キャリアチェンジの理由は顔がボコボコだから・・・?
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第三話 シオン
シオンがキャリアチェンジになりました。
シオン君
決断早いねぇ。
オレ様は盲導犬の訓練なんてやってられねーぜ!!
って、訓練士さんに言ったの?
キャリアチェンジの理由ですが
下の写真は2枚ともわが家に来てまだ1週間か10日目くらいの写真です。
シオンの顔を見ると、頭や鼻の周りなどのシワが凄いですよね。
シオンは眉間の骨の溝がわりと深くて、縦に一本筋が入っているのは元々目立つ感じなのですが、両目の辺りにもシワができてシワ3本になっていたり、顔がボコボコした感じになっています。
委託の時に、子犬棟の訓練士さんに「イケメン」と言っていただいたのに
どこがイケメンなんだろう?
と思っていました。
家に来た頃は、新しい環境になかなか馴染めずいつも緊張していて、心は不安でいっぱいだったのでしょうね。
緊張して顔の筋肉に力が入るので、顔がボコボコになっていたのです。
緊張しすぎるので
シオンのキャリアチェンジの理由は「顔がボコボコ」いえ「緊張しやすい」ということです。
訓練をしていてもどうしても緊張してしまい、これ以上の訓練はシオンにとって負担になるので、温かい家庭に入れてあげましょう。
ということになりました。
私のブログの中では、シオンについて「気が小さい」とか「イライラしやすい」とか「デリケート」という言葉が頻繁に出ていたと思います。
成長と共に過剰な反応はしなくなりました。
でも、慣れない場所に来ると道路のにおいをクンクン嗅いで、自分を落ち着かせようとしていたり、怖いと思うものがあると人の陰にスッと入ってやり過ごしたりしていましたから、根本は変わらなかったのだと思います。
その仔が生まれ持った根本的な気質。
それが「稟性」というもので、生涯変わらないものなのだそうです。
「性格」というのは、持って生まれた気質プラス環境などの要因で変わっていきます。
盲導犬になる、ならないはこの「稟性」とやらによってほぼ決まるんだそうです。
パピーウォーカーを始めるときに訓練士さんに説明されましたが、本当に見事に3頭ともそうでした。
家に来て3か月くらいの間に「この仔こうだよね」と思ったところが、やっぱりキャリアチェンジの理由になりました。
もちろん、どの仔も盲導犬の候補犬だけに「ここは盲導犬に向くところかな」と感じるところもそれぞれにありました。
私達はシオンが盲導犬に向かないであろうことは、かなり早期に予想していました。
それでもだんだん穏やかな仔になり、一緒に生活して楽しい犬になっていったので
一瞬
もしかして化ける?
と思いましたが
やっぱり化けませんでしたね~。
シオンの気質を知るのにこの記事とか、面白いですよ。
もうすぐ、生後5か月齢という頃です。
お婿に行けないかと思っていたもんね~
シオン、ほんとに育てにくい仔でした。
些細なことでストレスを感じて、八つ当たりのようにガブガブ噛んでくるので、腕は噛み傷だらけでした。
飛びついて噛んでくるので、服も何枚も破られてしまいました。
このままでは、盲導犬になるとかならないとかいう以前に、家庭犬としても厳しいのではないかと思いました。
何がストレスになるのか分からず、私より犬好きで温厚な夫が
この仔は手におえない。
と言い
返したい。
とまで言いました。
そんなシオンですが、訓練士さんの適切なご指導と、毎日愛情をもって大切に接しているうちに暮らしやすいいいこになりました。
今は、自信を持って
いい家庭犬になります!!
と言えます。
ほら!
イケメンになったでしょ?
愛情は必ず伝わるんです。
犬って素晴らしいですよね!
シオンが私達に身を持って教えてくれました。
緊張しやすい仔が図太い仔に変身できるわけではありませんが、家庭犬としての生活に困らないくらいには心の幅は広がってくれたと思っています。
パパちゃん
私達、頑張ったよね~。
どっかで聞いた言葉だけど
自分を思い切り褒めてあげたいよね!!
