盲導犬キャリアチェンジ犬 それぞれの幸せ

公開日: : パピーウォーカーの気持ちとか

わが家でお預かりしたパピーたち。

いまのところ盲導犬になった仔はいません。

それぞれの理由で、一般家庭に入ることを選んだ仔たちなのですが、みんなそれぞれに幸せに暮らしています。

イズモ

直近では、一昨年の富士ハーネスのイベント「キャンドルナイト」で会うことができました。

関連記事→パピーウォーカー 育てたパピーと久しぶりの再会 キャンドルナイトのサプライズ

その前の年に、富士ハーネスの夏祭りで会ったときのイズモはまだまだ子どもっぽかったのに、すっかりお姉さんになりびっくりしました。

今年いただいた年賀状の写真です。

イズモがキャリアチェンジになったとき、迎えてくださるご家庭が小学生の男の子がいるご家庭ということで私は少し不安でした。

イズモは、わが家に委託された当初から人見知りなところがありました。

結局入所までイズモから見て「威圧的」と感じる人や、バタバタ動き回り行動の予測がつかない小さな子どもを「怖い」と感じるところは治りませんでした。

全ての小さい子どもが苦手なわけではありませんでしたが、譲渡先のおうちのお子さんと仲良くできるかどうか心配でした。

実はイズモ家でも

うちでいいの?

と思ったそうです。

おうちに迎えられた当初のイズモは、環境の変化に戸惑い、あらゆる場面で吠えてしまうので

この仔が幸せに暮らせるために、どうしてあげたらいいのだろう?

といろいろ悩んだり、考えてくださったそうです。

そして、7か月後に富士ハーネスのボランティア夏祭りで会ったイズモは、すっかりお子さん達と仲良しで明るく元気で、ご家族の陽だまりになっていました。

ご家族の愛情の賜物です。

今はお子さん達も大きくなり、イズモもすっかりおとなの犬になりました。

イズモはお子さんの成長の助けになり、わが家では経験できない楽しい時間を過ごしてきたんだなあと嬉しくなります。

ツムギ

穏やかで優しい仔ですが、意外に頑固なところもある仔です。

自己主張も、吠えたり噛んだりという人にとって分かりやすい方法ではなくて、拗ねたり、ふて腐れたり、だってだってと頑固さを見せたりします。

それは、ちょっとしたしぐさや表情で表現するので、人が気付いてあげられないことが重なると、ツムギにとってはストレスになります。

ツムギの気持ちに寄添ってくれるご家庭がいいなあ。

と思っていたところ、本当にぴったりのおうちにご縁を結べました。

やはり

どうしてあげたらツムギが幸せに暮らせるのだろう。

とたくさん考えてくださいました。

実はツムギはものすごくおしゃべりな仔なのです。

今はいろいろなしぐさや表情でたくさん話しかけてくれるそうです。

自分の気持ちを表現できることは、ツムギがご家族を信頼しているからこそなので、ツムギにとっては最高のご家庭だと思います。

1月23日はツムギの誕生日でした。

ご家族からいただいた写真です。

ローソク1本だけど、3歳になったのよ♪

あなた、本当に犬?

幸せすぎて溶けないでね。

シオン

寒くなってきたら、シオンのことを思い出す日が増えました。

昨年、寒さが厳しくなった頃、シオンがよく植物の種のようなものを拾っていました。

関連記事→わんこの拾い食い 好みもそれぞれ

シオンは目ざとく見つけて拾っていましたが、まとまって落ちているわけではなく、あっちにひとつ、こっちにひとつ、という感じで落ちているので、シオンがいない今はなかなか見つけられないでいました。

しかし、最近

見つけました。

未だに何なのかわかりません。

最近、シオン家からも写真をいただきました。

シオンはなかなか難しい仔でしたが、元々素直な仔だったので、まっすぐないい仔に育ってくれました。

海の写真以外の2枚は、おとうさんにべったりくっついているのですが、ご家族にすぐに馴染んでくれて特におとうさんが大好きで、どこへでも後追いをしているそうです。

シオンは温かな家庭で、ゆったりした愛情に包まれてこそ、生き生きと輝ける仔なんだろうな。

そう思うたびに

のんびり暮らそうね。

と言って穏やかな愛情で包んでくださるご家族は、シオンにとって最高のご家庭だと思います。

おまけ

わが家を巣立ったパピーたちですが、いまのところみんな別々の都道府県にご縁をいただきました。

この先、何頭育てられるかはわかりませんが、いつか(育てた)パピー巡りの旅をしてみたいです。

盲導犬になる、ならないにかかわらず、育てたパピーがまた別の誰かを笑顔にして、その仔自身も幸せに過ごしている。

そう思うと楽しくて、まだ当分パピーウォーカーを辞められそうもありませんね。

パパちゃん、いつかは自分の犬をって言うけれど・・・。

無理かもね。

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Comment

  1. ラフ♪のPWです より:

