子犬のハウストレーニング|子犬がハウスを好きになる教え方

日本盲導犬協会では委託犬の誤飲事故を防ぐため、夜間やお留守番のときはハウスに入れるように指導しています。

パピーウォーカーは子犬を迎えたその日の夜から、子犬をケージで寝かさなくてはなりません。

なるべく早くハウスが好きになって欲しいですよね。

ハウスの役割

人が目を離す留守番時や夜間は、犬をケージやクレートに入れておくことで、誤飲事故やいたずらを防ぐことができます。

人の都合を言えば「安全のため」ということになります。

しかし、犬が閉じ込められている(実際は閉じ込めているのですが)と感じてしまうとハウスにいることがストレスになり、吠えたりハウスの中で暴れたりします。

犬の都合を言えば、犬には誰にも邪魔されない安心・安全な場所が必要です。

家庭犬の場合は、ハウスを使うかどうかは飼い主さんの考え方によりますが、日本盲導犬協会ではハウスを、犬が安心して落ち着ける場所と位置付けています。

ハウストレーニング

こちらは事前説明会での練習の様子です。

犬を制御しやすいように、リードをつけて練習しています。

  • おもちゃなどで誘い「ハウス」と声をかけてケージの中に誘導する。
  • ケージに入ったら良く褒めて扉を閉める。

ケージに入る子犬

犬には勝手にケージから出ず「OK」の指示で出ることを教え、出てきたところを褒めます。

ケージから出る子犬

ハウスが好きになるように教えていくためには、ちょっとコツが必要です。

パピーウォーカーは、夜間は子犬をケージで寝かさなくてはいけないため、パピーを委託されたその日から「ハウスのしつけ」が始まります。

ハウスでフードを与える

これは、ハウスがいいところだと犬に印象付けるためです。

イズモは最初の頃、ハウスと言ってもなかなかケージに入ってくれませんでしたが

イズモ、ごはんだよ。

ハウス♪

と言うと、すっ飛んでケージに入っていました。

ケージでフードを食べる子犬

ハウスはごはんを食べられるいいところなんだなあ~♪

さすが、食いしん坊のラブラドールですよね。

おもちゃを投げ入れて持ってきてもらうなど、遊びの延長もハウスへ足を入れる抵抗を減らすことができます。

日常的に短時間ケージに入れる練習をする

イズモから目を離す時は、事故や誤飲を防ぐために、必ずケージに入れていました。

しかし、待たなければいけないときだけケージに入れていると、ハウスが楽しい場所ではなくなってしまいます。

練習の初期は

  • 「House」の指示で入ってくれたら、すぐに出して褒める。
  • 時間を5秒10秒・・・1分などと伸ばす。
  • 物を取りに行くなど、ちょっとした用事のときにケージに入れてみる(1~2分、人がイズモの視界から消えることになります)

などと、少しずつ練習しました。

昼間も、遊んであげて眠くなったタイミングでケージに入れて、1日のうちに1~2回はケージで寝かせるようにしました。

ハウスで眠る犬

その時は、私もイズモのそばで洗濯物を畳んだり、家計簿をつけたり、本を読んでいたり、なるべくイズモのそばにいるようにして、目が覚めてもママはそばにいるよ、という状態にしていました。

物音で目覚めても、そばにいるとわかるとまた安心して眠っていました。

短時間から始めて、ケージの中は

誰にも邪魔されない落ち着く場所なんだよ~♪

と教えていくようにしました。

やってはいけないこと

  • 入ろうかな?どうしようかな?と躊躇する子犬のお尻を押すなどして、無理やりハウスに入れること。
  • いたずらをしたなどの理由で、ハウスに入れ「お仕置きの場所」にすること。

ハウスは指示されたら自発的に入るように、普段から「楽しい場所」にしておきます。

無理強いしたり、閉じ込めることを目的にすると、ハウスが嫌いになってしまいます。

ハウスは好きな場所になりました

大きくなってきたら、お昼寝をするのも部屋よりケージの中の方が良くなって、眠くなるとケージに入りたがりました。

しかし、面白いことに「ハウス」と言われないとケージに入ってはいけないと思っていたようです。

自由に入ってくれていいんですけどね(苦笑)

ケージに入りたくなるとケージの前まで行って

ハウスに入っていい~?

