出発
公開日:
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第一話 イズモ
2014年7月26日
いつもと同じ朝がやってきました。
いつもと同じようにイズモにワンツーをさせて、朝の散歩に行き、朝のフードを食べさせました。
そしてトイレサークルを片付け、ケージをたたみ始めると、イズモはピーピーピーピー鼻を鳴らし始めました。
なんで~なんで~!!
あたしのお部屋はどうなっちゃうの?
とても不安そうです。
ケージやトイレサークルは盲導犬協会からの貸与なので、返却しなければなりません。
ケージが無くなってしまうと、ケージがあった場所の床のにおいをクンクン嗅いで、さらにピーピー鼻を鳴らしていました。
荷物を車に積んで出かける支度が出来たので、イズモにリードを着けていつもと同じように
イズモ、お出かけするよ~。
Come
と言ったら
あたし、行かない!!
とばかりに四肢を突っ張って抵抗しました。
え??
いつもお出かけというと早く行きたくて、こちらが靴を履いたりするのに待たせておくのが大変なのに・・・。
帰りたくない!
と玄関の下で家に入るのを抵抗することはあっても、行きたくないと抵抗されるのは初めてのことでした。
イズモをなだめて連れ出そうとしましたが、時間の方もせわしくなってしまうので、仕方なくイズモを抱きかかえて車に乗せました。
ここでもクレートに入るのを抵抗しましたが、なんとか押し込み出発できました。
今夜の宿泊は山中湖なので、山中湖方面へ向かいました。
途中で富士吉田の道の駅に寄りました。
ドッグランがあり、誰もいなかったのでイズモと遊びました。
しかし・・・暑いです。
誰もいないわけです。
木陰が全くありませんでした。
なので、ドッグランのそばの池で水遊びをしました。
イズモ、水が好きだね。
泳がないくせにね。
入っているだけで冷たくて気持ちいいんだね。
楽しい?
道の駅にあるアウトドアショップの前で写真を撮ってみました。
でっかいクマさんや、お店の看板、イズモはこういうものは平気なんだね。
熊と犬
なかなかいいね。
それから山中湖でやっぱり水遊び。
パパちゃん、もっと向こうへ行きたいです。
イズモ、ダメだよ。
パパは行けないよ。
ロングリードに付け替えましょう。
ブルブルブル
あ~気持ちいいな~
イズモさん、それはただの石ですよ。
ご機嫌は直りましたかね?
三人で
時間の許す限り
ただ無心に
無心に遊びました。
富士ハーネスに着きました。
ボランティア夏祭りが始まりました。
兄弟姉妹犬と、そのパピーウォーカーさんの家族も何組か来ていました。
みんな同じ思いを抱えていますが、誰も口にしません。
ビンゴゲームをしたり、生演奏を聴いたりして楽しいひと時を過ごすことができました。
暑いのに・・・。
イズモを抱きしめるパパ。
イズモが来てから今日までのいろいろな出来事や思いが、その胸に溢れていくのでしょう。
明日の今頃はもう、この仔を抱くことはできない。
万感の思いを伝えるようにイズモを抱きしめて
イズモはそれを受け止めるように、その身体を預けていました。
お互いの鼓動と温もりを伝え合うように、周囲の喧騒の中じっと抱き抱かれる二人でした。
夏祭りが終わって宿に行き、部屋に入りました。
イズモは部屋にあったケージを見つけると、大急ぎで走って行って中に入りました。
そして床のにおいをクンクンクンと嗅いで、すぐに出て来ました。
あ!あたしのお部屋、ここにあった!!
と思ったのでしょうか?
そしてにおいを嗅いで、違うと思って出てきたのでしょうか?
その夜、イズモはよく眠れなかったみたいで、時々ケージでガタンとかカタカタと音がしていました。
人の側の事情は解らないなりに、何かを感じていたのかもしれません。
無情に時が流れていきました。
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Comment
1. 無題
時間差はさまざまであれ、別れる時は来る。
それを
わかっていても、
納得していても、
やっぱりちょっとつらいです。
だから、犬たちのように、今この時、一瞬を惜しみなく楽しみたい!と思いますね。(*^_^*)
http://ameblo.jp/witch-of-the-east/
2. 無題
もう涙が…
イズモは、何かが違う…お家に帰れなくなると感じていたのかもしれませんね。
パパのイズモを抱きしめる気持ち、ママのそれを見つめる気持ち胸がいっぱいになります(泣)
http://ameblo.jp/song3-25music/
3. Re:無題
スピカさん
本当にね・・・。
人は過去を想い、未来を予想して生きることが多く「今」を置き忘れてしまいますね。
犬はその時々の「今」しか考えていません。
(だから後で叱っても理解できない 笑)
今を大切に生きるということの尊さも犬に見習いたいです。
お別れが寂しいのは人として当たり前ですね。
だって、それだけ愛情をかけて大切に過ごしてきたのだから。
当たり前だと思って受け入れていきます。
http://ameblo.jp/wan0824/
4. Re:無題
くるみさん
犬ってみんなこんなに敏感なのでしょうか?
