犬の歯が折れたり欠けたりしたら抜歯するしかないの?
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健康管理
犬は噛む力も強く、歯も丈夫なイメージがありますが、以外にも折れたり欠けたりしてしまうことは多いのだそうです。
犬の歯が折れてしまう原因や、治療について調べてみました。
歯の破折は二種類
歯の破折は
- 歯髄を含まない部分が折れたり割れたりしてしまった状態。
- 歯髄を含んだ部分が折れたり割れたりしてしまった状態。
の二種類です。
歯が折れたり欠けたりすると、歯の鋭利な断面が口の中を傷つけてしまうことがあります。
歯髄を含む部分まで破折した場合は、歯髄や歯の根元に細菌が入り、炎症を起こし、重症化する可能性が高くなります。
歯の破折の原因
歯の破折の原因には、ソファやベッドから落ちて折れたなど、事故によることもありますが、原因のほとんどが硬いものを齧るです。
デンタル系のおもちゃなどもありますが、歯垢を取る効果は歯が当たる面しかないので歯垢の除去効果は薄い上に、硬いものだと歯の破折の原因になることが多いということです。
獣医さんのお話では、犬には人が手で折れない硬さの物を齧らせてはいけないということでした。
歯のお手入れは、やっぱり歯磨き一択なのですね。
ウェルシーは歯ブラシが苦手です。
嫌々をされるので、ついついシートになっています。
子犬を育てている読者様は、早めに歯ブラシに慣らしてあげてくださいね。
歯の破折の治療法
今年(2023年)の2月にウェルシーの歯が欠けました。
左上の奥歯の表面が剥離した感じです。
こちら→犬の歯が欠けちゃいました!繁殖犬メス犬は「歯」に注意?
協会で獣医さんに診ていただいたところ、歯の表面が剥離したときに歯肉の中の部分も一緒に取れてそこから出血したということでした。
歯髄には影響はなく、このまま経過観察ということになりました。
この時の記事には
このままでいいの?
人だったら詰め物をして表面を綺麗にするよね?
と私の感想が書いてあります。
一般の獣医さんだと、破折した歯の治療は
- 歯髄まで破折していなくて、口の中を傷つける恐れも無ければ経過観察になり
- 歯髄に影響している場合には、抜歯になります。
ただ、歯髄に影響が無くても欠けた部分から細菌が侵入し、いずれ抜歯になることはあるようです。
- 一度破折した歯は元には戻らない。
- むしろ悪くなる方向しかない。
これが重い現実です。
私は、ラブラドールを飼育しているブロガーさんの記事
こちら→ラブが行く!|歯科治療
を見たので、7月の終わり頃に犬の歯科専門病院を訪ねました。
欠けたのは2月なので、本当はもっと早く受診したかったのですが、ウェルシーの歯が欠けたのが運悪く交配の期間中だったのです。
犬の歯の治療は全身麻酔になるので、胎仔への影響を考えると先延ばしにするしかありませんでした。
歯科専門医の治療法
診察によると
破折から日が経っているので表面に歯石が付き、全身麻酔で歯石を除去してレントゲンを撮り、歯の状態を確認しないと治療方針が決められない。
全身麻酔をかけるので、その場で一番適切な治療を行う。
治療法は
- 破折部分を削り、コンポジットレジンで歯を修復する。
- 歯髄まで影響が出ている場合は、破折部分を削り歯髄を抜いて詰め物をして、コンポジットレジンで歯を形成する。
- ①または②の方法が使えない場合、抜歯になる。
というものでした。
なお、全身麻酔をかけるためには、麻酔をかけて問題が無いかどうか検査が必要で、この日は血液検査と胸部レントゲン検査をしました。
ウェルシーは日本盲導犬協会の犬なので、歯科専門獣医さんの話を持ち帰り、協会との相談になりました。
結果、協会の方針とは折り合いがつかず
- 様子見。
- 悪化するようだったら抜歯。
という結論になりました。
高齢になると全身麻酔のリスクも高くなりますし、引退後は避妊手術(これも全身麻酔)もしなければならないので、抜歯の時期は慎重に決めようと思っています。
「ラブが行く!」の管理人さんのラブラドールちゃんは、2本の歯に破折がありましたが、軽症だった左側に関しては抜歯の選択は無く迷わず治療。
重症だった右側は抜歯を選択しましたが、手術中に獣医さんから「治療で行けますがどうしますか?」という電話が入り、治療をしてもらったということです。
治療をしたのは5歳のときなので、まだ若いし、歯を残せるのであれば残してあげたいですよね。
まとめのようなもの
犬の歯は硬いのですが、硬いものを齧ると折れたり欠けたりすることがあります。
犬が物を噛む仕組みはハサミと同じです。
硬いものをハサミで切る→刃こぼれする。
この理屈で破折してしまいます。
犬には人が手で折れない硬さの物を齧らせないよう、注意してあげましょうね。
破折した歯の治療は、一般の獣医さんだと「様子見」か「抜歯」しかありませんが、歯科専門医では「歯を残す治療」という選択肢もあることをお伝えしたく、今日の記事にしました。
その病院どこにあるの?
ですが、病院側ではブログやSNSでの掲載はNGということでした。
「犬 歯科専門」などのワードで検索していただきますようお願いします。
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