と振り向いていました。

振り向く犬

いいよ。

ハウス。

と言ってあげると、ケージに入っていました。

でも水が入っていると、出して床を綺麗に拭いてあげないと、入ってくれませんでした。

いいよ。

ハウス。

と言っても、もう一回振り向くんですよね。

昼間もハウスでは、こんな風にくつろいでいました。

ケージでくつろぐ犬

まとめのようなもの

ハウスの指示で、いつでもケージに入れるようになって、OKと言ったら出てくるというルールができました。

ハウストレーニングは、子犬がハウスは閉じ込められる場所ではなく、安心してくつろげる場所だと感じてもらうことが大切です。

楽しい場所、安心できる場所、と印象付けるように教えていきます。

視界を遮った方が落ち着く仔もいるので、毛布などで見えるところを覆ってあげるのもいいですね。

【パピーウォーカー実践日記まとめ】子犬の委託から涙のお別れまで

スポンサードリンク
PREV
あおむけ抱っこ
NEXT
要求吠え・甘噛み!子犬生後2か月の悩み

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

Comment

関連記事

抱っこで眠る犬

子犬が夜中にうんちしちゃうよ~!真夜中のツー事件

子犬の排泄が整ってきたと思っても、思わぬことが起こります。 生後4か月も過ぎたある日、事件が起きま

記事を読む

トイレサークルに座り込む子犬

ストライキ!夜だけはケージで寝るのを嫌がる犬

イズモはハウスが好きな仔で、昼間は部屋で寝ていても本格的に寝るときは自らケージに入って眠る仔でした。

記事を読む

あおむけ抱っこ

訓練センターからは「あおむけ抱っこ」をたくさんしてくださいね。 とお願いされています。 あおむけ

記事を読む

主従関係って何よ?犬育て初心者を悩ませるこの言葉

2013年9月 イズモがわが家にやってきて1か月が経ちました。 イズモは9月20日で、生後3か月

記事を読む

ケージに伏せる犬

ハウスのしつけは必要?ハウスのしつけができていて良かったと思った件

日本盲導犬協会では、犬との生活にハウスを使います。 なので、パピーウォーカーは子犬を委託されたその

記事を読む

ママのひざ掛け

2013年 晩秋 ここがあたしのお気に入りの場所。 ママのひざ掛け。 フリースのブ

記事を読む

ぬいぐるみと犬

最後のレクチャー

2014年6月15日 最後のレクチャーでした。 7家族7頭、全員集合で最後のレクチャーを迎えられ

記事を読む

大人の階段~成犬用フードへ移行~

2014年1月 イズモは20日で生後7か月になりました。 この日から子犬用フードから成犬

記事を読む

トイレのしつけ

子犬がやってきてすぐに必要なしつけの一つがトイレのしつけです。 初めての子犬に、上手にトイレをしつ

記事を読む

雪の上で遊ぶ子犬

犬は喜び♪雪だ~ その1

2014年2月 かなりまとまった量の雪が積もりました。 イズモ地方は冬晴れの日が多く、冬

記事を読む

ドッグフードが気になる子犬
大型犬のドッグフード選びはここに注意

ドッグフードって、種類が多すぎて何を選んだらいいのか迷いますよね。

座る犬
歯ブラシが苦手な犬に綿棒と歯間ブラシを使ってみた

*記事には広告が含まれていることがあります。 ウェルシーはパピーの頃

思いやりの心があれば他人の犬を勝手に触ったり自分の犬を近づけないよね

*記事には広告が含まれていることがあります。 もし街で盲導犬を見かけ

ニュートリエンス「サブゼロカナディアンパシフィック」をわが家なりに評価してみました

*記事には広告が含まれていることがあります。 ウェルシーは、夏の間は

おもちゃが気になる犬
犬を叱る「NO」は「ダメ」の意味ではない!犬を良い方向に導くためのワード

*記事には広告が含まれていることがあります。 私は犬を叱るのが苦手で

→もっと見る

  • follow us in feedly


    PAGE TOP ↑