    みんなฅ՞•ﻌ•՞ฅワン♥幸せ✾✿❀

    それが*すごくすご〜く嬉しい事ですよね(❁ᴗ͈ˬᴗ͈) ママさんの今日の記事からとっても伝わってきました。

    今日は ウェルシーちゃんが 帰ってくる日ですね❁.*・゚
    ぎゅっとして♡ またパパさんママさんのお膝が温かくなりますね(*˘︶˘*).:*♡

    ウェルシーちゃんが居るうちに お逢い出来ると良いなぁ〜(*˙˘˙*)ஐ

    • gd.vol より:

      ラフ♪のPWさん
      育てたパピーが幸せであるということは、励みになりますね。

      ウェルシー、帰ってきましたよ。
      4月生まれなので、入所は4月か5月かな~?
      なんて思っています。
      ぜひ、お会いしたいです~♪

  2. ツムギ母 より:

    イズモちゃん、シオン君、そしてツムギ…とっても素敵なパピパパ・パピママのおウチでパピー時代を過ごせて良かったね♡
    パピパパさん・パピママさんからたくさんの愛情に包まれて育ったツムギ。『人は信用出来る』を教えて貰って我が家に来たツムギ。一気に『家族』として受け入れてはくれなかったけど(どの仔もだと思いますが)、最初から信用はしてくれてたよね、ツムギ♪
    この場をお借りして…ツムギに関わって下さった全ての方へ。
    皆様のお陰で、ツムギ家族は幸せMAXです。ありがとうございます。
    素敵なご縁で紡がれた『愛のタスキ』。繁殖犬ボランティアさん、パピパパさん、パピママさん、ショートステイボランティアさん、協会のスタッフの皆さん…皆様の温かな優しさがあったからこその、今のツムギです。本当に本当に、ありがとうございます!

    • gd.vol より:

      ツムギ母さん
      ツムギは北海道から来たので、移動の度にたくさんの人にお世話になりました。
      ツムギ母さんが知らせてくださる近況を、楽しみにしている人もたくさんいるんですよ。
      そして、みんなツムギとご家族の皆さんが幸せに過ごしていらっしゃることを、喜んでくださっていると思います。

      訓練士さんのお蔭で、人に愛される仔に育てることができて、感謝です。

  3. ツムギ母 より:

    追伸…
    いつかお会い出来ること、楽しみにしています。

    距離は離れていてもパピパパさん・パピママさん、いつもツムギにポカポカの愛情を送って下さり、感謝です!
    パパさん・ママさんは永遠にツムギのパパさん・ママさん♪ そして私達はお父さん・お母さん♪
    ツムギは幸せ者だなぁ〜♡

    • gd.vol より:

      ツムギ母さん
      距離は離れていますが、いつかお会いできるのを楽しみにしています。
      嫁に行った娘も、娘には変わりないので、永遠に「パパさんママさん」と言っていただけること、嬉しいです。
      ありがとうございます。

  4. サナ父ちゃん より:

    どの仔もみんな、迎え入れてくださったお家のみなさんを幸せな気持ちにしてくれてるんですよね…

    誰かの為に、という使命を持って生まれてきた仔、という事であれば、みんな立派に果たしていますよね。

    迎え入れてくださったお家のみなさんも、大切に接してくださるのをこうして知ると、やはりボランティアのはしくれとしては嬉しいです。

    そう遠くないうちにお家巡りしてくださいねっ♪
    楽しみですね~♪

    • gd.vol より:

      サナ父ちゃんさん
      どの仔も不思議といいこに育ちますね。
      性格はそれぞれですが、みんな人に寄添ってくれる仔に育ってくれました。
      訓練士さんが、個々の犬の気質を考えて丁寧にご指導してくださるお蔭ですね。
      パピー巡りの旅。
      なんだか楽しそうなので、いつかはと思います。

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