子犬が人の足を噛んでくるのはなぜ?私は普通に歩いているだけなのに
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甘噛み 噛み
普通に部屋の中を歩いているだけなのに、あるいは普通にお散歩をしているだけなのに、飼い主さんの足を噛んでくる仔はいませんか?
子犬が人の足を噛む理由と対策を考えてみました。
子犬が人の足を噛む理由と対策
1.習性
犬には「狩猟本能」があり、動いているものに反応します。
目の前で動く人の足をおもちゃのように思って、つい噛みついてしまうということがあります。
犬は人の足を「動くおもちゃ」のように思っているだけなので、動きを止め、相手にしなければ噛むのをやめます。
噛むのをやめたら「Good」と褒めて、噛んでいいおもちゃを与え、おもちゃを噛んでいるときを褒めるようにします。
次第に、噛んでいいもの(おもちゃ)と噛んではいけないもの(人の足)を区別できるようになります。
根気よく教えてあげましょう。
2.人の気を引きたい
最初のうちは、動く足を反射的に噛むだけだったのに、人が「NO(ダメ)」などと叱ったり、子犬を押しのけたりすると、人は叱っているつもりでも子犬は
飼主さんが反応してくれた♪
と学習します。
やがて、遊んで欲しいとか、かまって欲しいときに、噛むようになっていきます。
これは
そんなことをしても遊んであげないよ。
ということを子犬に理解させる必要があるので、人は反応せず動きを止めます。
ズボンの裾などを噛んで振り回そうとするときなどは、ズボンの裾をなるべく子犬の口のそばを持ち、動かないようにして「OUT」と言って離してもらいます。
離したら褒めて噛んでいいおもちゃを与え、おもちゃを噛んでいるときを褒めます。
わが家では「足」ではなく「手」でしたが、このケースを悪化させ、治すのに苦労しました。
シリーズになってるので、興味のある方は過去記事をご覧ください。
3.ストレスになっている
動く人の足に噛みついてくる。
という行動は同じなのですが
- おもちゃのように思っている。
- 遊んで欲しい、かまって欲しい。
というポジティブなものではなく
- 目の前で動く足が不快、イライラする。
など、ネガティブな場合もあります。
犬は人の言葉を話せないので、見極めるのが難しいのですが、人の足の動きが(子犬から見て)乱暴でストレスになっていることがあります。
犬の目の高さから世界を見ると、動き回る人の足は大きいですし、足音が不快だったり、ひらひらするスカートやワイドパンツの裾などは鬱陶しく思えるのかもしれません。
こんな場合は
- 人はゆっくり動く。
- ひらひらした服は着ない。
- ドタバタ足音を立てず、静かに歩く。
- ドアの開け閉めは静かに。
- 大きな声を出さず、ゆっくり穏やかに話す。
ちょっと窮屈かもしれませんが、人が穏やかな動きをすることで犬が落ち着いてきます。
イライラせず、落ち着いて暮らせれば「噛みつき」も改善されるので、ずっと続くわけではないと思って頑張ってあげましょう。
子犬が安心してゆっくり過ごせる環境を整えてあげることも大切です。
お散歩中に噛んでくる場合
1.ポジティブ
お散歩中に、リードや靴紐やズボンの裾を噛んでくる場合も、それが子犬から見て楽しいおもちゃになる場合があります。
指示で座らせるなど、その仔ができることをやらせます。
「噛み」とは別の行動をさせて褒めて
こっちがいいことなんだよ。
と教えていきます。
おもちゃを咥えさせて、靴紐じゃなくてこれを咥えて歩いてね。
というのもいいですね。
2.ネガティブ
外の環境が不安だったり怖いと思っていて、八つ当たりのようにリードや靴紐を噛んでくる仔もいます。
そういう仔は、外のちょっとした刺激だけでも怖いと思ってしまうので
お散歩は楽しい。
ということを伝えることが目標になります。
最初は歩けなくてもいいので、家の前や安全な公園などでおもちゃで遊んであげたり、刺激の少ない同じコースを毎日歩きます。
噛みつき行動が出たら、座らせる、抱っこするなど、その仔が落ち着ける方法で落ち着かせます。
飼主さんと一緒に歩く人や車などを見るだけでもいいので、無理せずその仔が外の環境を受け入れていけるペースを大切にしながら、少しずつお散歩の範囲を広げていきます。
根気
根気
です。
やってはいけないこと
1.一貫性のない行動
子犬が噛んできたときに反応したりしなかったり、人が一貫性のない行動を取っているとなかなか改善しません。
噛みつきに対して家族全員で、いつも「反応しない」ことが大切です。
2.叱る
ポジティブな理由にせよ、ネガティブな理由にせよ、子犬が人の足やズボンの裾を噛んでくるのには理由があります。
人は叱っているつもりでも子犬から見れば
飼主さんが反応してくれた♪
という報酬になり「噛みつき」を強化してしまうことがあります。
ネガティブな理由の場合は、怖いとか不安という気持ちの上に飼い主さんから叱られたら、子犬にとっては最悪です。
怖いものから自分を守ってくれず、さらに恐怖を与える飼い主さんを子犬は信頼できなくなるでしょう。
噛んでくるからと叱ることを続けると、子犬は恐怖心から自分を守ろうと考え、攻撃的に噛むようになります。
こうして「最強の噛み犬」が作られることもあるのです。
まとめのようなもの
子犬が人の足を噛んでくる場合の、理由と対策を考えてみました。
人の足をおもちゃだと感じるポジティブな気持ちの場合も、足の動きを不快に感じたりストレスに感じるネガティブな場合もあります。
床から数十センチという、低い犬の目線から見る世界を想像して「うちのこ」がどんな気持ちで人の足を噛んでくるのか、見極めていかなくてはなりませんが
- 人の足よりおもちゃの方が楽しいと教えたり
- 子犬が安心して暮らせる環境を整える
など、根気よく対応しながら、子犬の心の成長を待ってあげましょうね。
(写真は全てシオンです)
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