今思うと、イズモは感受性が強くて私達に寄添ってくれる仔だったように思います。
http://ameblo.jp/wan0824/
5. ダメだ・・・・
イズモママさん、だめです・・・もう、思い出しちゃいます。あの日の事。
私もイズモパパさんと同じようにずっとイザベルを抱っこしていました。
私は思いをおさえられなくて、ずっと目をはらしたまんま、泣いてばかりでした。
・・・って隣に座ってましたよね、私達家族(苦笑)
周りのCC犬や引退犬や繁殖犬を見ながら
「いいなー、明日も一緒にいられるんだよね、、、でも私は・・・」と
一人でひねくれていました。
あの日のあの感情を
今日の日記を読みながら思い出して
はあーーーとため息ついています。
イズモ行きたがらなかったんですね。
あんなイズモの顔初めてみました。
イザベルもケージを片付ける時に
なんで??っとずっと私を見ていました。
あのこたち、私達が思う以上にいろんな事ちゃんと分かっているんですよね。
でも、それでも今を生きている。
えらいなぁ・・・・・。
6. Re:ダメだ・・・・
イザベルマミーさん
イズモはドナドナ状態になっていました。
せっかく前向きになってきている時期に、寂しさを思い出させてすみません。
明日はもっと泣いてもらいます(笑)
でも、楽しかったんだな~!イズモとの暮らし。
http://ameblo.jp/wan0824/
7. 切なる想い…☆
切なくて 切なくて …☆
涙が止まりません(T-T)
ママ様 パパ様の お気持ちも 苦しいくらいに胸の中に感じられますし…。
イズモちゃんの 心の中まで 読めてしまいそうな日記ですね…★
時間よ 止まってあげて☆ と 読みながら願ってしまう私でした。
この日*私達も同じ会場に居て 翌週に控えたカノンの入所式の事を 考えないよう… カノンとの最後のイベントを 精一杯に楽しもうとしていたんです…(;o;)
8. 喉が締め付けられる思いです。
職場で読んでしまい、涙がヤバヤバです。
我が子同然に可愛がっている仔とのお別れ…。
私には無理です。
それをボランティアでやる。
その優しさに感謝します。私が感謝しても仕方ないんですが…。
でも、ありがとう。って言いたくなります。
http://ameblo.jp/nikovodoka/
9. Re:切なる想い…☆
カノンPWさん
あぁぁ・・・ここにも!!
同期入所組PWさん、せっかく元気になりかけているところなのに
寂しい気持ちを思い出させてしまって申し訳ありません。
明日はもっと泣くことになるかもです。
寂しい気持ちを紛らわすかのように楽しいイベントがあって良かったですね。
カノンちゃんも、このイベントと同じ場所で今日も同じ空の下、楽しく過ごしているでしょう!
http://ameblo.jp/wan0824/
10. Re:喉が締め付けられる思いです。
Nicomamaさん
いやいや・・・そんな立派なものじゃないですって!!
確かにお別れは寂しいですが、人の犬で思い切り楽しんで笑って
ボランティアなのに、こんなに楽しくていいの?と思いました。
でも、盲導犬はたくさんの人の惜しみない愛情を受けて、大切に育てられてデビューします。
もし、街で盲導犬を見かけたら温かく見守ってあげてください
と職場の方にもお伝えください☆
http://ameblo.jp/wan0824/
11. 無題
パパの抱き締める気持ち
ジーンときちゃいますね。犬こそ感受性が
強いんですね
飼い主に似るって聞くけど優しい家族に囲まれた
イズモちゃんも優しい子に成長したのですね
http://ameblo.jp/doramotch/
12. Re:無題
ドラっちさん
犬ってこんなに感受性が強い生き物なんですかね?
最初はなかなかうまくイズモとコミュニケーションが取れなくて
イズモも困ったでしょうが、こちらも悩みました。
帰る頃は、こちらの気持に寄添ってくれるような仔になりました。
http://ameblo.jp/wan0824/