それにしても
どうしてうちには繊細な仔ばかり来るのかしら~?
たまには
天真爛漫、おおらか、細かいことなんて気にしないぜ!
という仔が来ないかな~?
ってゆーか
盲導犬になる仔が全体の3~4割というのなら、そろそろ盲導犬になる気満々の仔にも来てもらわないと、ユーザーさんのお役に立てていないみたいでボランティアとして寂しいで~す。
盲導犬のお仕事をストレスに感じる仔を無理に盲導犬にするのも可哀想ですが、盲導犬になる仔が来てくれないパピーウォーカーも可哀想じゃない?
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Comment
シオン君。シワシワのお顔もとっても可愛いよ・・♥
緊張しちゃうんだね。お手手に「犬」って書いて飲んでもだめだよね。(笑)
早くお家が見つかるといいね。
我が家でもいいよ~。機関銃のように喋りまくり、急に踊りだす姉ちゃんがいて
騒々しいけど・・・(^O^)
ママさんへ
よくがんばったと思います。(上から視線ですみません)
私も三代目がとても大変だったので分かります。
協会から「キャリアチェンジ です」と聞かされると、
正直、凹みますよね。
I君母さん
ありがとうございます。
自分でもよく頑張った!と思います。
穏やかないいこに成長しましたが、元々の気質が難しいところがある仔なので、I君家のように気難しい仔を育てたことがあるようなご家庭がいいかもしれませんね。
そういう仔の気持ちが理解できると思うので・・・。
キャリアチェンジを告げられる連絡は確かに「わ~~い!」とはなりませんよね。
盲導犬になるならないは、持って生まれたもので、パピーウォーカーの育て方でどうなるものではないとわかっていても、無力感を感じてしまうからでしょうか?
パピーウォーカーごときがどうにかできるのであれば、訓練士が全頭盲導犬にしてらあ~!
と思ってもやっぱり、連絡の直後は凹みます。
でも、私は切り替えは早いです。
だって可愛い「うちのこ」が選んだ道ですから、それがその仔の幸せ。
育てたパピーが幸せであることが、一番大切ですものね。
ずっと応援してあげたいです。
シオンくん、進路決定したのですね。
ケインと出かけた時のシオンくん、とってもいい子だったのを思い出します。
あんな可愛い仔、家族としてきてくれたら最高ですよ〜
きっと素敵なおうちにご縁ができて、たくさん可愛がってもらえますよね。
家庭犬になったケイン仔もたくさんいますが、どの道に進んでもみんな幸せなワンコになってね♪と願っています。
ケインママさん
ありがとうございます。
育てたパピーがどの道に進んでも幸せになってくれないと、ボランティアはやっていられませんよね~。
シオンに合ったおうちにご縁が繋がって、これからもずっと幸せでいてくれるように祈っています。
ケイン君
4頭目もご指導よろしくねっ!
