拾い食い対策で犬に出すコマンドは「NO」ではなく「OUT」
最近のウェルシーは、普段のお散歩での拾い食いは減ってきました。
お散歩コースはいくつかありますが、だいたい家の周りの環境に慣れてきたのだと思います。
しかし、やはりまだ物を拾いますし、普段と違う場所に行くと2倍くらいに拾い食いの頻度は増えます。
犬が拾い食いをする気持ちいろいろ
拾い食いについては、シオンをお預かりしているときにかなり悩んでいました。
しかし、実はウェルシーもシオンといい勝負です。
シオンとウェルシーは「物を拾う」という行動は同じなのですが、その心は違います。
1.ウェルシーの場合
ほとんどが好奇心で、たまにはイライラするときに八つ当たりのように拾うこともある。
です。
拾うことが楽しいので、えへへ~♪というお顔ですね。
2.シオンの場合
不安やイライラで落ち着かない気持ちの転嫁で拾うのがほとんどで、好奇心からのときもあるけどね。
という感じです。
好奇心もあるにはあるけれど、少し不安そうに見えるお顔です。
シオン対策
シオンの場合は根底に不安な気持ちや、ストレスがあるときに物を拾うので、叱ると余計にストレスを感じて拾い食いも悪化しました。
無理に取り上げたりすると、今度は取られたことに腹を立て、イライラして次々に物を拾いました。
なので、叱らず危険なもの以外は見守るようにしていました。
いきなり食べてしまうことは無く、落ち着いた頃に「OUT」というとあっさり離してくれることが多かったです。
普段の暮らしの中でも、人はなるべくシオンを興奮させないように、穏やかな生活を心がけていました。
穏やかな生活の中で、ゆったり散歩を心掛け、やがて拾い食いは激減しました。
(入所までにゼロにはなりませんでしたが)
ウェルシー対策
ウェルシーの拾い食いについて、訓練士さんからご指導をいただきました。
ウェルシーの拾い食いは好奇心から出ているものなので、ウェルシーはそれを「してはいけないこと」と認識をしていないということです。
なので「NO」と言われても、理解ができないのだそうです。
確かにウェルシーは楽しいことを見つけるのが大好きで、物を拾うのはほとんどの場合、楽しいからです。
都合が悪いのはそっちの勝手でしょ。
あたしは楽しいことをしているだけだも~ん。
という感じです。
訓練士さんからは
「NO」ではなく「OUT」を使ってみましょう。
というご指導をいただきました。
確かに「NO」だと
だめなの?
だめって何?
じゃあ、どうすればいいの?
わからないから拾っちゃえ~♪
とウェルシーも思うのかもしれませんね。
答えを提示していませんよね。
でも「OUT」なら「出してね」とか「離してね」という指示になり、ウェルシーは理解がしやすいですね。
そして訓練士さんは、拾ってからではなく
それ、拾いそう。
と思ったときに
ウェルシー、OUTだよね。
などと「OUT」を使い、拾わなかったら褒めてあげて、褒められる経験を積んでいければ
落ちているものを拾わないことがいいことなんだね。
という理解につながるということでした。
「OUT」の指示より好奇心が勝って、拾ってしまうこともあるでしょうし、ウェルシーが拾おうと思っているものにこちらが気付けない場合もあるでしょう。
常にうまくいくとも思えませんし、すぐに改善するわけでもありませんが、根気よく「OUT」でウェルシーに「拾わないでね」を伝えてみようと思います。
おもちゃ作戦も併用
この先落ち葉がたくさん落ちているので、絶対に拾うだろうなあ・・・。
などと予測できるときは、おもちゃを持たせて歩いたりしています。
ウェルシーの写真が無くてシオンですが、こんな感じです。
しかし、おもちゃよりも目についたものの方が魅力的だと、おもちゃを捨てて
パクリンチョ!
