盲導犬育成ボランティアの最終バトンを受け取る人たちへ
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パピーウォーカーの気持ちとか
昨年の12月に1頭目のパピーであるイズモの面会に行ってきました。
関連記事はこちら→パピーウォーカーのお別れは2回ある!面会そしてさようなら
育てた犬へのパピーウォーカーの気持ちとか
あれから1年が経ち、現在わが家では2頭目のパピーであるツムギのパピーウォーキング中で、既に終盤です。
お別れ(入所)の日も決まり、ツムギとの暮らしも2か月を切ってきました。
まだ終わったわけではありませんが、本当に楽しかったです。
犬を飼育した経験が無かった私達にとって、初めてのパピーウォーキングはわからないことばかりで無我夢中でした。
もちろん楽しい時間をたくさん過ごしたのですが、うまくいかないことや悩むこともたくさんあって、今思うと気負いや不安でいっぱいだったと思います。
2頭目はいい意味で肩の力が抜けて、ツムギのおっとりとした性格にも助けられて、のんびり楽しくツムギとの生活を過ごしてきました。
育てた犬が幸せでもパピーウォーカーはそれなりに辛い
日本盲導犬協会では育てたパピーがキャリアチェンジになった場合に、原則パピーウォーカーが引き取ることはできない決まりになっています。
イズモはキャリアチェンジになりましたが、当然私達のもとへ帰ってくることはなく、今はCCボランティアさんの家庭で幸せに暮らしています。
1年弱とはいえ、一番大変で一番可愛い時期を共に過ごしたパピーとお別れするのは、理解していても大変辛いことです。
お別れを次につなげたい
反論もあるかもしれませんが、私の個人的な考えです。
寂しいかもしれませんが、育てたパピーがキャリアチェンジになった場合、帰って来なくていいと思っています。
日本盲導犬協会では、先住犬がいるとパピーウォーカーは出来ない決まりになっているので、育てたパピーを迎えてしまったらそこで終わってしまいます。
「経験を活かして次のパピーを育てる」
ということは出来なくなってしまいますよね。
イズモを迎えてしまったらツムギには出会えなかったということになります。
まだ2頭目ですが、イズモを育てた経験はツムギのパピーウォーキングに役に立っています。
経験が増えれば引き出しも増えていきます。
- お別れを受け入れること。
- パピーウォーカーをリピートできるかどうか熟考すること。
- リピートできるのであれば、経験を次へとつなげていくこと。
それは、パピーウォーカーの喜びでもあると思うのです。
パピーウォーカーは育てたパピーの幸せを祈っている
イズモの譲渡先が正式に決まったのは今年の初めでした。
そして3月。
ツムギの委託が決まった頃、CCボランティアさんからイズモの近況を知らせるお手紙をいただきました。
その時は、イズモが元気で幸せでいることを知って本当に嬉しかったです。
そして今年のボランティア夏祭りでは、幸せそうなイズモとCCボランティアさんに会うことも出来ました。
育てたパピーが幸せに暮らしていると知ることは、私達にとって心の支えであり、パピーウォーカーを続けていく原動力になります。
この日記を読んでくださった最終バトンを受け取ったみなさん。
たまにでいいです。
家族に迎えた犬は元気で幸せに暮らしています。
とパピーウォーカーさんや、繁殖犬ウォーカーさんに伝えてあげてくださいね。
直接でなくてもいいです。
協会を通してでもいいです。
それが心の支えになるという人は、多分私達だけじゃないはずです。
まとめのようなもの
盲導犬の育成は「愛情のバトン」と言います。
最終バトンを受け取ったみなさん。
あなたの手元にやってきた犬は、たくさんの人の愛情をもらい、たくさんの人に幸せを分け与えてくれた大切な犬です。
どうぞ生涯可愛がってあげてください。
イズモとの面会から1年。
幸せに暮らしているイズモを想い、ツムギをもうすぐ送り出し、このブログも三話、四話と続けていけるように盲導犬の育成事業に貢献していきたいです。
って、可愛い子犬を何度も育てることが出来て、楽しいから続けたいだけですけどね。
そしてご縁があれば、いつか育てたパピーが帰ってくるということもあるかな~。
<2019年8月15日追記>
2018年9月、4頭目パピーのウェルシーが繁殖犬に認定され、再びわが家の家族になりました。
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Comment
つむたん♪のママさん* なんて素敵なメッセージを発信して下さったのでしょう…( ☆∀☆)
ジーンとしてしまいましたよ(T^T)
グラン♪のPWさん
パピーがパピーウォーカーのことをずっと覚えているように、パピーウォーカーもパピーのことをずっと覚えていますし、育てたパピーの幸せをずっと祈っていますものね。
育てたパピーがその後も幸せだということを知ることが出来たら、ボランティアを続けていくチカラになります。
先日募金活動でイズモと一緒になりましたが、相変わらず愛されキャラで、本当に幸せに暮らしていました。
イズモをみていると、いいおうちにいってよかったねーという気持ちで胸がいっぱいになりました。その募金活動にはカノンもきていて、私的にはもう興奮マックスでした(笑)
大事に育てたパピーがずっと元気でいてくれる。
元気な様子や話が聞こえてくると嬉しいし、会うことができたら、泣けてきます。私イザベルもそうですが、やっぱり少しの間でも預かった子はその後がどうしているのか?元気かな?ってやっぱり気になりますね。
機会があったら、あいたいなーって。
我が家CCボラ登録しました。40組位まっているのでまだまだですが、きっとものすごくPWの気持ちがわかるCCだと思います(笑)
パピーは仕方ないけど、PR犬も立派に働くわんこだから、引退犬としてPWに帰ってきてくれたらいいなーと思います。
イザベルマミーさん
協会は盲導犬にならない仔のことも真剣に考えてくださって、イズモに合うご家庭を選んでくださったと思います。
イズモにはお子さんの成長の助けになり、ご家族の癒しになるというお仕事がありますね。
マミーちゃんからも幸せに暮らしている様子を聞くことが出来て本当に嬉しいです。
PR犬は富士ハーネスでは訓練センターで生活していますが、他の訓練センターでは、PR犬飼育ボランティアという特別枠(?)のCCボランティアさんのおうちで暮らしていますよね。
引退したらPWに返すとなったらいかがでしょうか?
他の訓練センター所属のPR犬との公平性を考えると、現状では難しいのかもしれませんね。
でも、改善の余地はあるのかもしれませんし、希望は協会に伝えてみるといいかもしれませんね。
CCボラは40組くらい待ち中なんですね。
そりゃあ、どの仔もPWが全力で育てた仔たちですもの。
みんないい仔たちですからね。
CC犬が大人気なのも頷けますね。
マミーちゃん一家のおうちにくる仔は、最高に幸せになりますね、きっと。