犬の脂漏症?被毛はパサつきがちなのに皮膚が脂っぽいです
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繁殖犬~引退後のウェルシー, 健康管理
ウェルシーは4月16日に富士ハーネスで3回目の出産をして、6月3日に帰宅しました。
出産の後はホルモンのバランスが変わったり、免疫力が落ちたりするため、毎回皮膚のトラブルが起きます。
今回は、湿疹も少なく比較的良い状態で帰宅できたのですが…。
帰宅の翌日に産後検診で神奈川訓練センターに行きました。
協会獣医さんからは、消毒用のヒビテン水とドルバロンが処方され、1日2回ケアをするようにとの指示でした。
*こちらのお薬は獣医さん処方なので、ネットでは購入できません。
ドルバロンと同じ効果のお薬は「ヒビクス」がネットで購入できます。
一応バナーを貼っておきますが、犬の皮膚トラブルの原因は様々なので、お薬については獣医さんの診断に従うことをお勧めします。
これって脂漏症?湿疹・フケ・べたつき
梅雨時は肌の状態が悪化しやすいので、処方されたお薬で念入りにケアしたつもりでした。
しかし帰宅から1週間くらいで、腕や腿の内側に細かい湿疹がびっしりできました。
しかも、ブラッシングをすると抜け毛と共にフケがパラパラ…。
(抜け毛とフケの写真です、閲覧注意)
そして、被毛はパサついている感じなのに、皮膚はやたら脂っぽいんです。
ブラッシングすると皮脂がブラシの山にベッタリつきます。
ブラシの山がだいぶ丸くなり換え時ですね(汗)
今回ウェルシーは、帰宅当初から表現が思いつきませんが、カビっぽいというか、独特のにおいがしました。
これって脂漏症?
と思ったので、脂漏症について調べてみました。
脂漏症とは
犬の肌がべたつき、フケやかゆみ、独特なにおいが出る症状を「脂漏症」と言い、皮膚の代謝や皮脂の分泌などのバランスに異常をきたしている状態です。
脂漏症になることによって二次的にマラセチア皮膚炎、脂漏性皮膚炎を引き起こします。
脂漏症の原因
脂漏症の原因は多岐にわたります。
1.遺伝
脂漏症は特定の犬種において若い頃から症状が生じることから、遺伝が関係していると考えられています。
2.ホルモン
代謝に関係するホルモン(特に甲状腺)のバランスが悪くなると脂漏症になるリスクが高まります。
中高齢から脂漏症を発症する場合の主な要因です。
3.常在菌
脂漏症になると常在菌のバランスが崩れます。
特にマラセチアが増えやすく、それに伴ってかゆみや皮膚炎が生じます。
4.皮膚のターンオーバー
皮脂のバランスが悪化すると皮膚のターンオーバーが変化します。
犬のターンオーバーは通常3週間とされていますが、脂漏症では1週間程度に短縮されてしまいます。
5.環境
高温・多湿の環境では脂腺からの分泌が多くなります。
日本では5~9月に脂漏症の症例が増える傾向にあります。
6.食事
年齢に合っていないドッグフードや、糖質・脂質を多く摂取すると脂漏症を招く可能性があります。
質の悪いドッグフードや、ドッグフードの酸化にも注意が必要です。
脂漏症の症状
脂漏症は全身に症状が現れますが、皮膚が擦れる部分(顔のシワ、首の内側、脇や股、指の間、尾の付け根)で症状が目立ちます。
これらの部位はマラセチアが増えやすい部分でもあり、マラセチアを伴った場合には痒みが出ます。
アトピー性皮膚炎を伴った場合も痒みを伴います。
また、外耳炎を併発することもあります。
脂漏症は
- 皮膚の脂が過剰になりベタつきやニオイなどを引き起こす「油性脂漏症」
- 皮膚が乾燥することによって起こる「乾性脂漏症」
と2つの症状があります。
1.油性脂漏症
肌や被毛がべたつき、黄色がかった脂っぽい滲出液、かさぶた、そしてにおいがキツくなるのが特徴で、ベタベタしたフケが毛を束ねるように付着しています。
2.乾性脂漏症
皮膚が乾燥することで異常にフケが増えたり、被毛がパサついてツヤがなくなったりするのが特徴です。
*ウェルシーは皮膚が脂っぽくてにおいもありましたが、フケは乾燥していて被毛はパサついてツヤが無くなっています。混合性なのか?
脂漏症の治療
脂漏症の原因に合わせた薬物療法や、スキンケア、原因の除去が用いられます。
1.薬物
薬を用いた治療には、炎症や皮脂分泌を抑える抗生物質や、マラセチアの増殖を抑える抗真菌剤などの塗り薬や内服薬などが用いられます。
ホルモンの障害がある場合には、ホルモン調整薬やその病気に応じた治療を行います。
2.シャンプー
皮膚や毛に付着した皮脂汚れ、フケ、マラセチアを除去する必要があるため、シャンプーによる洗浄が有効です。
抗真菌剤が含まれた薬用シャンプーが効果的とされていますが、使用するシャンプーの種類や回数、頻度については、皮膚の状態によって異なるので獣医さんの指導に従います。
保湿も必要ですが、症状に応じて有効な保湿剤は違うので、こちらも獣医さんの指導に従います。
*ウェルシーも薬用シャンプー(マラセブシャンプー)と保湿剤(ヒュミラック)を処方され、シャンプーをして肌の状態はだいぶ良くなりました。
湿疹が出ている体の内側にマラセブシャンプーの泡を付け5分くらい置いてから流します。
その後、全身を普通にシャンプーして洗い流し、ヒュミラックをお湯に溶かして全身にかけ、洗い流さずに拭き取ります。
3.栄養管理
脂漏症の原因として栄養バランスの悪さが考えられる場合は、獣医さんの指導に従い、食餌の内容を改善します。
4.環境
高温多湿、不潔な環境は脂漏症を悪化させる要因となります。
夏場や梅雨時期には、冷房や除湿器などを利用して室温管理を行い、犬が過ごす室内を清潔に保つことも重要です。
脂漏症の予防
脂漏症を予防するには日頃のケアが大切です。
毎日のブラッシング、定期的なシャンプー、犬種によってはトリミングを行い、身体を清潔に保ちます。
栄養バランスや生活環境に配慮し、脂漏症を引き起こす要因を排除するようにします。
遺伝が原因の場合は根治するのは難しいので、生涯にわたり獣医さんと相談しながらケアを続けていくことになります。
まとめのようなもの
犬の脂漏症は原因が多岐にわたるため、自己判断で対処せず獣医さんの指導に従います。
原因がなかなか特定できず、治療が長引くこともあるようですね。
早期発見、早期治療が完治につながるので、愛犬の身体をこまめにチェックして皮膚の変化に早く気づくことが大切です。
出産からもうすぐ3か月になるウェルシーですが、フケはかなり減り、独特のにおいも無くなったものの、まだ皮膚の赤みが残っていたり、1個2個と湿疹ができては消えたりしています。
帰宅当初は湿疹が少なくて良かったと思っていたのに、なかなかしぶとく、もうしばらくヒビテン水での消毒が必要です。
頑張りますね。
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