といくので、おもちゃも100%ではありません。
おまけにすぐに飽きてしまい、咥えてもすぐに捨てることもあるので、持たせるおもちゃに変化も必要です。
話しかけながら歩いたり、小走りにしたり、人に気を向けるようにしてもつられてくれないこともあります。
まとめのようなもの
お散歩中の「拾い食い」という一つの行動の中にも、犬によって、またはその時によって犬の気持ちはいろいろだということが分かりました。
ウェルシーの場合は、ストレスを感じて物を拾うこともありますが、大部分は好奇心です。
まだまだ人と一緒に歩く楽しさより、何かを拾う楽しさの方が勝つお年頃ということもあり、時間はかかると思いますが、ウェルシーの拾い食いも減ることを目指していきますね。
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Comment
ウェルシーちゃんのパクリんちょ対策お疲れさまです。
パピーの頃は好奇心旺盛ですからね〜
なんでも目に入るものは咥えて確かめたくなっちゃうのよね。
ケインのパクリんちょ期は、やっぱり何も落ちてないところを選んで歩いているうちに、いつの間にか通り過ぎたような気がします。
これが終わるまでは、気を抜いて歩けないのが少し大変なんですよね。
ケインママさん
たまにはあまりパクリンチョしない仔もいるのでしょうが、たいていの仔は通る道ですよね。
危ないものだけは気を付けて、なるべく物が落ちていないところを選びつつ心の成長を待ちます。
なるほどなるほど、「No」でなく「Out」、ものすごく納得です。
Noは抽象的というか、「No」が何を示しているのか分かりづらいですが、「out」は、動作に対するコマンドなのでワンちゃんが理解しやすいですよね。
咥えそうな時点でのコマンドで、「ぱくりんちょしない経験」と「褒める経験」を増やせるし、仮にタイミングがずれて咥えてしまったとしても、そこで「Out」→出す→褒めるの流れで、「気になるものがあっても咥えない方が褒められる」と理解してもらえそうですね。
このような伝え方もあるのだなあと、本当にウェルシーちゃんママさんのブログではたくさん勉強させていただいています。
同時に、訓練士さんたちの引き出しの多さと、基本的な躾の方法はあるのでしょうが、それに甘えず様々な場面を想定し、それぞれのワンちゃんに合った方法を、常に考えていらっしゃるご様子に頭が下がります。
こういった姿勢を拝見するだけでも、協会で盲導犬候補生の子たちがどれほど大切にされているかがわかりますね。
それにしても、ウェルシーちゃんの「ママー、こんなに良いものあったよ」みたいな嬉しそうなお顔、可愛いですね^^
こんなにうれしそうだと、頭ごなしに全て「No」としてしまうのはかわいそうな気がしてしまいますものね。
「Out」がウェルシーちゃんに理解しやすいといいですね♪
すずさん
やはり、基本は犬にわかるように「具体的な指示をだしてあげる」ということなのでしょうね。
どうすればいいのか伝えて、できたら褒める。
もちろん、即効性は無いと思いますが、根気よく繰り返していくうちに犬も理解していくのでしょうね。
訓練士さんは、家庭訪問やレクチャーなどで犬の様子を見て、個々の犬の気質を把握して、その子に合ったご指導をしてくださいます。
今回シオンの例を挙げたように、行動は同じでも心は違うこともありますし、対応が同じでいい場合もあれば変えた方がいい場合もあります。
訓練士さんは引き出しをたくさん持っているので、本当に頼りになります。
1頭1頭の犬を「盲導犬協会の家族」として、大切に考えてくださるところも嬉しいですね。
今は物を拾うのが楽しいウェルシー。
危ないもの以外は
それ持って歩くの?いいね~。
などと言いながら、持て余したあたりで「OUT」と言っていますが、物を拾うより人と一緒に歩く方が楽しくなるように、持っていきながら心の成長を待ちたいと思います。
パクっとするのにも それぞれ心の持ち方が違うのですね(*˘︶˘*)
なるほど〜って すごく感心しながら読んでいます。
OUT☆で教えていく! それもとても良い方法ですね…
こうすると良いんだよ♪ と正しい道に導いていく事が PWの在り方なのですものね(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)
メモメモ✎*。っと♪
またいつか この心のメモが役に立つときがくるかしら〜
そうそう♡今日 録りためていたポチたまで 可愛い〜可愛い〜ウェルちいちゃんを いっぱい観ました♪
兄妹の中で ウェルちいちゃん♡とっても良い味を出していましたね〜
これからが もっともっと楽しみになりました(✿ ❛᎑❛)~♡
オプト♪のPWさん
犬の行動には必ず理由がありますものね。
そして、人にとって好ましくいない行動の場合に
そうじゃなくて、こうして欲しいんだよね。
と、犬にとって分かりやすい伝え方を、訓練士さんはたくさん持っていて、その仔に合った方法をご指導してくださるので、心強いですね。
ポチたまのご報告、ありがとうございます。
ウェルシーは兄弟の中で個性的な感じでしたか?
今のところわが家には、いろんな意味で個性的な仔が来る傾向にありました。
ウェルシーは今までのどの仔とも違う一面を持っている仔なので、また楽しみです。
ポチたまでは、ウィニーとご家族が限られた時間を過ごし、お互いに成長していくのが楽しみですね。
お散歩中のパクリンチョは、それぞれワンコによって意味が違う。なので人間が出す指示も変えて対処する、なるほど〜です。
何でも『何これ?わ〜い♪』の月齢が過ぎれば、指示も理解してスルーが出来ちゃうワンコに育てられるパパさんママさんを尊敬します。この地道な努力のお陰で私達は何不自由なくお散歩が出来ています。本当にありがとうございます(^^)
ツムギ母さん
行動は同じでも、その仔によって心は違うこともあるし
同じ気持ちだけど、違う行動で表現することもあります。
やはり、それぞれの個性がありますね。
こうして欲しい
ということは伝えていくようにしていますが、多くの場合は犬が自ら学んでくれています。
人はそれを温かく見守りながら、ちょっと方向を示すだけですね。
ツムギは特に、何かをさせようとするより、ツムギのペースを尊重してあげたほうが、自ら人の望む方向に寄って来てくれる仔でした。
ツムギが幸せに過ごしていることが、何よりも嬉しいです。
頑固なところもありますが、ずっとよろしくお願いします♪