分離不安を軽減して留守番上手な犬に育てよう
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犬育て
お留守番のときに、近所から苦情が来るほど吠えたり、帰ってくると部屋はぐちゃぐちゃ、あちこちに排泄の跡が~!
あなたのわんちゃんは、そんなことはありませんか?
飼い主も犬も辛い分離不安!留守番のしつけ方
しつけができていないとか、犬が嫌がらせをしているとかではなく、それは「分離不安」かもしれません。
分離不安とは、犬が飼い主から離されることで不安を感じ、パニック状態になることです。
「分離ストレス」と言ったりもします。
分離不安の症状
主に以下の症状が見られますが、犬はもともと社会性のある動物なので、一人になるのは苦手です。
子犬ならなおさらです。
「苦手なんだ」ということを理解してあげましょう。
1.留守番時の様子
- 激しく吠える。
- 物を破壊する。
- トイレ以外の場所に排泄をする。
- 自傷行動(傷つくほど手足を舐めたり尻尾を噛む。)
などがあります。
2.飼い主が在宅中の様子
また分離不安の犬は、飼い主さんが家にいても
- 常に飼い主さんを目で追う。
- 動けばどこにでもついてくる。
- すぐに膝の上に乗ろうとする。
- 飼い主が見えなくなると吠える。
などがあります。
しかし、子犬は親の保護が必要なので当然ですし、成犬でもお留守番ができるようであれば問題はありません。
分離不安の原因
犬が分離不安になる原因として主に
- 環境の変化
- 飼い主が常に一緒に居て甘やかせている
などがあると言われています。
うちでは、イズモが生後4か月齢の頃に分離不安になりました。
関連記事→分離不安症~ビターアップル事件~
通常、子犬はビターアップルを使ったくらいで分離不安にならないと思いますが、夫が甘噛みを許容していた(甘やかしていた)のに、ある日突然ビターアップルを使って拒絶した(環境の変化)ことにより、心に強いショックを受けたのだと思っています。
ひと月ちょっとかかって、治っていきました。
分離不安の犬への接し方
分離不安の犬は、常に飼い主さんを目で追ったり、後追いをします。
これに人が過剰に反応しないようにしていきます。
1.人の気持ち優先で犬に接しない
常に人の行動を気にする愛犬に対して、人の気分で犬に声をかけたり撫でたり、犬のそばを通るたびに犬を見つめたりかまったりするのをやめていきます。
(人間の)子どもも、親が先回りして世話を焼きすぎたり、常に監視しているような態度でいると、子どもは自立できませんよね。
犬も同じで、飼い主さんに常に気にかけられていることが、ストレスになっていきます。
自分が犬に依存していることを自覚することが、解決への一歩になります。
2.犬の気持ちを満たしてあげる
自分から犬をかまうのをやめていき、そのうえで犬が人のそばにいたい気持ちを満たしてあげるようにします。
犬の方から「遊んで」と言ってきたら遊んであげましょう。
「抱っこ」と言ってきたら膝に乗せてあげましょう。
自分の都合で犬をかまうのではなく、犬の気持ちを尊重し、犬がかまってほしいときに相手をしてあげるようにしていきます。
分離不安の時期は、可能な限り犬の要求を受け入れるように心がけていきます。
気持ちが満たされ、いつでも受け入れてもらえると思えるようになり、心が安定してくると、常に飼い主さんに付きまとうこともなくなっていきます。
ちょっと待ってね。
も聞き分けてくれるようになっていきます。
お留守番の進め方
日本盲導犬協会では、留守番時や人が就寝する夜間は犬をハウスに入れる約束になっているので、パピーの頃からハウストレーニングをしていきます。
関連記事→ハウストレーニング
1.短い時間から少しずつ
家庭犬の場合は、ハウスに入れるかどうかは飼い主さんの方針になりますが、お留守番の練習は「短時間」を繰り返していきます。
人が見えなくなると吠えちゃう仔は、1秒でもいいので待てたら褒めてあげます。
その時間を少しずつ伸ばしていくのですが、犬が吠える前に戻ってあげるようにしていきます。
常に吠えてから戻ると、吠えれば帰ってきてくれるという学習につながり
帰ってきてよ~!
と吠えるようになります。
2.パターン化しないように工夫する
少しずつ時間を延ばしますが、たまに短時間で帰ったり、カギを持って出かけたけれど郵便物を取って戻ってくるだけ。
スーツを着たり、メイクをしても出かけないこともある。
というようにランダムにすると、犬は
出かけると思ったけれど、出かけないこともあるし、出かけてもすぐ帰ってくることもあるんだ~。
と学習してくれます。
犬は人の一挙一動を観察しているので、あえてパターンを崩すことも犬の不安を軽減するのに役立ちます。
3.その他の工夫
お留守番の前は、犬が満足(空腹ではない、排泄が済んでいる、お散歩などで心地よく疲れている)な状態に持っていけるように心掛けましょう。
テレビやラジオがついていると安心できる仔もいます。
(おもちゃを置いておくという方法もありますが、日本盲導犬協会では禁止されています。)
犬に黙ってささっと出かける。
というのはよく言われますが、その仔によるみたいです。
うちは黙って出かけると不安になるので「お留守番お願いね」と言って出かけています。
戻ってきたら「Good」と褒めて「ありがとね」と言って、遊んであげたりコミュニケーションを取るようにしています。
その仔に合う工夫をしていきましょう。
お薬もあります
分離不安を軽減するお薬もあるので、獣医さんに相談してみましょう。
ただ、お薬はあくまでも症状を緩和するためのもので、根本的な治療にはなりません。
まとめのようなもの
犬は社会性のある動物なので、一人になるのは苦手です。
なので、分離不安になりやすいと言えます。
犬をかまいすぎず、おうちではお互いに同じ空間に居ながら、独立した関係を目指していきます。
お留守番は、いきなり何時間もさせるのではなく、少しずつ練習していくといいですね。
少しでもお留守番ができたら、たくさん褒めてあげたいです。
苦手なことを頑張っているのですから。
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Comment
ついつい、こちらが「かわいい~♪」で、一方的にワンコわしゃわしゃしてしまう事があると…
確かに、ワンコは自立出来ないですよね…
自立出来ないと、学習しなくなりますよね…
サナは人よりも素早く、「わ~い♪」でしたのですぐに満足してくれたからこの点では助かりました。
落ち着いたら、「ゴメン。ちょっとそっとしておいて。」オーラを出すヤツ(笑)でしたので、幸いに自然とお留守番が出来るようになったのかなぁ…と思います。
自然にいつの間にか出来ている!
ってのがやっぱり理想ですね~♪
その為には人が考えて環境を作ってあげないと…ですね~♪
サナ父ちゃんさん
お留守番は
飼い主さんは必ず帰ってきてくれる。
と犬が思って、安心していられるようになれば、ほぼ成功ですよね。
子犬を育てるのには、環境整備は大切ですね。
いたずらされない環境もそうですし、安心して生活できる環境もそうですし・・・。
子犬自身の成長する力で、自然に学んでいけるのが理想ですね。
それを人がちょっと手助けしてあげるような感じなのでしょうね。