気難しい仔は痛い思いをしたりして大変なので、この後2~3回はおおらかな仔がいいなあ・・・。
こんばんは、ご無沙汰しています、ショア母です。今本当に偶然にもこちらのブログを拝読し、正直びっくりしてしまいました。シオン君ママ元気かな〜なんてのぞいたブログだったので。。。
訓練士さんの決断の早さに私も驚きました。
でもシオン君の負担になっているのだと考えるとすごい英断ですね!CC希望だしているので、シオン君来てくれないかなぁ^^
シオン君のカミカミを読んでいて、ショアもひどかった事を思いだしました。私も何度投げ出そうと思った事か。。。
それでもシオン君ママにアドバイス頂きとても心強かったです。パピーだけでなく新米pwも育てて下さっているシオン君ママの存在は協会にとってもとても大きいと思います!これからもずっと。
ここでまた一区切りですね^^
私は今もやはりまだショアの可愛い顔を思いだしては涙してしまう日々です。駅で訓練犬をやはり見かけてしまった事があって、幸いか?不幸か?ショアではなかったのですが、複雑な心境でした。本当にストーカーのようにコソコソ隠れて見ていたのですが(←かなり怪しかったです。しかも泣いてる^^)ここまでして引き離されないといけないものかと。。。でもこれがpwなのですよね、所詮協会の仔なのですよね。
私もショアの行く末を見守ろうと思います☆
またお邪魔させて頂きますね☆
ショア母さん
お元気そうで良かったです。
心のリハビリには相応の時間がかかりますよね。
所詮協会の犬ですが、一緒に暮らした時間は間違いなく「うちのこ」ですもん。
先輩PWさんの存在ってありがたいですよね。
パピーの悩みは訓練士さんに相談するにしても、ちょっとした生活の知恵的なところとか、気持ちの上でのわんことの向き合い方とか、私もたくさんの先輩の方に相談しました。
パピーウォーカーをやって、育ててもらったのは実は自分達だったな。
といつも思います。
CCご希望していらっしゃるのですね。
シオンも、カミカミの大変さなどをわかってくださっているようなおうちがいいかもですね。
多分、環境の変化に戸惑って、最初のうちは人にとって辛いと思うような行動をとってしまうと思うので、そこを乗り越えてくださるご家庭がいいです。
シオンはさっさと行く道を決めましたが、私達もS‐14胎のみんなを応援していますね。
今朝シオンくんのキャリアチェンジを知り、びっくりしました。
先週、初めての乗車訓練をすると聞いていたので、こんなに早くキャリアチェンジの連絡が来ることがあるなんて思いもしませんでした。
シオンくん、レクチャーではいつもパパさんに大人しく抱っこされて、課題をちゃんとこなしていたので、まさか?!という気持ちです。
シオンくんは、シオンパパ&ママの子供になって幸せな時間を過ごしたと思いますが、このお知らせに私も凹みました。
こんな気持ちになるんですね(>_<)
サンディPWさん
訓練の情報などは、取材陣の方からはいるのですか?
通常、入所させてしまうと何かの用事で協会に行き、訓練士さんに会ったりして
パピーのことを聞こうと思っても
元気にしていますよ。
くらいで、それ以上のことは伝えてくれません。
シオンが訓練で電車に乗ったのも、面会のときに訓練士さんに伝えていただき初めて知りました。
シオンは遊ぶのは好きな仔だったので、課題は楽しくやってくれて、そこは助かりましたね~。
2頭目の仔がすぐに
あたし、もういいです。
という仔で苦労したんですよ(笑)
パピーの性格もそれぞれで、進路もそれぞれになりますが、みんな幸せになっていきますね。
シオンはさっさと行く道を決めてしまいましたが、私達もS-14胎のみんなを応援していますね。
おはようございます。
訓練の情報は取材陣からは入りません。
今回は密着取材の打診をいただいた協会広報の方から、最終回放送が終わり、ご苦労様でした、と連絡をいただいた時に今週乗車訓練をやるようです、と書いてあったので分かりました。
これを知って、取材スタッフに撮影した
んですか?と聞いたら撮影したと言っていたので、ひょっとしたらその様子がテ
レビで観れるかも知れません(^^)
それを楽しみに心の支えにしています(*^^*)
サンディPWさん
協会広報の方から知らせていただいたのですね。
訓練中のサンディちゃんも、またポチたまのなかでスポット的にでも出て来るといいですね。
ママさん、パパさん。
えーーー!!速くない??と、我が家で驚きの声があがりました。
でも、緊張してしまうというシオン君をみて、訓練士さんの決断にも納得がいきました。
その仔の持った稟性。
手がかかったヴィヴィ姫を育てるうえで、かなり参考にさせていただいたシオン君へのアプローチの仕方。
その仔の幸せが、一番ぼ幸せなんでしょうね。
ウィンダムママさん
実際私達もあまりの速さにびっくり!
