂犬病予防法」が制定され、飼い犬の登録と狂犬病予防注射が義務化されました。

違反した場合、20万円以下の罰金が科されます。

打たなくても良くない?

厚生労働省のホームページによると、近年は注射率の低迷が続いており、2013年度は登録頭数の72.6%しか接種が行われていません。

登録していない犬も多いとみられ、実際は4割程度しか予防接種を受けていないとの推計もあるのだそうです。

その理由として

  • 飼い犬の登録が毎年必要だった頃は、登録とワクチン接種を一緒に済ませていた飼い主が多かったが、1995年の狂犬病予防法改正で犬の登録義務が毎年から生涯1回に変わったことで、接種実施率が下落した。
  • 日本では60年も狂犬病が発症していないのだから、予防接種を受けなくても大丈夫。
  • 同じように島国であるオーストラリアやイギリスでは任意接種なのだから、日本も任意でいいのではないか。

などの飼い主さんの意識があるとされています。

日本国内では1956年以降、人の狂犬病発症はありません。

動物では1957年の猫が最後です。

近年の日本で狂犬病の発症が報告されていないのは、狂犬病ワクチンが義務となり、日本の防疫対策が成功しているためです。

今のところ日本では狂犬病の問題はありませんが、海外では狂犬病が発症している国もあり、人や動物の移動もあることから、これからも狂犬病を発症させないため狂犬病ワクチン接種は飼い主の義務となっています。

個人的には

日本では60年以上も発症していないし、ほとんど室内で飼われていることが多い犬だけに、ワクチンを義務づけるのは意味ないんじゃないの?

という意見も分からなくないのですが、発症したら致死率100%というのは、やはり怖い病気であり、ワクチンで防げるのであれば接種したいと思いますね。

毎年予防接種を受ける必要性について

パンデミック(爆発的感染)を防ぐには、狂犬病ワクチンの接種率が少なくとも70%は必要といわれています。

厚生労働省の推計によると、日本の接種率はたったの40%です。

これでは、もしものときにパンデミックを防げません。

現在、日本で認可を受けている狂犬病ワクチンは不活化ワクチンのみになります。

不活化ワクチンは死んだ菌またはその一部を接種するため、生ワクチンよりも効果が弱く、複数回の接種が必要になります。

そのため効果を持続させるため毎年の接種が必要になるとのことです。

予防接種には発熱やアレルギーといった副作用も起こることがあります。

愛犬の健康状態を確認し、特にシニア犬や持病のある犬は、集団接種ではなくかかりつけの病院で予防接種を受けたほうが安心です。

費用

  • 狂犬病の予防接種 3000円前後(自治体により異なります)
  • 注射済み証の発行料 550円

(2019年現在です)

狂犬病ワクチンを免除される場合

狂犬病ワクチンは犬の年齢にかかわらず、生涯接種が義務付けられているので、高齢を理由に免除されることはありません。

しかし、病気や体調不良等の理由で獣医師が「接種不可」と判断した場合はワクチン接種を免除してもらうことができます。

この場合、獣医師に「予防接種実施猶予証明書」を発行してもらい、役所で免除の手続きを行う必要があります。

免除の猶予期限は1年間となっているため、以後も接種不可と判断された場合は、その都度証明書を発行してもらい、手続きをする必要があります。

まとめのようなもの

狂犬病は、犬だけではなく人も含む全ての哺乳動物に感染する病気です。

発症すると100%死に至る怖い病気ですが、ワクチンを接種することで防げます。

日本では60年以上狂犬病の発症例はありませんが、海外では多くの国で発症が見られます。

いつ日本で発症してもおかしくないという危機感を持って、毎年予防接種を受けましょう。

犬の登録と狂犬病予防接種は、法律による犬の飼い主の義務です。

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Comment

  1. ミコ より:

    狂犬病予防注射の接種率が、思ったより低く驚きました。
    登録していない犬もいるでしょうから、
    もっと低いということなんですね。
    体調が悪く、受けられない犬は別にしても、
    知り合いの犬で、犬に負担にならないように
    二年に一回と決めているわんこもいます。
    日本では狂犬病が発症していないと安心してはいけないと、
    ブログを読んで、改めて思います。

    • gd.vol より:

      ミコさん
      私も調べていて、狂犬病予防注射の接種率の低さにびっくりしました。
      高齢犬や体調の悪い犬など、事情がある犬は獣医さんに相談の上、判断をしていくことになるのでしょうかね?
      日本では長年狂犬病は発症していませんが、100%安心ではないことは理解しておきたいですね。

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