訓練士さんからの電話に出たのは私ですが、最初訓練士さんが何を言っているのか理解できませんでしたもの(笑)
でも、ゆっくりお話を伺い、シオンに合った訓練をしていただいて、適切なご判断をされたと納得できました。
別に盲導犬にならないことがダメなことでも残念なことでもなく、その仔の幸せが私達育ての親にとっても幸せなことですからね。
まあ・・・
ボランティアとしてはユーザーさんのお役に全く立てていないわが家なので、ぜひ
盲導犬になりたいです!
と言ってくれる仔にも来て欲しいですけどね。
シオン君、お疲れさまでした♪
訓練する時に緊張しちゃう、ってことは、楽しめてない、ってことになるのかな…
そうすると訓練、苦痛になってしまうかも…ですものね…
シオン君にとっては、きっと良かったかも知れません。
シオン君が安心してオレ様発揮できるお家に迎えられるといいですね…
パパさん、ママさん。
改めて、お疲れさまでした。
シオン君、ツムギちゃん、イズモちゃんと向き合ってきたことをこちらのブログを通じていろいろと感じた方は多かったと思います。
また、たくさんのパピーウォーカーの皆様も参考にされたりしたかと思います。
また次の仔を間もなくお迎えになる頃かとおもいますが、またブログで発信頂けたらと思います。
いつの日か、またワンコ預かるときの為に勉強させて頂きますね♪
サナ父ちゃんさん
私達も訓練士さんのご英断に感謝です。
面会も済ませて来ましたが
緊張する=訓練が辛い
でシオンがとんがってしまっていないか、不謹慎ながら不安でした。
再会したシオンは、始終穏やかで、私達との時間を楽しんでくれました。
訓練士さんからは、訓練自体は楽しくやれていたとお伺いし、シオンに合う訓練をしてくださって、シオンにとって一番良い判断をしてくださったのだと、心から安心できました。
また応援よろしくお願いいたします。
こんにちは、イズモ時代から読んでますが、これが2回目のコメントです。このブログを読むようになってから、盲導犬協会の募金箱を見かけたら、寄付(少しですが)するのを心がけるようになりました。
我が家には、元保護犬で、もうすぐ3才になるラブラドールがいます。
生後3ヶ月から育てているのですが、犬を飼ったことはあっても ラブラドールと一緒に過ごすのは、初めてで、この着ぐるみの中にヤンチャ坊主が入ってるような子をどうやって躾けるの?と、訓練所に通ったり、本を読みあさったり、ネットで検索していてこのブログに巡り会いました。
散歩仲間のラブラドールでも色々な性格の子がいて、盲導犬のように飼い主に寄り添っている大人しい子もいれば、天真爛漫で弾けた子もいて・・。
本当に生まれ持った性格があるんだなぁと思いました。
共通して言えるのは皆 頭が良い!!ですね。
我が家の子もシオン君と同じで表情豊かです、シュンとしたり、思慮深く眉間にシワ寄せる時もあれば、飛びっきりの笑顔も見せてくれます。
犬って笑うんだ!と思いました。
愛情かけて育てて下さってる方には、本当に頭が下がります。
ありがとうございます。
またコメントさせて頂きます。
ラブママさん
いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。
盲導犬協会にご寄附をいただき、ありがとうございます。
と私が言うのもヘンかもしれませんが、パピーの医療費などの一部は協会から出していただけるので、パピーの育成にも多くの皆さんのお心に助けられています。
私達が安心してパピーを育てていけるのも、皆さんのお心があってこそです。
その一方で、人の都合によって飼育放棄される犬達がたくさんいることにも心を痛めています。
犬もいろいろな性格の仔がいて、育てやすい仔もいれば育てにくいと感じる仔もいます。
性格はさまざまでも、犬はみんないいこ。
人の接し方で、ちゃんと暮らしやすい仔になっていくと思うのです。
犬育てに悩んだり癒されたり笑ったりする日々を、多くの犬の飼い主さんと共有できたら嬉しいと思います。
そして「可愛い」と思って家族に迎えた犬を「いらない」と思う人が少しでも減ってくれたらいいなと思います。
私に出来ることは少ないですが
ぜひ、また遊びに来てくださいね。